レイバーネットTV「JAL解雇争議」の感想(北健一) | |
[MenuOn] Home | ニュース | イベント | ビデオ | キャンペーン | 韓国 | コラム | About | Help [login ] | |
レイバーネットTV第20号放送(10/6)、全体としておもしろかったですが、JAL解雇特集は力作でした。お疲れ様でした! 稲盛講演、裁判所前の映像からスタジオへという流れは、本格ニュース番組のようにわかりやすく、 内田さんと「稲盛」(のお面を被ったキャスター)との問答には思わず拍手。経営の神様にはがっか りですが、同時に、内田さんのような立派な経験と見識をもった人を追い出すのではなく、活かしてこそJAL 再建がほんとうに進むに違いない、と思いました。 山口さん(機長)の言われた、台風に近づいていく機長の話は、私も取材で聴いていましたが、改め てぞっとしました。この件だけでも、国交省はJALに報告を求め、是正を指導すべきでしょう。 山口さんは「稲盛会長の利益第一主義が、とくに管理職には入っている」「非常に深刻な状況だ」と 指摘されましたが、私もそこが気になります。現在JALの中で意識改革のバイブルとされている「JAL フィロソフィー」(社外非公開)には、 「売上目標が達成できない状況であったとしても、経費を削減することで、利益目標を死守すること は可能なはずです。……私たちはどのような状況であっても、この利益が最大限になるように努めて いかなくてはなりません」 「運航部門では『燃料を100ポンド節約したらそれがいくらに相当するのか』、整備部門では『こ の部品はいくらか』……。そういったことに関心をもつことにより、採算意識が高まっていくのです 」 とあります。 こうした「意識」が高まると、燃料代を20万円節減して利益目標を「死守」するために、台風に 突っ込むことも厭わなくなるのでしょう。昨日は、稲盛さんがトップに立った別の企業での、「正し い心で製造すれば不良はゼロになるので 、検査が省ける」という話を聴きました。 「どう考えても必要なかった」整理解雇はもちろんおかしいのですが、それだけでなく、こうした考 え方(いわゆる稲盛教)によって、安全運航を現場で支えてきた厚い層が削り取られ、綻びつつある ことが深刻です。正直、この現状が変わらない限り、JALに乗るのが怖いです。 Created by staff01. Last modified on 2011-10-14 00:31:27 Copyright: Default |