木村百合子さんの公務災害認定裁判が結審！遺族と支援者の思いが結集した
９月８日、木村百合子さんの公務災害認定裁判が結審した（静岡地裁民事第２部 山��努裁判長）。
木村百合子さんは、静岡県磐田市立小学校に新規採用された２００４年９月、自ら命を絶った（享年２４歳）。その背景には、木村さんが担当していたクラス運営の困難さと新人教師に対する職場や教育委員会の木村さんに対する支援の弱さ（実態把握のなさ、木村さんへの関り方の誤り）、さらには労働条件の過酷さがあった。
遺族は木村百合子さんの自死は公務災害にあたるとして申請したが、却下され地裁に提訴、２００８年９月に始まった口頭弁論は３年に及ぶ審理を経て今回結審を迎えた。
最終弁論では原告側から１３８ページに及ぶ最終の準備書面が提出された。また、原告の木村憲二さん（故木村百合子さんの父親）から、最終陳述が述べられた。憲二さんは、「なるのを夢見た教師を、百合子は全力でがんばりました。その百合子が半年後に焼身自殺を遂げたとき、私はせめてその原因を知りたいと思いました。」「今、心を病む教師が増えています。百合子の事件はその一つのケースだと思います。全国では百合子と同じ悩みをかかえた若い人が多いはずです。」「今求められるのは、健康で安心した教育にあたれる条件が学校に備わることです。この裁判の結論が、全国の学校の改善につながることを願います。」と語った。この陳述には、木村裁判が現在の学校が置かれた劣悪な勤務条件の改善につながるという、この裁判の根本的な意義が込められている。
この思いは弁護団も支援者もまったく同じだ。弁護団の小笠原里夏弁護士は、「今回の裁判でお母さん（和子さん）が『今の学校には若い教師を支える体制がまったくない』と最初に語ったことを思い出しました」と述べた。また百合子さんと同じように公務災害認定裁判を闘い、最高裁で勝利した故尾崎善子さんの遺族（弟）の尾崎正典さんは、「現場で若い教員が育っていける条件がつくられていくために、木村さんの裁判も絶対に勝利しなければいけない」と力強く語った。
百合子さんの母親の和子さんは、インタビューで「裁判の途中、大変だと感じることもありました。でも、みなさんのおかげでここまで来れました。裁判に勝って、『基金（被告）』に控訴させない取り組みもやっていこうと思います」と決意を語った。
この裁判には毎回４〜５０名の支援者がかけつけ、マスコミにも地方放送局のみならず全国ネットでも報道されるほどの注目を集めている。それだけに勝利させる意味は極めて大きい。判決は１２月１５日、静岡地裁２０１法廷で言い渡される。（湯本雅典）
＊判決の日程
・１２月１５日（木）午後１時３０分 静岡地裁 ２０１号法廷
（静岡地裁は、ＪＲ静岡駅からバスで「中町」下車５分）
＊写真＝報告集会の木村さんの両親
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