貧困問題をより身近に〜レイバーネットTVが「貧困ジャーナリズム賞」受賞 | |
[MenuOn] Home | ニュース | イベント | ビデオ | キャンペーン | 韓国 | コラム | About | Help [login ] | |
レイバーネットTVが反貧困ネットワークが企画した「貧困ジャーナリズム賞」を受賞した。その授賞式が、6月30日東京・岩波セミナールームであった。約100人が集まり会場はいっぱい、司会は湯浅誠さんだった。賞は3月に決まっていたが、震災のため授賞式が6月30日に変更になっていた。そしてこの日初めて、賞の全容が発表された。 大賞に選ばれたは「テレビ朝日・ドラマ『相棒Season9〜ボーダーライン』」で、「ニュースが伝えきれない貧困のリアリティをドラマが伝えた。現代の貧困を多くの視聴者の心に刻んだ歴史的なドラマ作品だった」と評価された。特別賞2件は、「安田浩一・ルポ 差別と貧困の外国人労働者」、「中京テレビ・寝たきりアパート」。また貧困ジャーナリズム賞は、「毎日新聞大阪社会部・ルポ 派遣切りその後」、「京都新聞連載・ひとりじゃないよ」、「中日新聞・子ども貧困」、「ラジオ大阪・ラジオ派遣村」、「赤旗社会部・だれかボクに、食べものちょうだい」、「OurPlanet-TV」、「レイバーネットTV」の7件だった。 レイバーネットTVの受賞理由は「インターネット上に世代を超えて楽しく貧困問題を語り合う『場』を作った。中でも若者が労組などのベテラン活動家に率直な質問を浴びせる『教えておじさん』のコーナーは人気が高く、ファンが急増中だ。かつてのラジオのDJ番組風に楽しく見せる工夫もして、貧困問題をより身近なものにした」だった。 会では、まず反貧困ネットワークの宇都宮健児代表(写真上)が、賞状と記念品を一人ひとりに手渡した。「普通は金持ちが賞を出す。だから金持ち好みの人が選ばれる。しかしこの賞は貧乏人が賞を出すところがいい。貧乏人が評価した仕事だからだ。賞金もなにも付かないが、これを機会にいっそういい仕事に取り組んでほしい」と激励した。レイバーネットTVは、レイバーネット事務局長・同TVキャスターの土屋トカチさんが代表して授賞した(写真下)。 授賞式のあとはシンポジウム。竹信三恵子・水島宏明氏が司会になり、受賞者6人で「貧困とメディア」をめぐって活発なディスカッションが行われた。レイバーネットTVの土屋トカチさんは、この1年のレイバーネットTVの取り組みを紹介、まだまだ知られていないレイバーネットTVを大いにアピールすることになった。 シンポジウムでは、安田浩一さんの発言が注目を集めた。「原発報道で抜けていること、それはなぜあそこに原発が建ったのかということ。貧しいからですよ。作物が育たない土地なのです。貧困問題ぬきに原発は語れません。それから私は外国人労働者を取材していますが、かれらが震災後に置かれた状況は半端ではありません。半分近くがクビになっています。もっと足下をみなくては」。底辺の現場を歩いている安田さんならではの言葉だった。 また、大手メディアの人が「企業内で報道することの難しさ」を吐露するなかで、レイバーネットTVをはじめ「ネットメディア」の元気ぶりが目立った。OurPlanet-TVの白石草さんは「専従スタッフ2人とボランティアでやっている。放射能汚染問題では15万のアクセスがあった。20ミリシーベルト問題でもOurPlanet-TVがリードしてきた自負がある。これから大事なことは、各市民グループがメディア班をつくり当事者自らが発信していくことではないか。原子力資料室事務所は完全にユーストスタジオになってしまったが、反貧困ネットワークもできると思う」と問題提起した。さっそくユースト中継を見た人からはツイッターで「河添キャスター、宇都宮キャスターの姿が見たい」と反応があった。 約2時間におよぶディスカッションは、さまざまな問題提起があり、刺激に満ちたものだった。ユーストリームにアーカイブが残っているのでぜひ見てほしい。(M) Created by staff01. Last modified on 2011-07-03 15:06:00 Copyright: Default |