湯本現地取材報告1〜独自の放射能調査をはじめた福島県教組郡山支部 | |||||||
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福島の子どもたちを放射能から守るために!〜福島県教組郡山支部書記長に聞く 福島県内の小中学校では、一部を除き4月6日に予定通り入学式、始業式が行われた。しかし、学校現場や保護者からは「被難所として体育館が使用されている」「校舎が損壊し危険である」「放射能の数値が高い」などの不安が市町村役場に届いていた。にもかかわらず県教委は、「粛々」と通常通りの学校活動を再開したのである。 郡山市では、教組の要請や親からの不安の問い合わせが多数寄せられたことを背景に4月6日始業が11日に延期された。郡山市の現状について、福島県教職員組合郡山支部書記長の鈴木浩行さん(写真)に聞いた。 県内では、3月11日県内のおおまかな地域ごとに放射線値を測定しホームページで公表した。教組としては、それではあまりにもずさんであることから放射線測定器を借り受け、独自の調査を開始した。その調査ではできるかぎり細かく、学校ごと、学校内の様々な場所を測定し、連日(多いときは1日3回)ファックスニュース「どんとこい」(写真下)で各学校に報告した。その結果、測定地点ごとに放射線値が違うということ、その違いは必ずしも原発からの同心円に比例していないこと、また学校内でも土の上、みずたまり、堀の中などは値がぐっとあがることなどがわかってきた。 教組としてはそれと並行して各学校の放射線値を図るよう県教委に求め、県はやっと今月初旬に原発から30km圏外の幼稚園、保育園、小・中学校、特別支援学校での計測を実施した。しかし県は「放射線値に問題はない」という結論を出した。根拠は先ごろ国が、放射線の許容基準を1ミリシーベルト/年から20ミリシーベルト/年にあげたことに基づいている。これでは、「問題なし」を結論付けるための調査であったとしかいいようがない。 鈴木さんは、今子どもたちが震災後の様々な不安をかかえながら登校していることを心配する。今必要なことは、急いで「通常」の状態に戻すことではなく、一度立ち止まって子どもたちに向かい合うことだという。教育の原則が試されると言っても過言ではないこの事態に、郡山支部は連日ファックスで各学校への配信を続け、現場のネットワークを強めることでこの課題を乗り越えようとしている。その意気込みは、文字通り「どんとこい!」である。(湯本雅典) Created by staff01. Last modified on 2011-04-13 20:57:19 Copyright: Default |