大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会に120人以上集まる | |||||||
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2月27日、エルおおさかにて、「なんで有期雇用なん!? 大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」が開催され、全国から120人以上の人々が集まった。当事者の現場から報告がなされ、大学の問題をメインに、日本中に広がる非正規労働・有期雇用の現状に対して真剣な議論が交わされた。
はじめに、非正規雇用の問題に25年間取り組みを続けている脇田滋さん(龍谷大学・労働法)が基調講演した。 趣旨を簡単に要約すると、日本の非正規雇用は、労働法の6つの原則に反する脱法的状態である。有期雇用は、「解雇付き雇用」と言いなおすべき。ヨーロッパのように有期雇用利用の法的規制が重要である。日本の常識は世界の非常識、非正規雇用は雇用が不安定なうえに待遇が低い。均等待遇の原則を確立することが重要だ、と講演した。 そして、最後に日本の企業別組織では限界があると話し、正社員中心の既存労働組合に厳しい意見を述べた。(私は、とくにここが印象に残りました) 「企業別組織にあまり期待してはいけません。正社員の組合は、事実上組合とはいえない、歴史的役割は終わった、というのが現実ではないかと思う。多くの組合は闘っていない。例えば、約30年間ストライキがない。会社を相手に裁判を起こす、というのは昔は当然だったのだが、そんな組合は少なくなってしまった。過去5年間にストライキをしない、会社相手に裁判をしない組合は、自主性のない組合だ、ということまで私は考えている。そんな組合に、あまり大きな期待はできない。やはり、非正規労働者自身が団結・連帯することが重要だ。有期雇用のひどさを実感している労働者自身が声をあげて、連帯を実現しなければいけないのではないか」と話した。 大学非常勤職員の有期雇用撤廃を訴えて、京都大学内で1年以上にわたってテントを張って座り込みカフェを続ける時間雇用職員組合・ユニオンエクスタシーの小川さんは、非常勤職員が有期5年でくびというのは本当に「おかしい!」と思う。非正規の問題は、女性労働の問題で、差別の問題なのだ、ということがこの1年を通じて実感としてわかってきました、と述べた。 関西学院大学で障がい者支援ソーシャルワーカーとして働く大椿さんは、『女性としごと』No.50に寄せた原稿で、全国にいる障がい者学生支援コーディネーターの多くが、最長でも3〜5年の非正規の有期雇用であり、その多くが女性である現状について述べた。その文中で、労働組合関係者に「あなたのときには変わらないかもしれない。でも次の人のときには変わるかもしれない。それが労働運動だよ」とアドバイスされ、継続雇用を求めるたたかいを始める決意を固めたことを紹介している。今回の集会では、専門知識と経験を持った障がい者支援職員が有期で首切りされている現状を紹介し、自分自身の運動が、全国の仲間に安定した雇用を勝ち取るための環境を整える呼び水にしていきたい、と述べた。 大椿さんの団体交渉は、昨年9月に大学側から団交打ち切りを一方的に申し渡され、不当労働行為救済申立を行い、年末に大阪府労働委員会で和解協定をした。しかし、大学側は新規コーディネーター職員の採用を一方的に行い、事実上、継続雇用が難しい状況に追い込んだ。しかし、引き続き継続雇用を求めて運動は続ける。 ほかにも、大阪大学、立命館大学、京都精華大学、龍谷大学、大同工業大学ほか、北海道や東京や名古屋からも、非正規教職員の問題に取り組む関係者が大阪に駆けつけて熱いアピールと交流をした。 日本全国の大学で働く非常勤講師の現実・人数については、関西圏・首都圏など非常勤講師組合によって実態調査が行われているが、非常勤職員の実数や現実については詳細な調査がおこなわれたことはない(ようだ)。実際、全国の大学職員の職種は、事務職員、専門職員、派遣職員、研究室事務、病院看護師その他、教授などの秘書、など多岐にわたる。職種の分断を超えて、大学非正規職で働く当事者の人びとが関西で初めて集まって声を上げた。画期的な集まりだったと思う。詳細は、実行委員会の報告を参照のこと。(文責:JKimura)(注記…集会当日に速報としてアップしたものから、記事を手直ししています) Created by vein2. Last modified on 2010-03-09 00:21:08 Copyright: jk006 |