2010年1月15日、蘇州工業園区の台湾資本、聯建科技有限公司で数千人がストライキに突入した。蘇州当局は数百名の機動隊を導入して労働者を弾圧。警察は催涙弾なども使用し、数十名の労働者が負傷したと伝えられている。争議は継続中だが、警察は工業区一帯を封鎖している。ストライキの遠因は、精密部品を扱う工程で液晶洗浄に使用する有機溶剤ヘキサンよって発生した中毒に対する会社側の安全衛生管理の不徹底があった。すでに数十名が中毒症状となっており、昨年九月には死亡者も出ている。会社はわずか5万元というはした金で賠償をすませた。しかも会社は事故の真相を労働者に隠し、政府部門の安全検査の当日には危険薬品を隠し、薬品を扱っていた労働者も宿舎から一歩も出さないなど、責任を隠し続けてきたという。また労働者の健康診断の結果について、会社の管理者は「異常はなかった。病気になった労働者はアレルギーを持っていたからだ」とウソの報告を労働者にしていた。それだけではない。この工場で働く労働者は、会社はたくさんの法律違反をしており、現地の労働者の間では「四大悪徳工場」と呼ばれているという。2008年末には、金融危機を理由に年末一時金の支給を見送った。だが2009年の下半期にかけて生産が回復しノルマも厳しかったにもかかわらず、年末一時金は支払われなかった。今回のストライキでは「悪徳工場、年末一時金を払え」という横断幕もみられた。この工場では、一日12時間勤務、月2−4日しか休暇が取れない。12時間日勤が一ヶ月続くと次の一ヶ月は12時間の夜勤勤務というふうに、労働者の生活も破壊している。工場が(無償で)提供する食事もまずく、結局労働者は自腹で食事を確保しなければならない。会社は労働者の不満を押さえつけるために警備員による管理体制と罰金制度を導入している。聯建科技有限公司は台湾の勝華科技公司が1999年に投資して設立された。iPhoneのタッチパネルなどの液晶パネルなどを製造している。年間生産量は世界第五位で、台湾証券取引所の一部上場企業でもある。勝華科技公司は、中国の別の工場や台湾本土でも劣悪な労働条件や金融危機を理由に工場を閉鎖して労働者を解雇したりして、労働争議になっている。(参考)http://www.labornetjp.org/news/2009/0424china/