●佐久間忠夫の言いたい放題
「知ってほしい横浜人活訴訟原告の思い」
横浜人活訴訟第二回控訴審が7月15日11時から東京高裁424号法廷で開かれる。みんなも傍聴してもらいたい。原告は。今回の政治解決にサインしなかった松本繁崇と岡英男だ。
松本は、理不尽さへの怒りが強い。横浜人活事件(注)では懲戒免職処分となった者が裁判で勝って職場復帰した。それより軽い停職処分だった俺がなんで職場復帰できないのか、と。
岡は、名誉回復の気持ちが強いんだろうな。息子に小さい頃から暴力事件を起こしたおやじと思われていて、話もされなかったみたいだ。ところが、裁判ででっち上げが確定してから、そばに来て一緒に座るようになった。岡は、そのことが何よりうれしかったようだ。
俺は彼らに言いたいんだが、今回の参院選挙だって共産党・社民党・新社会党合わせて支持率10%いかないんだよ。清く正しくと頑張ったって、敵を動かすには一人でどんなにやっても無理なんだから。もっと支援を広げるような動きがほしいところだな。ましてや、何でサインしなかったのか、その理由や思いなんか知ってる人って、国労以外ではわずかなんだから。事件当時、俺が横浜人活の代表をやっていたから、俺はその責任上、当事者の気持ちで控訴審に関わっていくけどね。
労働運動、政治運動の基本だけど、一人を大事にすることが労働組合なんだというのが俺の考え。何人か集まって執行部を作ってやるんだろうが、その執行部は一番弱い人を助けていくっていうのが俺の労働運動のやり方だったんだ。残念だが今の労働運動組合ってのは、多数を取ってる執行部に従うのが、統一と団結という考え方なんだな。910人の全員のハンコがいるといっても、二人の問題は別の経緯があるんだから、まあ、四者四団体としては前面で支援できないが、頑張ってやってくれって言うぐらいの度量はせめてほしかったな。もっと言えば、政治解決の条件に訴訟の取り下げがあるが、そこからはこの問題を外すぐらいの詰めがほしかったと思うよ。
国鉄闘争は確かに一区切りついたが、この支援を通して反民営化の運動を作っていきたいものだ。当時者がもっと前に出ないと支援は広がらない。だけど、当時者が出やすくするためには、支援者の意気込みも必要なんだな。形が支援会になるか、まだ決まってないが、何らかの形がいると思う。(鉄建公団訴訟原告)
(注)1986年12月、国鉄当局は横浜貨車区「人材活用センター」で管理者への暴力・傷害があったとでっち上げ、五人が逮捕・懲戒免職にされた。93年、横浜地裁がでっち上げと認め、無罪が確定。国鉄を引き継いだ鉄道運輸機構は04年、謝罪し国鉄職員としての地位を認めて職場復帰させた。一方、停職処分の組合員は処分を理由とするJR不採用は無効と訴えているが、一審は09年12月、請求棄却の不当判決となった。
*この文章は「週刊MDS」2010年7月16日号に収められています。編集部のご厚意で転載しました。左写真は当時の横浜人活センター、後ろ姿が佐久間忠夫さん。右は1999年当時の佐久間さん。
なお7月15日の裁判報告は、こちらでご覧になれます。
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Last modified on 2010-07-15 18:11:41
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