出版フリーランスデモ成功〜フリーランスの苦境を訴える「ギャラを上げろ」「400字1万円を」「フリーの使い捨て許すな」との声が、夕方の神田神保町にこだました。5月25日(火)夕方、出版業界でフリーランスとして働く有志が、苦境を訴えるべくデモを行った。(詳しくはhttp://d.hatena.ne.jp/freedemo/を参照)。 出版不況の中、出版フリーランスの仕事量も減り、また一方ではギャラのカット・遅配や不払いが相次ぐようになり、出版フリーランスの職能ユニオン「出版ネッツ」にも労働相談が舞い込むようになった。この状況下、出版フリーランスの苦境を訴えようとするのがデモの趣旨だ。 デモ直前の集会では北健一・出版ネッツ執行委員長や広浜綾子・同支部委員長、インディユニオンの小林蓮実さんなどが連帯のアピールをし、また版元側労組からも岩波書店労組の川原徹さんが挨拶をした。 西神田公園での事前集会終了後、専大前交差点、神保町交差点を経てすずらん通りをデモ隊は歩いた。当デモの警察へのデモ申請の際、すずらん通りを歩くことに関しては前例がないとして警察側に難色を示された。しかしすずらん通りの関係者のご好意も後押しとなり、この通りをデモ隊が通れるようになった。 すずらん通り通過後、デモ隊は三省堂書店神保町本店前を経て錦華公園に到着し、総まとめの集会をして終了。参加者は実数で55名から60名程度で、想定人数より多かった。 出版業界で働くフリーランスの労働条件は悪化している。40年以上上がらない原稿料、相次ぐ編集手当の切り下げ、印税率の低下と初刷部数の低下などが現実としてある。今回のデモは出版フリーランスの苦境を訴えた初のデモであり、長年賛否両論を込めて言われ続けてきた「フリーランスも団結してデモを行うべきだ」という意見が実現された形だ。 (文・小林拓矢、写真・西村仁美) ↓追加写真(撮影=T.A)