疋田分限免職事件で不当判決〜都教委のいいなりの裁判所 | |
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「不適格教員」とされ分限免職(解雇)処分となった東京都の元教員、疋田哲也さん(写真左)が処分撤回を求めていた裁判で、東京地裁(白石哲裁判長)は4月28日、請求を棄却する判決を言い渡した。判決は裁判の争点となった私物の保管問題、自動車通勤の問題、体罰について、どれも教員としての適格性を欠くとして都教委の処分を適法とした。原告側の反論・反証をまったく取り上げず、都教委の言い分をそのまま認めたきわめて不当な判決となった。原告側は即日控訴した。疋田さんは「適格性がないと言われても、今日も午前中3時間(勤務している私立学校で)授業をしてきた。裁判を支援してくれる保護者、生徒もいる。こちら側の言い分をまったく無視した判決にがっかりした。これが裁判所か」と怒りをあらわにした。 教え子の支援者は「先生がいかにすばらしい授業をしていたかを話して裁判に協力してきた。願いは届かなかったがこれからも支援したい」と語った。原告代理人の津田玄児弁護士は、「本件は、免職理由になりえない体罰について、分減免職制度を濫用して原告を免職に追い込んだもの。都教委によるフリーハンドの分限免職がまかり通れば、教育の自由が大きく制限されることになる。分限免職制度の濫用を戒める全国的な司法判断の流れに逆行するのもので、ゆがんだ教育行政を助長しかねない」と判決を批判した。 ↓司法クラブの記者会見 <事件の経過と背景> 小平市の中学で理科の教員をしていた疋田さんは、2004年2月、教員として「不適格」という理由で分限免職処分を受けた。疋田さんは、自己決定・自己主張のできる人間を育てたいと教育に情熱を燃やしてきた。おもしろく分かりやすい疋田さんの授業は生徒や保護者にも大きな支持を得ていた。しかし校長、教頭は、自由で個性的な疋田さんを嫌ってか、マスコミを巻き込んだ「体罰」キャンペーンなどを理由に疋田さんを研修所に送りこんだ。疋田さんは、研修所で体罰について学び、強いスキンシップだと思っていた自分の行為が体罰であることを自覚し深く反省して、膨大なリポートを提出している。そうしたさなかでの突然の分限免職処分だった。 2003年10月、都教委は学校現場に「日の丸・君が代」を強制する通達を出した。(これ以後、学校での自由の排除、管理強化は猛烈な勢いで進む。)疋田さんの研修所送りもこの時期に符号する。この通達の前には、性教育を理由にした七尾養護学校弾圧事件、従軍慰安婦を授業で取り上げた多摩中学の根津公子さんへの「不適格教員」攻撃などがあった。 2006年には、増田都子さんが授業内容を理由に分限免職処分にされた。疋田さんの事件もこうした一連の事件と同様、一部右翼都議と都教委による教員管理強化の下地つくりの策謀だった可能性は高い。自由な教育、もの言う教員の排除で、いま東京の学校は窒息しかけている。(佐々木有美) ↓報告集会(弁護士会館) Created by staff01. Last modified on 2010-04-29 01:40:18 Copyright: Default |