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報告 : 「女も男も生きやすい社会に」地方議員らが集会
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「女も男も生きやすい社会に」と呼びかける集会が1月9日、都内であった。今年は「第3次男女共同参画基本計画策定の年」にあたる。

 連立政権で男女共同参画担当大臣に就任した福島みずほ氏が講演し、全国から集まった地方議員らと意見を交換した。主催は「全国フェミニスト議員連盟」。「G.planning文京」が共催した。会場の東京・文京区「文京区男女平等センター」に75人が集まった。 同議連共同代表の陣内泰子さん(八王子市議)が司会を務め、福島大臣を紹介した。福島氏は議員連盟の顧問として、長年歩みをともにしてきた。

■「M字雇用を台形に」

福島氏は「私が大臣のうちに、やるだけのことはやりたい」と語り出した。フランスをはじめ、ヨーロッパ各地を訪れた際に知った女性の就労や育児をめぐる制度の充実ぶりを紹介。日本の年齢階層別女性労働力率が示す「M字型雇用」(M字型曲線)を、「台形(逆U字型)にしたい」と繰り返し強調した。

「子育てビジョン」や「青少年・若者ビジョン」についても言及。全国各地で「お国自慢」などと売り出して成功した実例を挙げ、さまざまな政策について、若い人々が「自分のことだ」と実感できる取り組みの重要性を訴えた。

また、今夏の参院選をも射程に入れ、「政治はあらゆる可能性にかける技術であり、一瞬一瞬が真剣勝負。連立政権でしっかり成果を出していく」と力を込め、「DV防止」や「男女共同参画」のさらなる推進に向けて決意を新たにした。

全国から駆けつけた地方議員らが次々と発言した。高知県でNPO法人を運営する女性は、男女共同参画計画について、「行政からはいっさい声がかからない」と切り出し、「内閣府は地方のNPO活動の実態を把握してほしい」と訴えた。フランスで出産・子育てを経験した北海道・函館市議の女性は、地方議会の女性割合算出に際し、女性のいない部会をあらかじめ除外するというやり方を暴露、厳しく批判した。

「県の男女共同参画予算は、全国ワースト2位」と指摘した香川県議会議員の女性は、裁判員制度の開始に触れ、司法の場における男女平等意識の低さを問題にした。

■さまざまな課題で活発な提起

会場の参加者も積極的に発言した。千葉県からの来場者は、森田県知事による「男女混合名簿」廃止の動きを警戒。これを阻止するための賛同を募った。また、このかん激しさを増す「ヘイトクライム」による暴力的行為を許さない法制度の整備を求めた。女性への暴力について相談を受けている弁護士は、刑法の「自己堕胎罪」の撤廃を主張し、夫からの性暴力に対する厳重な処罰と、被害者に支援策を講じるよう提起した。

不妊治療を続けているという30代前半の女性は、「少子化が日本社会に暗い影を落としている。どんな理由であれ、産みたくても産めないのは非常につらいことだ」と昨年、NPOを立ち上げた。 「日本では避妊の宣伝が盛んで、避妊をやめればいつでも子供ができるという誤解が、少子化に拍車をかけている」と淡々と語り、「子供が欲しくてもできないカップルに対して、国として、産むための教育や支援も必要ではないか」と問いかけた。

この春から行政への就職が決まった女性は、大学でジェンダーを学んできた。内閣府にも面接に行ったが、男性の面接官は「ジェンダーって、何ですか」と平然と聞き返したという。このお寒い実情には福島大臣も絶句。会場のあちこちで失笑が起きた。「国際女性デー100周年」でもある今年。春には渋谷で集会とパレードが計画されているという。

会場には赤松良子さん(元・労働省婦人局長、註ウルグアイ大使、文部大臣・写真)の姿も。「これまで抗議や要求をしてきた福島さんが、今ではそれを受ける立場になった。これこそ『チェンジ』の最たるものだ。応援団長としてしばらくは見守っていきたい」とエールを送った。

■女性の議員と力を合わせて

政権交代を実現した先の衆院選では、過去最多の女性議員が当選した。それでも全体の11.3%。これは世界187カ国中119位、世界の国会の平均値18.6%に、はるかに及ばない。

「古巣に戻ってきたような、楽しい時間だった。日本の社会をジェンダーの観点から大きく変えていく。いろんなことに挑戦していく」と福島氏は締めくくった。

今年一年をかけて閣議決定される予定の「第3次男女共同参画基本計画」。そこでは「民法改正」や「女性差別撤廃条約選択議定書の批准」、「女性への暴力の根絶」とともに、「2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を最低30%」にするよう謳われている。こうした目標を実現するための道は、決して平坦ではない。官民を超えた運動の強化を呼びかけた「集会宣言」が、参加者全員の大きな拍手で採択された。(報道部・Y)


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