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黒鉄好@安全問題研究会です。

今度はJR東海でも、河川法違反となる不正取水が発覚しました。

この件について、私のブログで取り上げたので、以下転載です。

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http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/091202_3.htm(読売新聞中部版)より

JR東海が過大取水 新幹線散水用4年10万トン

 JR東海は1日、東海道新幹線の線路に水を散布するスプリンクラー用に、2008年度までの4年間、岐阜県内の二つの川から河川法で許可された日量の上限を超える水をくみ上げていたと発表した。4年間で計約10万トンも多くの川の水を使っていたといい、川を管理する県への毎月の取水報告を怠っていた年もあった。県は同社に再発防止策などを指示した。

 過大な取水が行われていたのは、同県関ヶ原町を流れる揖斐川水系の相川と藤古川。同社は旧国鉄時代の1968年11月、取水施設2か所で、それぞれ1日2000トンを上限に取水する許可を県から受け、12月〜翌年3月の冬季、車両に雪が付かないようにくみ上げた水を線路に散布していた。水の利用料は年約20万円。しかし、ポンプの稼働記録が残る05〜08年度には、相川では最大で上限の約1・9倍の3805トン、藤古川では同約2・2倍の4404トンの水をくみ上げていたという。制限を超えた日数は4年間で計延べ78日に上った。

 同社は県に対し、毎月の取水量を報告するよう求められているが、07、08年度は、1年分で届け出ていた。報告に取水量が上限を超えていることが明記されていることもあったが、県は気付かなかったという。

 同社によると、許可を取った当時に比べ、東海道新幹線の運行本数は2倍以上に増え、散水が必要な時間も増えているのに、取水量の上限を増やす申請をしなかったのが原因。同社は「従来、安全で安定した鉄道運行のためには(過大取水は)認めてもらえると思っていたが、今年5月に問題と気付いて県に報告した。取水量を引き上げる手続きを進めたい」としている。
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http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009120202000146.html(中日新聞)より

JR東海、10万トン取水超過 岐阜県が改善指示

 JR東海が、東海道新幹線の線路の雪を溶かす水を岐阜県内の1級河川から取水する際、2005年度からの4年間で、許可量以外に計10万トンを超えて使っていたことが分かった。岐阜県は河川法違反に当たるとして、改善と再発防止指示を出した。

 同県によると、JR東海は1968年から、相川、藤古川で日量当たり2000トンの取水許可を得て、岐阜羽島−京都間の306基の散水器に使用している。社内の利用実績まとめで、05〜08年度の間に78日間、許可量を超過していたことが判明。05年度は藤古川で26日間も制限を超え、最大で許可量の2倍の4404トンを取水していた。

 04年度以前はデータが残っておらず、確認が取れないという。同社新幹線鉄道事業本部の大竹敏雄施設部長は「雪の降り方に波があり、緊急的にやむを得ずに利用した。過去の利用実績に県からの指摘はなく、認めてくれていたと思っていた」と釈明している。

 JR東海は、08年までに4回あった水利権の更新申請時にも、運行本数の拡大で散水時間が拡大しているにもかかわらず、旧来の数字で提出。実態報告も怠っていた。

 同社は11月、同県関ケ原町に流量計を設置。許可量を超えた時点で、取水をやめる措置を取った。県河川課は「悪質なデータ改ざんは見当たらなかったが、許可の範囲内で水を使うのは当然。必要量が増えた分の申請はきちんとやるべきだ」と指摘している。
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JR東日本による信濃川不正取水に続き、今度はJR東海でも許可数量を超える不正取水が発覚した。法令遵守意識の薄さ、「安全で安定した鉄道運行のためには(過大取水は)認めてもらえると思っていた」という言い訳の稚拙さと甘えの意識もJR東にそっくりだ。

それでは問う。法令違反を犯しても行政からお目こぼしをしてもらえるほどJRは「公共的」経営をしているのか。公共的経営を標榜するなら、リニアに4兆円出すと表明しながら名松線復旧費用を出さず、廃止しようとしていることについて、当ブログはJR東海に納得のゆく説明を求める。

もっとも、今回の件については岐阜県にも責任がある。JR東海が許可数量を超えた取水量を報告している月もあったのに、見逃すとはあまりにも仕事がずさんだ。岐阜県河川課は「悪質なデータ改ざんは見当たらなかった」としているが、毎月の取水量を報告すべきところを1年分で届け出たのでは、月ごとの取水量が許可数量の範囲に収まっているかどうかの検証は不可能になる。それをごまかしと言わずして何というのか。

違法行為をしている企業を行政が見逃せば、法治国家は根底から崩壊する。信濃川からの水強奪、新宿駅ビルからの不法なテナント追い出しに国労バッジ着用社員への不正な処分(JR東日本)、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)委員に対する不正な情報収集と接待(JR西日本)、そして今回の不正取水とくれば、国や地方自治体がJRに対し、どのような姿勢で臨むべきかは明らかだろう。悲しいことだが、彼らに対しては性悪説で臨み、厳しく監視するしか方法はないのである。

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黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

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