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【事故調問題 第6弾】佐藤泰生氏は何を語ったか
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黒鉄好@安全問題研究会です。

10月18日、尼崎市内のホテルで開催された「JR福知山線脱線事故 元事故調鉄道部会長 佐藤泰生氏“情報漏えい問題を語る”〜その思いと真相〜」の内容に関する報道が出ていますのでお知らせします。私のブログから転載です。

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http://www.asahi.com/national/update/1019/OSK200910180122.html(朝日新聞)より

JR西情報漏洩、事故調元委員が遺族らに謝罪

 JR宝塚線(福知山線)脱線事故をめぐる調査情報漏洩(ろうえい)問題で、JR西日本幹部と非公式に接触していた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の佐藤泰生元委員(70)が18日、兵庫県尼崎市内のホテルで、初めて遺族や負傷者に直接経緯を説明し、謝罪した。佐藤氏の申し入れに対して、遺族らでつくる「4・25ネットワーク」などが機会を設けた。

 佐藤氏は、JR西の土屋隆一郎副社長の指示を受けた鈴木喜也東京本部副本部長と、06年夏ごろから約10回にわたり東京都内の飲食店で会い、調査内容の一部を漏らしたり調査報告書を公表前に渡したりしたことを改めて認めた。

 佐藤氏は旧国鉄職員だった自身の経験から、「(JRは)事故の証拠を隠すこともあり、裏を知っている人から話を聞くしかないと考えた」と述べ、事故原因と関係が深いと感じていた日勤教育の実態を探るために旧知の鈴木氏に接触したと説明。「認識が甘く、申し訳ありません」と謝罪した。

 一方、報告書の修正を求めていた山崎正夫前社長と、同じ旧国鉄OBの山口浩一元委員については、「彼らのやり方は犯罪行為だ」と指摘。JR西が96年12月の函館線脱線事故に関する資料を事故調や兵庫県警に提出していなかった問題にも触れ、「裏切り行為だと言われても仕方がない」と批判した。

 しかし、被害者側からの質問には、守秘義務を理由に回答をあいまいにする場面が目立った。集会後、長男を亡くした兵庫県三田市の木下広史さん(51)は「結局、どんな情報の漏洩があったのか判断できず、お茶を濁された感じだ。情報を公開した方が、調査の中立性や公平性は高められるのではないか」と話した。
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当ブログでも事前告知した「JR福知山線脱線事故 元事故調鉄道部会長 佐藤泰生氏“情報漏えい問題を語る”〜その思いと真相〜」の内容が報道により明らかになった。

とりあえず、佐藤委員長が誰に強制されたわけでもなく、自分から遺族の前に出て話したいと考え、それを実行したことは評価できる。遺族が今、最も求めているのが事故原因の究明と今後の再発防止であるからだ。

報告書の修正を持ちかけた山崎前社長と、それを事故調内で提案した山口元委員の行為を批判したことも、佐藤氏にその資格があるかどうかという点を別にすれば妥当なところだと思う。

一方で、遺族からの質問の多くに対し、守秘義務を盾に回答しなかった態度を私は許すことができない。JR西日本に対しては守秘義務違反を犯して報告書の発表前に内容を漏らしていた運輸安全委員会が、遺族からの質問には守秘義務を盾に回答を拒むのではまったく筋が通らないし、何のための守秘義務かわからない。自分たちに不利な証言を拒むために都合良く使い分けられるような「守秘義務」なら、そんなものはないほうがましだということになる。

佐藤氏のこういう態度を見ていると、守秘義務を自分たちにいいように使い分ける「役人」に組織改革などできるのか、はなはだ疑問だ。前原国交相は尼崎事故報告書の再検証チームを立ち上げるようだが、この再検証チームに旧事故調や運輸安全委員会メンバーは加えるべきではないと当ブログは考える。

同時に、身勝手な官僚たちの情報操作のため、都合良く使い分けられるようになった「守秘義務」の扱いを再検討すべきだ。守秘義務違反に対する罰則を強化する一方、守秘義務を報告書の発表までに限定し、その後は自由な発言を認める、あるいは捜査機関や事故被害者・遺族との間に限って守秘義務の適用を免除するなどの方向で運輸安全委員会設置法の改正を考えるべき時期に来ていると思う。

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黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

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