会社の不正を労働局に告発したらクビ！（酒井徹）

＊以下の事件は和解しました。（7/24　下段参照）
会社の不正を労働局に告発したらクビ！
――松原製作所は吉岡ヨシミさんを職場に戻せ！――
http://imadegawa.exblog.jp/11385895/

■知らない間に会社を「退職」させられる!?
吉岡ヨシミさんは2006年３月８日から３年以上、
三菱重工の一次下請・
株式会社松原製作所
（愛知県名古屋市緑区浦里３－63、
　代表取締役社長：松原德康）に派遣され、
ロボット溶接の業務に従事してきました。
吉岡さんは松原製作所も
「ずっと真面目に仕事をして下さった」と認める
真面目な従業員でした。

吉岡さんが所属していたのは
「合資会社朝日サービス」
（愛知県小牧市城山一丁目６番地の１、
　代表：別所敏彦）という会社だということに
なっていました。
ところが吉岡さんは、
2007年10月31日、
知らない間にこの会社を「退職」させられ、
翌日11月１日、
岐阜県各務原市那加日新町六丁目３番地
オフィス21－３－Ｂに本社を置く
別の会社に「就職」させられてしまっていたのです。

吉岡さんが知らない間に「就職」させられていた会社は、
それまでの会社と全く同じ名前の
「合資会社朝日サービス」という会社でした。
吉岡さんは岐阜の「朝日サービス」とは、
これまで契約書を交わしたこともありませんし、
「会社を変わる」にあたって
何の説明もありませんでした。
だから吉岡さんは、
2007年度の源泉徴収票をなぜか２枚
（小牧の「朝日サービス」と岐阜の「朝日サービス」）
もらったとき、
「なぜだろう」と不思議に思って
担当者に尋ねました。
担当者は、
「会社が前は小牧にあったけど、
　今は岐阜にある」と答えたそうです。
吉岡さんは
「会社の場所が移ったんだ」と思いました。
まさか自分が知らないうちに
会社を「退職」させられて
別の会社に「就職」していたとは
夢にも思いませんでした。

■実は「派遣」ではなく「偽装請負」だった！
実は、
小牧の「朝日サービス」は
松原製作所と派遣契約など結んでいませんでした。
朝日サービスは、
何と去年の３月まで、
派遣契約も結ばずに松原製作所に労働者を送り込む
違法行為＝「偽装請負」を行なっていたのです。
吉岡さんはこうした違法な働かされ方の中で、
これまで雇用保険にも社会保険にも
入れてもらえないまま３年以上、
一生懸命働いてきたのです。

労働者派遣法では、
「３年を超えて働かせた場合には、
　派遣先には直接雇用の義務が発生する」としており、
本来 松原製作所は
吉岡さんを社員として雇い入れなければなりません。
しかし朝日サービスは、
これまで労働者派遣契約を
松原製作所と結んでいなかったので、
ここがごまかされていたのです。

このことに気づいた吉岡さんは、
松原製作所で働き始めて３年を越えた
今年３月17日、
愛知労働局に会社の不正を告発しました。
労働局は４月23日、
松原製作所に立入調査に入ります。
そして吉岡さんは、
法律に基づいて松原製作所の社員にしてくれるよう、
５月21日、
自分が名古屋ふれあいユニオンの
組合員であることを明かし、
労働組合を通じて交渉を申し入れたのです。

■愛知労働局：「正規雇用するよう努力を」
５月27日、
労働局は会社の違法行為を認定、
「吉岡さんを正規雇用するよう努力して下さい」との
指導を行ないました（松原製作所・杉立亘総務部長談）。

しかし松原製作所は、
翌週６月２日、
突如朝日サービスに契約打ち切りをＦＡＸで通知。
会社の不正を告発した吉岡さんは
翌６月３日付で解雇されてしまったのです
（朝日サービスはその後、
　「雇用保険に入る」と称し法外な金額を請求）。

名古屋ふれあいユニオンは、
朝日サービスにも交渉に応じるよう
申し入れを行なっていますが、
一切回答がありません。
そもそも吉岡さんは
岐阜の朝日サービスとは雇用契約を
交わしたことすらありません。
朝日サービスが雇用主としての体をなしていないのは
明らかです。

吉岡さんを自らの指揮命令下で３年以上、
違法に働かせてきたのは松原製作所です。
松原製作所こそが労働局の指導に従い、
吉岡さんの雇用に責任を持つべきなのです。
労働者は「返品自由の使い捨て商品」ではありません。

松原製作所は労働局の指導に従え！　
労働者の雇用に責任を持て！

酒井徹

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《株式会社松原製作所と
　名古屋ふれあいユニオン・吉岡ヨシミさんとの争議は、
　７月24日、話し合いにより円満に解決いたしました。
　
　（名古屋ふれあいユニオン運営委員長　酒井徹）》