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続・フランストヨタ 「ストライキ通信 」第5号−第7号
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みなさまへ、

 日頃のフィリピントヨタ労組へのご支援に大変感謝いたします。
 トヨタ自動車の欧州生産拠点であるフランストヨタ(年産27万台、従業員約2700
名)で不況を口実にした賃下げに対し、ストライキが始まっています。フィリピントヨタ
労組を支援する会の会員Paul JOBINさんから現地で発行されているストライキ通信が送ら
れて来ましたので引き続きご報告します。なお、前回の報告と重複もありますが、和訳を
一部修正しています。

フィリピントヨタ労組を支援する会
protest-toyota@list.jca.apc.org












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『ストライキ通信 第5号』
スト中のトヨタの労働者たちから皆さんに訴える!2009年4月10日 20時発

金曜日の1日

 今日金曜日、ストライキ参加者たちは、(交代勤務の)3組を1つにまとめて勢力を再
編成することを決定しました。14時に駐車場に、われわれ400人のストライキ参加者
のほかに、100人以上の、まだストライキに参加していない青色組の労働者たちが、異
なる見解を聞くために、また、われわれを支持するために参集してきました。

 皆さん方の多くの人がわれわれのもとに再結集することを決断しており、皆さん方の多
くの人が討論のためにわれわれの集会に参加しています。太鼓を打ち鳴らし「一部操業停
止手当100%」のスローガンを叫んでいる間に、経営陣は、今日の午後15時にストラ
イキ委員会を受入れるという、2度目の決定をしました。そして、そうです、ストライキ
参加者の圧力があったからこそ、経営陣がこの会合を決断したのです。

 1時間半続いたこの会合の間を通じて、経営陣は給料損失の拡大に賛成であることを繰
り返したのです。この会合の間中、経営陣はわれわれに、イギリスで販売されたクルマ1
台当たり2000ユーロ(約25万円)のロスをこうむったと説明しました。資本家は何時
から赤字で売るようになったのでしょうか?

 われわれは依然として受入れないし、一部操業停止手当の100%支払とストライキ日
の給料支給を要求しています。給料の損失を拡大すること、それは言うならば労働者が危
機の代金を信用で払わされるようなものです!

 自動車を失うことの方を選ぶ経営陣の頑迷さを前にして、ストライキ参加者たちは、多
数決で、一部操業停止手当の100%獲得とストライキ日の給料支給獲得までストライキ
を更新することを票決しました。

 ストライキ参加者は、追加要求(給料−手当の増額)を決定し、これを含めることも同
様に票決しました。TMMFは支払手段を持っているのです!

 皆さんの大多数は、皆さんのものでもあるわれわれのストライキを支持してくれていま
す!強く打たなければならないのは今日からです!月曜日の夕方以降、我々は再度職場に
入っていきます。われわれは、われわれのストライキを活発に支持してくれるよう、皆さ
んに提案していきます。

 われわれは、4月15日水曜日にわれわれのもとに再結集することを訴えます。
11時45分から13時15分まで(黄色組)
14時15分から16時15分まで(青色組)
そして、水曜日から木曜日にかけての深夜15分(緑色組)です。

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『ストライキ通信 第6号』
スト中のトヨタの労働者たちから皆さんに訴える!2009年4月14日19時発

火曜日の1日

 月曜日の晩、われわれは23時30分まで緑色組の職場でストライキ参加者への遊説を
行いました。今日火曜日ストライキ参加者は再び大いに音を発し、250人以上もが職場
に入りました。まだストライキに参加していなかった一定の人数の労働者がわれわれのも
とに加わりました。

 自動車を失うことの方を選ぶ経営陣の頑迷さを前にして、ストライキ参加者たちは、多
数決で、一部操業停止手当の100%獲得とストライキ日の給料支給獲得までストライキ
を更新することを票決しました。

 ストライキの圧力の下で、経営陣は、あらためてストライキ委員会を受け入れました。
この会合の間、TMMFの副社長野中氏は、発言をするとともに、皆さん全員が既に持ってい
るかあるいはこれから手に入れることになるオシャベリを読み上げました。このオシャベ
リが終ったところで、ストライキ委員会は、労働者に対する面と向かっての侮辱を受けた
ことへの不快感を表明して会合場を後にしました。

 その結果として、委員会は、ストライキ参加者の集会で録音の再生を行いましたが、ス
トライキ参加者たちは誰もが憤激を恥辱を感じました。ストライキ参加者は以下の明確な
メッセージを経営陣に送ります。

「これはストライキを終結させられる時期を決定しようとする経営陣のやることではない
!」

 ストライキ参加者は、明日に向かってストライキを続行することを票決しました。議論
の中で経営陣は、「まだストに入っていない者たちを買えるものなら買ってみろ」という
脅しと試しを行っています。野中氏は、10%スト参加者の1割にも屈しないであろうと
われわれに言っています。・・・これは、おそらく、参加者がもっと多くなれば、彼は譲
歩せざるを得なくなるであろうと言えるでしょう!

というわけで、連帯してはいるがまだストライキに入ることを示していない皆さん、

 われわれは、皆さんに4月15日水曜日にわれわれのもとに再結集することを訴えま
す。

11時45分から13時15分まで(黄色組)、ショップ事務所の下で
14時15分から16時15分まで(青色組)、工場前、警備員詰所のところで
そして、水曜日から木曜日にかけての深夜最初の15分(緑色組)、工場前、警備員詰所
のところでです。

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『ストライキ通信 第7号』
スト中のトヨタの労働者たちから皆さんに訴える!2009/4/15 水曜日 16時

水曜日の1日

 経営陣はストライキ参加者に工場への立ち入りを禁止し、門には鎖がかけられた。これ
は、皆さんがわれわれのもとに再結集して数が多くなるのを経営陣が怖れているためで
す。しかしながら、こんなことをしても、食事休憩時に労働者がわれわれのところに再結
集してくることまでは妨げることが出来ない。

 ストライキのおかげで、皆さんは休憩が増え、残業はなくなり、コーヒーブレイクが出
来、ボスによる配慮が少しばかり増えたでしょう・・・常時こうならなくてはいけないで
しょう。

 そしてまた、ボスがストライキ参加者を侮辱し経営陣のあらゆる嘘を語って聞かせるた
めのコミュニケーションの時間も出来ました。そしてこの嘘話の中には、ストライキ参加
者の人数についての嘘もあります!昨日、われわれはストライキ参加者が400人になり
ました!・・・そしてこれは経営陣の内部数字なのです!われわれだって情報の探し方ぐ
らい心得ていますからね・・・。

 そして、生産が著しく混乱しているのは、われわれのストライキ参加者が少なくとも4
00人に達したからなのです。

 自動車を失うことの方を選ぶ経営陣の頑迷さを前にして、ストライキ参加者たちは、多
数をもって、一部休業手当の100%獲得とストライキ日の給料支給獲得までストライキ
を更新することを票決しました。

 水曜日、われわれは工場内ではなばなしい活動を展開出来なかったので、パレットとタ
イヤに大きな火を点けた。それでジャーナリストたちがわれわれとの面識を得るために
やって来ました。ルノー・ドゥーエの労働者たちが彼らの支持を引っさげてやって来て、
ストライキ参加者に100ユーロのカンパを差し出した。欧州の代表1名がやって来て、ス
トライキ参加者とわれわれの要求に対する支持をもたらした。

木曜日について

 ストライキへのアピールは既に多くの自動車工場に放たれていて、検討されてた・・。
トヨタは今や、空っぽの椀について説明したがっている、そしてまた危機の支払を臨んで
いないすべての労働者の結集地点になろうとしている。他工場の数百人の労働者が待って
きた。集合は木曜日の13時と予告されており、ミーティング、スピーチ、そして大バー
ベキューが行われる。

 というわけで、連帯者の皆さん、われわれは、皆さんに、4月16日木曜日、われわれ
のところに再結集するよう呼びかけます。13時から、来訪者用駐車場においてです。

++++++++++++++++++++++++++

労働組合「労働者の力」(FO)は「北部の声」の編集長を通じて野中氏に答える
−−投書欄の見出し−−

編集長殿、

 「北部の声」4月15日水曜日号の紙上において、1週間以上にわたり続いているスト
ライキを非難するオナンのトヨタの副社長の言葉で、われわれは醜聞の種にされた。PS
A(プジョー・シトロエン)やルノー社の地方では行われていることとは対照的に、強行
法規の最低義務に反しての、一部操業停止日の補償を繰り返し拒否しながら、それと同じ
ように、賃金労働者の平等を喚起しているストライキ参加者たちに向かって侮蔑的な言葉
を投げつけながら、野中氏は、CGT(フランス労働総同盟)やFO(フランス労働総同
盟「労働者の力」)といった責任ある労働組合を人民裁判に引き渡すことを躊躇しない。

 氏は、第1人者(エリック・ぺカール氏)を政治的野心を持った策略を行っていると、
そして第2人者(ファブリス・カンビエ氏)を機関の支持がないなどと非難し、そしてこ
のトヨタのナンバー・ツーの言うところによれば、カンビエ氏の機関は彼の行動に対して
不承認とするであろうと言いながら、「FOにおける彼の将来は本当に保証されているの
かどうか」分っているのかなどという質問さえ提起している。

 オナンの地にあるFOノール県本部組合は、同組合がFOの国、県、地方各レベルの機
関の全面的支持を受けているファブリス・カンビエ氏とFOトヨタ班を、中傷ものである
とでも評価しているかのような主張の打ち消しを粘り強く行なっている。

 真実は、世界ナンバー・ワンのメーカーであるトヨタが、体は1つであるのに2つの顔
を持っているということなのである。すなわち、
◆内面(うちづら)では、株主のために豪勢な利益をあげ、
◆外面(そとづら)では、労働者を絶望の渕すれすれのところにまで突き落とすような、
補償なしの一部操業停止を強いて、この生産の担い手(トヨタ語でいうところのチームメ
ンバー)にとっては、1ヶ月の手取り給料の1280ユーロ(約16万円)が、2週間の操
業停止によって250ユーロ(約3万円)以上もカットされてしまうのである。

 その結果はこういうことになるのである。

 第1に、扶養の子供1人で家賃530ユーロ(約7万円)の単身者の場合、出費を切り詰
めたうえにも諸々経費を支払わなければならず、家計は掛け値なしに250ユーロの赤字に
なってしまう。

 第2に、扶養の配偶者と子供2人の労働者の場合はどうかというと、天引き返済で借金
をすることは既に銀行から拒否されてしまっているのである。彼は、家賃を支払い、月末
には子供たちに滋養のある物を与えてやるために、家族の助け合いに頼らざるを得なくな
るのである。

 昨年のクリスマス以降の4週間の操業停止の給料を、国から、つまりは納税者から、一
部財政支出を受けての60%に代えて、100%支払ったからといって、それはトヨタの
ような多国籍企業にとって、何ほどのことになるというのであろうか?

 ただ生存するためにだけ働いている賃金労働者に向かって、多少もったいぶって軽蔑と
絶望の種を蒔きちらしたおかげで、トヨタは、恨みと反抗の穫り入れをすることしか出来
ないであろう。編集長殿に格別のご挨拶をこめて

FO県本部組合
書記長 ベルナール・ソエ

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