7月3日の昼、日本の農業団体の招請によりG8関連のフォーラムに参加する目
的で来日、新千歳空港に到着した韓国の農民団体(全国農民会総連盟(全農)、
全国女性農民会総連合(女農))所属の19人とNGO(社会進歩連帯)の活動家2人が
入国審査の過程で長時間、空港に足止めされた。入管は3日中にNGO活動家1人
に対して入国拒否を決定、翌4日には農民団体所属の活動家全員を最終的に入
国拒否を決定、全員が韓国に帰国した。ただしNGO活動家1人には、4日午後に
入国が許可されている。
入管側は入国拒否の理由を公式には発表していないが、滞在予定の証明が不
明などの理由をあげているという。しかし入国審査を受けた韓国人グループに
よれば、入管の担当官とのやりとりの過程でG8に対する考え方や、香港WTO反
対デモの参加経験、不法デモの参加経験などを尋ねられたという。
実際、これら韓国人グループは日本側の受け入れ団体である農民連と調整を
行い、正式な招待状も受け取っていた。滞在の目的や宿泊先などについても、
出国前から公開されており、入国目的や日本での滞在期間中の行動について疑
問の余地はないと韓国人グループは主張している。
彼らの所属団体を正当な理由なく犯罪組織扱いする入管の審査に疑問を感じ
た彼らは、個別に審査を受けることを拒否、全員を入国させるよう求めていた。
入国を拒否された全農・女農所属の韓国人グループは、4日も空港に留まり
今後の対策を練っている。
また新千歳空港に到着した韓国の最大のナショナルセンター民主労総傘下の
労働組合幹部および組合員が、やはり4日現在、空港に足止めされている。羽
田空港に到着した民主労総傘下の組合員4人は入国が認められた。
なお、4日に新千歳空港から入国しようとした民主労総の幹部の1人が逮捕さ
れるという事件が起った。
写真撮影が禁止されている空港の制限エリア内で、撮影禁止の事実を知らず
に写真を撮っていたところ、撮影を制止しようとした空港職員との間で争いに
なり、その過程で職員が突然倒れ、これを理由として「公務執行妨害」の現行
犯で逮捕されたという。この事件に関し、同行の4人も4日、取り調べを受けた
と伝えられている。
現在、逮捕された幹部1名は札幌の警察署に送られ、残る4人は入国拒否が決
定したが、4日現在、空港内に留まっている。
韓国人グループと面会した関係者によれば、現在、観光目的で入国する韓国
人は一般の観光客も例外なく詳しい審査が行われているという。特に全農や民
主労総など、日本の当局が注目する組織に所属する韓国人の場合、韓国当局か
ら事前に情報が送られているもようだ。
また入国を拒否された韓国人グループは、入国時の面接時に担当係官が特別
なファイルを持っていたと述べている。このことから、全農・民主労総など、
特定の団体の構成員はすべて入国を拒否している可能性があるが、特定の団体
に所属していることで入国が拒否される例はこれまでにないという。
また民主労総は4日、日本側の入国拒否につてい、「平和な集会でFTAに対す
るわれわれの姿勢を訴えようとする活動を妨害することは不当だ」とし、駐韓
日本大使館に抗議書簡を発送した。
文責: 安田(ゆ)
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Last modified on 2008-07-05 00:13:01
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