風刺と笑いと怒り〜レイバーフェスタ2008開かれる | |||||||
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■にぎやかに、今年も成功 12月20日、「レイバーフェスタ2008」が開催された。「文化で切り開け! 未来を」が今年のスローガン。企画満載の労働者の祭典に、約280人が集い楽しんだ。 第1部では映画「女工哀歌(エレジー)」(05年・米)が上映された。中国の巨大縫製工場で働く少女たちに密着したドキュメンタリー。あどけない彼女らは、遠い故郷に残してきた家族の生活を支えるため、超低賃金・長時間という不眠不休の劣悪労働に、ひたすら耐え続ける。 遅刻や外出には罰金。安い賃金からさらに搾取する会社側。それでも歯を食いしばってがんばろうとする、主人公のジャスミン。その健気な姿に胸が締めつけられ、あくどい経営者のやりかたに怒りが込みあげてくる。 ■力作ぞろいの3分ビデオと川柳 第2部は「文化サラダボール」。講談や構成劇、歌と詩の朗読など盛りだくさんの内容だ。公募した「ワーキングプア川柳」には11人から101点もの作品が寄せられた。もっとも気に入った作品に投票が行なわれ、「ふざけるな 女性は前から 非正規だ」の句が、最多得点を獲得した。 仲間たちの自由な発想でつくられた「3分ビデオ」も力作ぞろい。総数25本が、特別企画の「麻生邸ツアー不当逮捕事件」の映像をはさんで上映された。 ■映像の提供には細心の注意を 上映された「ツアー弾圧事件」の未公開映像。メディアアクティビストたちのカメラは、その瞬間をしっかりととらえていた。公開にあたっては、さまざまな視点からスクリーニングが加えられた。 小林アツシさんは、映像の「証拠能力」について、「敵にとって明らかに不利な証拠。だが彼らの弾圧のやり方しだいではこちらにも不利な証拠になってしまう」と警告。「ネットの世界にはいろんな立場の人がいる。私たちにとっては有利なものでも、悪用されないとは言い切れない」と注意をうながした。 逮捕の危険を顧みず、撮影に成功した「決定的瞬間」。だがその興奮を抑えて、冷静に事後対策を考える必要があるというのだ。なによりもまず、主催者に連絡、相談。必要があれば、関係者や、ケースによっては弁護士のチェックを経てから公開したほうが、より安全なのである。 とはいえ、時間が過ぎれば過ぎるほど、映像の価値は薄れてくる。弾圧対策への慎重さと、世論を味方につけるスピード。相反する要素への的確な判断が、撮影者には求められるのである。「萎縮せず、大胆に」−−小林さんは、30万回もの再生を記録した傑作動画について、こう解説した。 第4部は「文化の力」をテーマにしたデスカッション。司会の松原明さんは、「風刺と笑いと怒りが大切だ。どの作品も身につまされると感じる。つまり他人事ではないということ。そこからつながっていく」と切り込み、「これまではマスコミ報道だけだったが、今はインターネットを使えば自分たちの手で伝えられる時代。これをもっと広げていきたい」と力を込めた。 ■大手メディアのウソを暴いた映像 山口正紀さんは「作品のレベルが年々高くなっている。そしてどれも現場から、当事者が発信したものばかりだ」と評価。「笑いからエネルギーを受け取る。さらに敵をしっかりと見つけること。麻生邸事件では、当事者の映像が大手メディアのウソを暴いた」と指摘した。 伊藤彰信さんは「インターネットを活用しながら、新しい仲間を作る。新しい文化を創っていこう」と呼びかけた。 フェスタ最終章は、「ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン」の魂のライブ。笑えるトークと「インターナショナル」「アリラン」「満月の夕」など、おなじみのナンバーをたっぷり披露した贅沢なコンサートだ。一時間におよぶ演奏に、会場は熱い一体感に包まれた。 ロビーでは、書籍、DVDなどの物品販売、自分の似顔絵イラストを書いてもらえるコーナーなどが所狭しと並んでいた。 昨年と同様、壱花花さんの風刺漫画展や、今年1年のできごとを振り返る「レイバー報道写真展」も注目を集めていた。(会員・Y) Created by staff01. Last modified on 2008-12-21 19:00:43 Copyright: Default |