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黒鉄好@安全問題研究会です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081206-00000017-maip-soci より引用

JR福知山線事故 脱線跡、保存へ 遺族からの声受け(毎日新聞)

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 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故(05年4月)で、現場の線路脇に残った脱線跡について、JR西日本は6日、遺族の感情に配慮し、保存することを決めた。同社は昨年、脱線跡の上に砂を敷き、さらにコンクリート板を乗せて作業用通路にしたが、遺族から保存を求める声が上がっていた。

 車体の一部がアスファルトの地盤の上につけた傷とみられ、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の最終報告書(07年6月公表)にも位置や写真が記録された。

 同社が6日未明、板や砂を撤去したところ、報告書の写真とほぼ同じ状態で残っていたという。長さは約1.3メートルだった。今後、痕跡が劣化しないよう保護策を検討する。

 この日、確認に立ち会った遺族は「傷跡にふたをしたようなJRの対応には怒
りを
感じる。遺族は10年、20年先も事故を伝え続けられるかわからないが、傷跡は伝えてくれる。永久に保存してほしい」と話した。【小林祥晃】
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脱線跡の保存は、遺族と鉄道安全を願うすべての鉄道ファンにとって大きな前進である。「傷跡にふたをしたようなJRの対応には怒りを感じる」との遺族の言葉は、まさにその通りだろう。「臭いものにはフタ」の対応が、「学習しない巨象」を作りだした。JR西日本の度重なる大事故の背景には、この救いがたい企業文化がある。

当ブログ読者の中には、「たかが跡くらい」と思っている方もあるいはいらっしゃるかもしれない。しかし、1971年10月に、当時単線区間だった大阪線・青山峠で特急同士の正面衝突事故を起こし、25名を死亡させた近鉄は、跡地の利用計画など何もないにもかかわらず、当時の線路跡の草刈りを今も続けている。現場には今も近鉄や関連会社の社員が絶えることなく訪れているといわれる。事故から40年近く経っているから、今ここを訪れている社員のほとんどは当時のことを知らないと思われるにもかかわらず、である。

その近鉄が、この青山峠を最後に1件の死亡事故も起こしていないことは単なる偶然とは思えない。過去の事故に関する歴史を社員みんなで共有し、先輩から後輩へ安全思想を引き継いでゆく。輝かしい未来は、正視に耐えなかった凄惨な事故の現場を保存することによって、その負の歴史と真摯に向き合おうとする者の上だけに訪れる。「過去に目を閉ざす者は未来に対しても盲目となる」(ワイツゼッカー・元西ド
イツ大統領)という言葉は、鉄道事故の歴史にも完全に適用できるのである。

遺族の声に押されてとはいえ、現場の保存に踏み出したJR西日本は「安全文化」の確立へ一歩前進する足がかりをつかんだといえよう。だが、「ただ保存して終わり」とし、そこから何も学ばないのでは「未来に対しても盲目となる」ことはいうまでもない。今、JR西日本に求められているのは、数々の大事故を起こしてきた自社の負の歴史と真剣に向き合おうとする勇気である。

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黒鉄 好(旧・特急たから)aichi200410@yahoo.co.jp

国労闘争団支援私設サイト「闘争団とともに 人らしく」
http://www.geocities.jp/aichi200410/

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