佐々木有美です。
以下、「喜友名正さんの労災認定を求めて 第二回中央行動」の報告です。
9月11日、「原発で働き、悪性リンパ腫で死亡した喜友名正さんの労災認定を
求めて 第二回中央行動」が参議院議員会館で午後1時から行われた。市民を中
心に約50名が参加した。故喜友名正さんの妻末子さんが沖縄から上京し全国か
ら届けられた6万1346筆(累計15万4715筆)の署名を厚生労働省担当官に提
出した。末子さんは、「人間が放射線を浴びること自体、身体に悪いことは厚労
省もわかっていると思う。家族がどんな苦しい思いをしているか、考えてほしい。
わたしたち家族は、国が憎い。一日でも早く労災認定をしてほしい」と訴えた。
社民党の福島みずほ党首を含め4人の国会議員が参加し全面的な支援を表明した。
故喜友名正さんは、原発の定期検査で機器のの損傷を調べる非破壊検査の仕事に
従事していた。その間6年4ヶ月の間に自然放射線の被曝の100年分に当たる
大量の放射線を被爆し、悪性リンパ腫となって2005年に53歳で死亡した。
喜友名さんは、検査会社の孫請企業に所属し、過酷な検査業務を余儀なくさせら
れていた。
2006年遺族により労災申請されたが、淀川労基署は却下。その不当性を市民
団体(喜友名正さんの労災認定を支援する会)が追求し、現在、厚労省の検討委
員会が再検討をしている。しかし、1年以上経過した現在も認定されていない。
従来、原発の被爆補償は白血病に限られていたが、悪性リンパ腫も白血病と類似
疾患であり、今では原爆症としても認定されている。悪性リンパ腫の認定は世界
の趨勢でもある。厚労省の認定の遅滞は許されない。
また、喜友名さんの悪性リンパ腫を労災認定させることは、白血病に限定されて
いた従来の労災認定の枠を広げ、40万人ともいう被爆労働者の補償を前進させ
ることにもつながる。
※喜友名正さんの労災認定を求める全国署名
以下で署名用紙をダウンロードできます。
http://cnic.jp/files/Kiyuna-syomei4.pdf
以下は、当日の喜友名末子さんの発言(ほぼ全文)です。
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今日は亡き主人の喜友名正が原子力発電所で被爆をし、悪性リンパ腫で亡くなり
ました。労働基準監督署に申請をしましたが、却下されました。厚生労働省で労
災について新たに検討が始まりましたが、1年以上も認定されないことは私には
わからないです。
(悪性リンパ腫は)白血病と同じ血液の病気です。(正さんは)白血病の3倍も
被爆をしている、白血病以上の病気だと思います。放射線を浴びること自体病気
になることだと思っています。主人が病気になってからは、私は言いました。あ
んなに反対していたのに、危ない仕事は放射線もれの仕事はやめてと。いつもこ
の仕事の話になるとけんかでした。
私はすぐに労災だと思いましたが、看病のため手続きが遅れました。看病に必死
でした。私は亡き主人が原子力発電所で仕事がしたいといったとき、ほんとに反
対でした。私自身病院に勤めているため、放射線がいかに怖いかはよく知ってい
ます。人間が放射線を浴びること自体、身体に悪い、よく厚生省もわかっている
と思いますが、放射線を浴びる、平気で人間に浴びさせていること自体がおかし
いです。家族の身にもなってほしいと思います。どんな苦しい思いをしているか、
考えてほしいです。主人を亡くしたわたしたち家族は、国が憎いです。それだけ
です。1日でも早く労災認定をしてほしいと思います。
主人が倒れて3ヵ月後に会社の方に伝えると、会社は失業保険をもらってくださ
いと書類を送ってきたんです。私は思いました。どうして病気になったら失業保
険をとるようにと書類が送られてくるのかと。私は病気が治る間は傷病手当の手
続きもあると思うんです。その期間は傷病手当の手続きをしてやることもできた
と思います。その前に会社をやめてくださいという感じでした。それに対しても
私は、すごく頭にきたんです。病気になったらすぐやめてってことですかと。で
も私は労災だと思っていましたから、看病がおわり主人が元気になれば、労災の
手続きをしようと思っていたのですが、1年たらずで亡くなりました。それから、
主人が亡くなって3ヶ月後に9月に申請をだしたんですよ。それが却下されたもの
ですから、私自身では国に対してもできないのではないかということで弁護士さ
んにお願いしました。
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Last modified on 2008-09-12 14:28:02
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