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1988年に操業を開始したフィリピントヨタ社は、8月22日に創立20周年式典をマ
カティ・シャングリ・ラ・ホテルのリザル・グランド・ボールルームで行います。式典の
参加者名簿には招待客として大統領と閣僚、地方政府とDOLE高官、および軍隊と
フィリピン国家警察幹部、そして日本のトヨタ社幹部、張富士夫会長・豊田章夫副社長
の名前もあり、およそ1000名が掲載されています。
これに対し、8月1日にフィリピントヨタ労組は工場内組合員たちを含めて街頭で抗議
宣伝行動を行いました。工場内組合員は「違法解雇されたTMPCWA組合員に正義を」
とプリントされた黒のTシャツを着て参加しました。フィリピントヨタ労組のビラを紹介
します。 −フィリピントヨタ労組を支援する会−
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トヨタの20周年−労働運動を搾取し抑圧してきた20年間−
“20 YEARS DRIVING TOMORROW(明日に向けドライブすること20年)”.これがトヨタの最
新の営業スローガンとなっている。まさに注目を引き、インパクトのあるスローガンで、
まるでトヨタの進む方向に人々をいざなうようである。このビジョンは未来に向き合い、
過去を忘れ去りたいというトヨタの思いを描写しているようだ。中でも、複雑に入り組ん
だ過去、フィリピンにおけるトヨタの歴史に 刻みつけられた暗い過去を忘れたいに違い
ない。
巨大な外国資本トヨタの利益至上主義の20年は、労働者たちの血と汗から絞り取られたも
のであり、自分たちの富を築くために労働者をこき使った20年間でもあった。
1988年にトヨタは、マルコス独裁政権下に没収されたシルベリオ一族の所有地だった
場所に操業を開始した。ビクータンでの工場で生産を開始し、施設を賃貸しながら操業を
続け、1996年にはサンタロサに事業を拡張した。82ヘクタールの土地を購入し、そこに自
社工場を建てて、自分たちだけの特別経済区指定を受けた。現在はこのサンタロサ工場で
関連企業含めた4社で、2交代制勤務で操業を続けている。
さらに2007年にはルソン島北部カガヤン州に約200ヘクタールの土地を購入した。(トヨタ
は今後、この土地をどのようにする計画なのか ?) かつては10本の指で数えられた販売代
理店の数も現在では40業者を越すまで増えている。このことだけでもトヨタの成長ぶり
がうかがえるだろう。
この20年間にトヨタの大多数の労働者たちはいったい何を手に入れることができたのだ
ろうか?
労働者たちがほんのわずかの賃金と手当てを受ける一方で、資本家のポケットに入る利益
は膨れ上がった。1992年にはフィリピン人労働者の日本への研修をめぐり、フィリピ
ン・トヨタのマネジャーたち13人が日本の財団法人「海外技術者研修協会」(AOT
S)から不法に給与の一部や、みやげ物などを購入するための小遣いなどもせしめていた
ことが明らかになっている。労働者たちの覚醒が始まった時期に、エンジェル・ディマラ
ンタをリーダーとする民主的権利を要求する運動が高まりを迎えたが、最後には資本家に
迎合してしまい、現在ではトヨタの従順な追従者となってしまった。彼は現在、トヨタの
経営側についた監督者組合を引っ張っている。
1997年には一般労働者組合 TMPCEWUが結成されたが、組合登録をキャンセルさせるため、
7人のメンバーが昇進を約束されて、買収されてしまった。1998年に本物の、戦闘的
な、愛国心を持つ、反帝国主義的な組合、フィリピントヨタ労働者組合(TMPCWA)が結
成された。しかし、トヨタは組合つぶしを画策、自主退職プログラムを使い、また、19
97年のアジア金融危機の問題をたくみに利用した。そして、ディマランタを使って監督
職の御用組合を作り、TMPCWAの組織化を中断させようとした。
しかし、2000年3月8日に組合承認選挙で勝利したTMPCWA は、2001年3月16
日に労働雇用省から正式に認知を受けた。しかし、この選挙などをめぐり、会社側は就業
規則(CRR)の第5条第6項の条項を利用して、組合のリーダーら233人を解雇し
た。この解雇措置は労働者の生計やモラルを破壊したのである。
この違法大量解雇の後、トヨタは、契約雇用労働者や派遣労働者を採用し始めた。彼らの
賃金は、地域生産性賃金委員会(RTPWB)が定めた最低賃金298ペソより低い25
0ペソに過ぎなかった。このような状況は、生産に従事する多くの労働者の賃金や手当て
を低く抑えることによって、トヨタがさらに多くの利益を生み出すことを可能にした。
いく年月にわたる労働者の恐れを利用して、見せかけの労働組合TMPCLOが結成さ
れ、また、見せかけの承認選挙を行い、すばやく出来合いの労使協定(CBA)を200
7年12月締結したが、これはトヨタとTMPLCLO、TMPCSUとさらに労使協議会(LMC)の協
力体制がなせるわざであった。一方で、違法に解雇した労働者の職場復帰を命じる最高裁
判決や、職場復帰や組合の承認、労使協定交渉の開始や作られた刑事訴訟の取り下げなど
を国際労働機関 ILO が勧告したにもかかわらず、資本家はその判決や勧告を無視し続け
ている。
2007年10月と2008年4月に違法解雇労働者に対する最悪の判決が出たにもかか
わらず、TMPCWAが活動を継続しているため、第202歩兵連隊の一団がトヨタ工場に出入
りし、組合事務所の近くに駐屯地を置いて、TMPCWAのリーダーたちに対する精神的拷問の
状況を作りだし、労働者の活動を監視し始めた。さらに、トヨタの敷地内にはTMPCWAの抗
議行動を鎮圧するために LIPPAG (ラグナ工業団地警察諮問隊)の詰め所が配置されたまま
となっている。
トヨタは現在、労働の外注化や下請け雇用など反労働者的な制度を自由に実施している。
契約雇用労働者や派遣労働者の割合が70%近くまで増えており、トヨタが掲げる2010
年までの自立化計画と呼ばれる長期計画通りに進められている。このように正規社員に
とって身分の保証が脅かされるという大きな問題が進行しているにもかかわらず、御用組
合のTMPCLOは何も行動を起こしていない。監督者やマネジャーたちの専横もさることなが
ら、より高い賃金を求めて、さらに多くの労働者が海外出稼ぎの道を選んでいる。
20年を経過して労働者たちはどこに向かっているのか、そして彼らは何をするべきか?
今後も正規労働者の数を減らすための様々なスキームが待ち構えている。契約雇用化と派
遣雇用の体制がすでに始まっており、いろんな部署で業務の外注化や下請け雇用が始まっ
ているにもかかわらず、御用組合のTMPCLO と TMPSUは目をつぶり放置したままである。
さらに、国内への輸入品に対する関税などを撤廃することを盛り込んだ日比経済連携協定
という反労働者協定を、偽物で汚職にまみれたグロリア・アロヨ大統領率いるファシスト
政権がわれわれ国民に押し付けようとしている。また、トヨタも、新しい自主退職プログ
ラムを実施して、正規労働者をもっと安い賃金で従順に働く契約労働者に切り替えようと
している。
われわれは過去から現在にかけて起きたことを分析しなければならない。われわれ労働者
自身がトヨタの資本家によってカイゼン活動の対象とされてはならない。今こそ、仲間の
労働者のために行動し、生計を脅かす事柄を覚めた目で分析できるリーダーたちからなる
労働組合こそが必要とされている。資本家や、その手先として工場内に作られた御用組合
リーダーたちの利益ではなく、あくまで自らの利益にために労働者は目を覚まし、団結
し、行動しなければならない。
トヨタから違法にも解雇された233人の労働者に正義を!
工場内に真の組合を!
生活の保障を闘い取れ!
契約雇用化に反対し闘おう!
日比経済連携協定を破棄せよ!
労働者階級万歳!
2008年8月1日 フィリピントヨタ労働者組合
(TMPCWA-ZENZOSEN)
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staff01.
Last modified on 2008-08-06 11:14:09
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