北海道で大規模レール破断 | |
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特急たから@安全問題研究会です。
遅くなりましたが本年初投稿です。 皆さん、あけましておめでとうございます。 2007年は安全問題に明け暮れた1年だったように思いますが、本年も引き続き安全問題の1年だと思っています。よろしくお願いします。 さて、年末に北海道で大規模なレール破断が発生したようです。 --------------------------(以下引用)---------------------------- http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/68030.html(北海道新聞)より またレール破断 JR千歳線 緊急点検個所 補強工事せず(12/27 13:54) 【恵庭】二十七日午前零時十五分ごろ、恵庭市下島松のJR千歳線島松駅−北広島駅間で、運行管理システムが異常を感知し、線路の一部が破断しているのが見つかった。JR北海道は、継ぎ目板によるレールの復旧作業を行い、約二時間二十分後に列車の運転を再開した。破断した部分は、二十三日に緊急点検を実施したばかりだ ったが、基準値以下だったとして、補強工事は行われていなかった。 JR北海道によると、破断部分はレールに二二ミリのすき間が開いていた。このため運行管理システムが実際には走行していない列車を感知する「軌道短絡」が発生、信号が赤のままの状態になった。この影響で、帯広貨物駅発札幌貨物ターミナル駅行きの貨物列車(十七両編成)一本が島松駅で約二時間停車したが、旅客への影響はなかった。 千歳線では二十一日にも線路の破断が見つかり、列車三十七本が運休、約一万五千人に影響が出た。JR北海道は、道内で同様の破断が起きる可能性のある亀裂三千二百四十六カ所の緊急点検を進めており、二十四日には千歳線と函館線で基準値を超える亀裂十七カ所の補強工事を行った。 今回破断した亀裂も緊急点検の対象の一つで、二十三日に超音波で亀裂の長さや深さを調べたが、基準値以下だったため補強工事は実施していなかった。前回の破断個所からは千歳側に二・七キロ離れた地点だった。 JR北海道は超音波検査で基準値以下だった亀裂が三日後に破断したことを重視。破断原因や点検方法にミスがなかったか詳しく調べている。 ----------------------------------------------------------- http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/68126.php より 15ミリの亀裂見逃す JR千歳線またレール破断 過密路線の検査増検討(12/28 07:53) 恵庭市のJR千歳線で二十七日未明に見つかったレールの破断について、JR北海道は同日、二十一日の破断を受けて行った緊急点検で保線社員の測定ミスにより亀裂を見逃し、補強の必要がありながら基準以下としたことが原因と発表し、陳謝した。今回の破断は人為的ミスだったことが分かったが、同社は道内で最も過密な路線 で冬季に破断が続いたことを重視。過密路線の検査回数を増やすなど、新たな破断防止策の検討に入った。 JR北海道によると、二十七日の破断は恵庭市下島松のJR千歳線島松−北広島間で発生し、二十二ミリのすき間が開いた。二十一日に北広島市の同線のレールで起きた破断地点から二・七キロしか離れていなかった。 二十七日のトラブル発覚は未明だったため、貨物や回送列車計六本の遅れにとどまったが、日中なら二十一日のように一万人以上に影響する可能性もあった。 JR北海道は二十七日の記者会見で、今回の破断について、二十三日未明からレール内に破断の危険がある道内の亀裂約三千二百カ所を緊急点検した際に、保線社員が亀裂の測定器の使い方を誤って、判定基準では補強が必要としている下方向への十五ミリ程度の亀裂を見逃したことを明らかにした。ほかの地点での測定ミスはなかったという。 ただ、今回の破断地点は九月の定期検査で下方向には亀裂なしと判定されており、三カ月で一気に広がった形だ。同社は二○○三年以降、検査の精度が上がったとして危険個所の超音波検査を年二回から一回に減らしたが、このペースでは亀裂の発生を把握しきれないという検査の盲点が浮かんだ。 また破断したレールはいずれも一本約五キロのロングレール。二十五メートルの通常のレールと比べ乗り心地が良く、同社の全路線のうち約三割で導入されているが、寒さによる縮みには弱く、過去十回の破断のうち七回がロングレールだった。 一方で、レールの補強や交換を行う亀裂の判定基準は二十年以上前の国鉄時代と変わらず、全国ほぼ同じで、道内の寒暖の差も反映していない。 このため、同社は亀裂拡大の速さやロングレール利用増の実態に合わせ、JR千歳線のような通過列車の多い過密路線では「検査の頻度を増やすことも選択肢」と検査回数を増やす考えを示した。また、道内各地でまちまちだった年一回の検査の時期も、レール収縮を想定して冬季の前に統一することを決めた。 北海学園大工学部の上浦正樹教授(鉄道工学)は「列車の性能などでレールの傷み方も時代ごとに変わり、これに合わせた検査方法が重要になる」と話し、保線社員の目視などの技術向上も訴えている。 --------------------------(引用終わり)-------------------------- リンク先の北海道新聞のサイトには、破断したレールの写真もありますのでぜひご覧ください。 北海道の場合、JR東日本と比べて救いがあるのは、まだ会社側が検査回数増などの対策を導入しようとしているということでしょうか。 しかし、レール破断はJR西日本管内でも報告されており、今や全国的問題となりつつあります。 ロングレール化は国鉄時代から進んでいます。最大の動機は乗り心地の改善ですが、レールとレールの継ぎ目は、気温の変化によるレールの伸縮を吸収するという合理的な理由がありました。その継ぎ目が、乗り心地を優先するという名目の下、ロングレール化によって次第に減っているという事情があります。一般論として、ロング レールになればなるほど気温の変化による伸縮には弱くなるといえます。 ただ、それならば日本の鉄道で最もロングレール化が進んでいる新幹線ではレール破断がなぜ起きていないのか? という疑問が頭に浮かびます。そこで「列車の性能によってレールの傷み方も時代ごとに変わる」という上浦教授の指摘が大変重要な意味を持ってきます。 かつて、蒸気機関車(SL)時代は重い機関車が車輪を空転させながらレール上を走っていました。もともと、SLや直流車両は空転が起きやすい、というのが鉄道界の常識でしたが、VVVFインバータ制御方式(※)が電車の主流になってからは、直流区間でも交流モーターを使って走るようになったため、車輪の空転の影響は以 前より少なくなっていると思います。一方で、車両の軽量化は以前より急激に進んでおり高速化もしています。「JRのレールが危ない」で安田浩一さんが指摘された軽量化ゆえの新しい要因も、レール破断の背景に潜んでいるように思います。 レール破断はすでに全国的問題です。JRグループ全体で解決していかなければなりません。JR東日本・JR総研(鉄道総合技術研究所)などを中心として、レール破断の大規模な原因調査が必要だと思います。 (※)VVVFインバータ制御…モーターに直流の電流を流し、抵抗を加減して出力をコントロールする従来の方式に対し、モーターに交流の電流を流し、周波数を加減して出力を制御する方式をいう。粘着性能(=車輪をレールに押しつける性能)がよい上、省エネにもなるので最近の新型電車はJR・私鉄を問わずほとんどがこの方式を採用している。 ----------------------------------------------------- 特急たから aichi200410@yahoo.co.jp 国労闘争団支援私設サイト「闘争団とともに 人らしく」 http://www.geocities.jp/aichi200410/ Created by zad25714. Last modified on 2008-01-10 01:30:14 Copyright: Default |