首きり・倒産・差別などと闘っている争議団の一斉行動「東京総行動」が9月12日に行なわれた。１２ヶ所の問題企業に対して、２グループに分かれて都内を練り歩き、要請行動を続けた。来日中のフィリピントヨタ労組ヴェル書記長、フィリピン日産ロデル副委員長も激しく降りつける雨の中、出発点であるみずほ銀行本店前から参加し、それぞれの場所でアピールを行なった。

　　↑　トヨタへの申し入れ抗議行動に150人が参加した（トヨタ東京本社前）

　日産本社前には約６０人が結集する中、要請行動が行なわれた。要請に入ったロデル副委員長は日産に対し「最高裁の判断に従って解決してほしい。全ての資料は持ってきている。全部読んでいただければ何が起ったかわかるはずだ。現地マネージメントはこれらから逃れようとしている。正確に認識して、日産として強く指導してほしい」と訴えた。

　　↑　フィリピントヨタ労組ヴェル書記長（トヨタ東京本社前）

　東京総行動の最期の結集場所となったトヨタ東京本社前には１５０人以上の参加があり、組合旗が林立した。フィリピントヨタ労組ヴェル書記長は「２３３人の不当解雇された労働者に正義が与えられるまで、どんな弾圧があっても闘争はやめない」と力強く発言した。また、現地フィリピン同時に行動を起こしているとの報告があった。

　　↑　組合旗が林立したトヨタ東京本社前

　フィリピントヨタ労組を日本で受け入れて取り組んでいる全造船関東地協・早川事務局長は９月９日〜１０日に行なわれた愛知行動での感想を述べ「名古屋駅前にオープンしたミットランドスクエアに構えた名古屋オフィス前で行なった宣伝行動では世界一になろうとしているトヨタの悪行に、多くの市民がビラを受け取り驚きを隠せない表情で読んでいた。トヨタの各工場で行なわれた宣伝行動でも、ある工場ではほとんどの労働者がビラを受け取り、この問題の予想を超える反応に驚いている」と、この問題が確実に広まっていることが報告された。

　　↑　ヴェル書記長（右から3人目）とフィリピン・ニッサン労組ロデル副委員長（右から2人目）

　続いて参加各団体からアピールが行なわれた。特にトヨタの下請で行なわれていた研修生・実習生の問題に取り組んでいる全統一労働組合の中島さんの報告では「驚くべき低賃金に加え、愛人になるように迫ったり、トイレの時間を分単位で管理して罰金を取ったりするような非人間的な扱いの中でトヨタの車が作られていることを知ったら、多くの市民は買う気がするだろうか」と訴えた。トヨタが本当の意味で世界一の企業になるにはこれらの負の部分の解決なしにはありえないだろう。

報告：市川力政（全造船関東地協）　写真：レイバーネット日本、長谷川実（神奈川県央ユニオン）

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