ホンダ下請・ムサシ鉄工の「騙し討ち解雇」を糾弾する! | |
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<フィリピントヨタ労組を支援する会の会員でもある酒井徹さんの報告です。>
ホンダ下請・ムサシ鉄工の「騙し討ち解雇」を糾弾する! http://imadegawa.exblog.jp/6808874/ ――正社員になった者を「雇止め」!?―― ■武蔵精密グループ企業の詐欺的な手口 2007年9月、ホンダ車などの金属部品下請けメーカー・武蔵精密グループのムサシ鉄工 (代表取締役社長:松井繁裕)から、一人の日系ブラジル人青年・Rさんが、「雇用契約 の更新はできません」と「雇止め」の通告を受けた。Rさんは、わが名古屋ふれあいユニ オンの副委員長である平良マルコスさんの弟であり、名古屋ふれあいユニオンの組合員で もある。 この知らせを聞いたとき、ユニオンの一同は驚いた。というのもRさんは、以前は人材 派遣会社・「ラポールサービス」からムサシ鉄工に派遣されていた派遣社員だったのであ るが、名古屋ふれあいユニオンの働きかけや労働局の指導などもあり、終身雇用の正社員 としてムサシ鉄工に直接雇用されたはずだったからだ。 当時の弁護士からのメールにも次のようにある。 《労働局に初めて派遣法に基づく直接雇用の申告書を持っていった事件で、正社員になっ たぞ! という宣伝をしましょう。社員になったという宣伝はしてどんどん新しい希望者 を労働組合に組織したいですね。》 Rさんの事例はいわば、ユニオンの力で派遣労働者から正社員にキャリアアップした非 常に輝かしい先例であり、僕たち名古屋ふれあいユニオンにとって一種の希望の星でも あった。Rさんに続いて労働運動の力で、今、非常に不安定な雇用状態に置かれている非 正規雇用労働者の雇用の安定と地位向上を勝ち取ること、今後次々と第2・第3のRさん を生み出していくことが、僕たちの目標となっていたところだ。その、期間の定めのない 正社員となったRさんが、どうして「雇用契約の更新はできません」と「雇止め」の通告 をされなければならないのか。 ■一度正社員になった者に有期雇用契約を結ばせる! 話を聞いてみるとこういうことだ。 Rさんは昨年10月20日に、ムサシ鉄工の松井社長から「労働条件通知書」を受け取った。 松井社長は「よく見てもし良かったら、 この同じ条件で雇用契約書を作りますから」と 言ったという。Rさんはこれを持って帰り、兄であり、労働組合の役員でもある平良マル コスさんに見せた。そこにははっきりと「Nao determinado」(期間の定めなし)と書い てあり、マルコスさんは弁護士にこれをファックスし、みんなで「Nao determinado」だ ということを確認した。(この文章は今でも弁護士事務所に残っている)。 上に引用した「正社員になったぞ!」という弁護士のメールも、このときのものだ。マ ルコスさんも弁護士も、良かった良かったと喜んだので、Rさんは翌日 松井社長に、「こ の労働条件は、私が欲しいものです」と伝えた。松井社長も「わかりました」と答えたと いう。こうしてRさんは派遣労働者から正社員になった、はずだったのだ。少なくとも、 兄のマルコスさんも、ユニオンも、弁護士たちも、つい先日までそう認識していた。 ところがである。Rさんがムサシ鉄工の正社員として働き初めて10日ほど後、松井社長 が突然一枚の紙を持ってきて、Rさんに見せ、「見てっ。 これ書いて!」と言ったとい う。(このときは社長だけで、通訳は同席せず)。Rさんは「これ書いて!」と言われた ので、よくわからないまま「住所」欄に住所を、「名前」欄に名前を、そして「電話番 号」欄に携帯電話の電話番号を書いてしまった。これが何と、雇用期間の限られた、有期 雇用の期間雇用契約書だったのである。 こんなやり方があるだろうか。ちなみにRさんはその後何度も、最初に社長が約束した 雇用契約書がもらえない(と思っていた)ので、「ムサシ鉄工の『ハンコ』ついた雇用契 約書はいつ持ってきますか」などと松井社長に質問しているが、そのたびに松井社長は 「ああそうですね……」とか「ああはい!」などとごまかし続けてきたという。 ■会社側、弁護士を呼んで団交拒否・退席 この問題で名古屋ふれあいユニオンは、11月6日、ムサシ鉄工と団体交渉を行なう、 はずだった。当日ユニオンからは、浅野文秀委員長と、Rさんの兄である平良マルコス副 委員長、運営委員のAさんと、当該労働者のRさんが会場に向かった。ところが。ここに会 社側代理人として同席した柴田肇という弁護士が、平良マルコス副委員長と運営委員のA さんが「委任状」を持っていないので出席を拒否すると言い出したのだ。 訳のわからない話である。運営委員長である浅野文秀が、こちらが副委員長である平良 マルコスであり、こちらが運営委員のAであると言っているのだ。組合の名刺も持ってい る。なぜその上「委任状」なるものを提出しなければならないのか。 そういうと柴田弁護士は「私は会社から委任状をもらっている」と胸を張る。当たり前 である。柴田氏はムサシ鉄工の社員ではない。社員ではない人間が会社側の交渉者とし て、会社と労働組合の団体交渉に出てくる以上、委任状が必要なのは当然だ。 それに対して平良マルコス副委員長もA運営委員も、名古屋ふれあいユニオンの組合員 であり、役員である。この団体交渉は、企業であるムサシ鉄工と労働組合・名古屋ふれあ いユニオンの間で行なわれるもので、Rさんは当該労働者ではあっても、組合員の一人に 過ぎない。 組合役員に対して「委任状」の提出を要求するというのは、労働組合を、会社から事案 の委任を受けた弁護士か何かと同様の、「Rさんの代理人」だと勘違いしているのではな いかと思わざるをえない。 もし僕たちが、組合外部の弁護士なり何なりを連れてきたというのであれば、当然委任 状の提示が必要だ。しかし、労働組合の副委員長や運営委員が氏名や立場を明らかにして 出席しようとしているのに、「委任状」の提出を求めるというのは、いったい何を勘違い しているのか。 勘違いといえば、そもそもこの団体交渉の性格からして、会社側は何か勘違いをしてい るのではないかと思えてならない。「委任状」の提出を求める姿勢にも表れているのは、 労働組合が交渉を求めてきたから、『会社が』団体交渉を『開いてやる』という姿勢であ る。勘違いも甚だしい。 はっきり言えば僕たちは、すでにRさんの件で弁護士も選任し、訴訟に向けて準備を始 めている。だが、なぜRさんを雇止めにしなければならないのか、Rさんはいまだにその正 当な理由をきちんと聞かされていないのだ。だから、泥棒にも三分の理ということわざも あることだし、相手側の言い分を一切聞かないままに裁判を起こすというのも考えものだ ということで、僕たちはムサシ鉄工に最後の弁明の場を与えるべく団体交渉の場を「設定 してあげた」のだ。 それをムサシ鉄工は、「委任状」がないだのなんだのと言ったあげく団体交渉の会場か ら自ら退席してしまった。結構だ。「最後の弁明の機会」を放棄したのはムサシ鉄工の側 である。こちらは粛々と訴訟の準備を進めるまでだ。どちらの言い分が道理が通ってお り、どちらが道理にもとることをやっているのか、誰の目にも明らかではないか。 武蔵精密グループ企業・ムサシ鉄工の不当労働行為を許すな! 僕たちはムサシ鉄工のこうした実態を裁判を通じて満天下に知らしめ、大衆的裁判闘争を もって必ずや勝利を勝ち取るだろう! Created by staff01. Last modified on 2007-11-11 14:16:20 Copyright: Default |