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阪急トラベルサポートに労基署が是正指導(全国一般東部労組)
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「みなし労働は認めない」
「添乗員に残業代を払え」
阪急トラベルサポートに労基署が是正指導出す!

全国一般東京東部労組の長崎です。

すべての旅行添乗員のみなさん!阪急交通社の子会社である阪急トラベルサポー
ト(HTS)を、私たち全国一般東京東部労組HTS支部が労働基準法違反(残
業代未払いなど)で申告していた件で、三田労働基準監督署は10月1日、HT
Sの中家久年社長に対して文書で「残業代を支払いなさい」との是正勧告・指導
を出しました。

添乗員が1日18時間働こうが19時間働こうが、残業代を1円も支払ってこな
かったHTSを含む旅行業界に対して「違法行為(労基法37条)」と、ついに
国(労基署)が断定したのです。業界が残業代不払いの理由にあげてきた事業場
外みなし労働については「認められない」との結論を下しました。

1日8時間を超える労働契約は無効であること、1日8時間・1週40時間を超
える添乗には残業代を支払うこと、休日労働・深夜労働の残業代を支払うこと、
残業代は日当を8時間で割った額に法定の割増率をかけた額を過去2年にさかの
ぼって支払うこと、飛行機やバスなどに乗っている間も労働時間と認めることな
ど、私たちの主張を全面的に認めた画期的な内容です。

今回の労基署の是正指導は、阪急交通社だけではなく、JTB、近畿日本ツーリ
スト、HIS、クラブツーリズムなど各社のツアーで同じ働き方をしている全国
1万人以上いるすべての添乗員に当てはまるものです。

添乗員の労働時間については、業界団体の調査でも国内ツアーで平均14時間、
海外ツアーでは10時間から16時間以上が95%を占めています。1日8時間
という労働時間の原則は適用されず、「超」がつくほどの長時間労働を強いられ
ています。

それにもかかわらず、添乗員の日当は国内平均で9212円、海外平均で127
43円、平均年収は230万円にしかなりません。いま話題の「ワーキングプア」
(働く貧困層)の典型例です。

こうした長時間労働と低賃金の原因となっているのが、労働時間の例外である事
業場外みなし労働という制度(労基法38条の2)を旅行会社が無理やり添乗員
の仕事に当てはめることによって「どれだけ働いても残業代はゼロ」としてきた
業界の長年の慣行でした。

実際、私たちの運動に追いつめられたJATA(日本旅行業協会)、TCSA
(日本添乗サービス協会)、サービス連合の3団体が今年2月に「みなし労働を
認めろ」と厚生労働省に申し入れていました。こうした業界側の主張に今回、労
基署はきっぱりと「NO」を突きつけたのです。

マスコミもNHKテレビが夕方7時の全国ニュースで放映し、10月3日の夕刊
で各新聞も大きく掲載しました。

私たちが呼びかけた「添乗員への偽装みなし労働を許さない」という全国署名運
動に協力してくれた個人・団体をはじめ、このブログで応援してくれたみなさん
のおかげです。本当にありがとうございました。

詳細はブログ労働相談スタッフ日記をご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/c482f8976d6a37a05695a5c90e42a593

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