労働組合歴の有無を質問する「違法面接」 | |||||||
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Sです。
私は、従前より、求職活動をしながら、就職差別の問題についてその撲滅のため取り組んでいますが、最近特に違法面接をする求人者が多いように思われます。 厚生労働省ガイドライン(平成11年労働省告示第141号)によると、採用面接には「応募者の基本的人権を尊重すること。」「応募者の適性と能力のみを基準とすること。」が求められるべきものと示されています。しかし、本ガイドラインの周知啓発が不十分であり、その内容と趣旨の理解がまだまだ浸透されていないのが実情です。 また法務省も、人権啓発リーフレットで、「判断材料は、働く本人以外にはありません」と見解を明らかにしています。 人を呼びつけていながら、人を口舌の刃で斬り捨てて面白半分に人を晒し者にしていい道理はありません。 先般私は、茨城県内の某企業の採用面接に赴きましたが、そこでの出来事を記載します(具体的企業名については、必要があれば、個別に対応します。)。 (1)作文試験と性格診断 求人票の公共性真実性に照らして虚偽不実があってはならないところ、求人表に記載のない作文試験と性格診断の実施。それも問題なのですが、それ以上に問題なのは性格診断の回答用紙。用紙には、出生地(本籍地)の記載欄と家族構成と年齢の記載欄がありました。 これらは、就職差別を誘引するものであり、申告を求めてはいけない項目です。前記ガイドラインにも質問してはいけない項目・申告してはいけない項目として定められています(詳細後述)。 (2)従業員の対応 またその企業の従業員も何らのためらいもなくかかる事項の記載を求めていました。つまり、人権教育がきちんとなされていないということにとどまらず、総務人事として最低限度の知識がなく、そのような職域教育がなされていないことを明瞭に示す証左です。 (3)採用面接での質疑内容 採用面接では次のような質疑がありました。 ・家族構成に係る質問 ・労働組合歴の有無 ・結婚予定の有無 ・信仰宗教の有無 これらの質問は、前記ガイドラインに抵触し、プライバシーの侵害にあたるもので、就職差別を誘因する蓋然性が高いものです。 特に「労働組合歴の有無」は、労働組合法第7条所定の「黄犬契約」を誘因させるものであり、日本国憲法第28条が保障する「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」を侵害するものです。またこの質問は、労働組合の存在を全否定する質問に他なりません。 また信仰宗教に係る質問は、日本国憲法第20条が保障する「信教の自由」と同第19条が保障する「思想信条の自由」を不当に侵害するものです。 これらの質問が、就職差別につながることは言うまでもありません。 この企業が人権について無知であることは明白ですが、それだけにとどまらず企業体としてきわめて危険であることを示していると思います。 こういう質疑があると、求職意欲も就労意欲もなくなってしまいます。また結果として個別労働紛争につながる可能性も憂慮されます。 こういうことが起こる背景には、求人者(企業者)の人権に対する認識不足理解不足と行政側の指導不足啓発不足があります。しかし私が知る限り、こういった傾向は、同族害社においてこのような傾向が顕著に見られます。 同族会社の場合、取締役が身内どうしですから、お互いにあまりキツいことを言い合わず甘え体質(甘やかし体質)に終始します。つまり取締役どうしがけん制することもなく、内外からの批判にさらされることも殆どありません(株式も経営一族や経営一族の息のかかった者が保有している場合が殆ど。ヘタすると、株式譲渡制限がかかっており、取締役会の承認がないと株式の売買すらできない。)から、チェック機能が全く働かなくなります。結局それが隠蔽体質や事なかれ主義体質・馴れ合い体質さらには無謬性といったところにまでたどり着き、最終的にはブラック企業化します。従業員は従業員で洗脳されて感覚が麻痺してしまうので、正しいことと間違っていることとの判断がつきません。 現実、不祥事を起こして世間を騒がせている企業は、同族害社でした。 私は、従前より、同族経営の企業に対する徹底的な監視が必要という見解を示しています。今後も監視や徹底追及は絶対に必要です。 なお就職差別関連については、個別の事案については各地ハローワークに、周知啓発関係は各地行政機関と法務局人権擁護課に掛け合って交渉していく方針です。 ここで、違法面接の対処法について若干申し添えします。 (1)採用面接前に調べて筋を読む。 (2)違法な質疑があった場合は、メモをとっておく。 (3)万が一違法質疑があった場合は、ハローワークに上申し、ハローワークを通じて厳重に抗議するとともに、ハローワークに厳正な行政指導と改善命令の発動を申し立てる(できれば書面での申立てが望ましい)。なおいわゆる「匿名扱い」(ハローワークには氏名等を開示しつつ、求人者には匿名扱い=非開示扱いとしてもらう取り扱い)も可能です。 これは、決して「対岸の火事」でも「遠い話」でもなく、わたしたちの身近な問題です。今、憲法と人権について見つめなおし、真剣に考える時期にきていると思います。 公正な採用選考にあたって(採用選考ガイドライン) http://www.nagano-roudoukyoku.go.jp/jigyo/jigyo01.html http://www.tokushima.plb.go.jp/jigyou/senkou/senkou01.html http://www.e-roudou.go.jp/shokai/s_taisaku/20903/index.htm http://www.kumamoto.plb.go.jp/jigyou/jigyou07.html Created by staff01. Last modified on 2007-08-22 14:21:56 Copyright: Default |