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T@千葉です。

昨日(9日)、東京都内で開催された「イラクを変える!世界を変える!全占領軍撤退!平和テレビ局開設記念 IFC(イラク自由会議)連帯東京集会」に行ってきました。簡単ですが報告を書きます。

この集会には、イラクからスハド・アリさん(イラク学生)、アムジャド・ジャフワリさん(IFC北米支部)の2名が来日。アル・サンナテレビ局(衛星テレビ局)や、地域の安全を守るIFC安全部隊の働きについて発言しました。
以下、発言要旨をご紹介します。

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スハド・アリさん(イラク学生・21歳)の発言要旨

サマラのシーア派聖廟爆破事件(筆者注:今年2月のアスカリ聖廟爆破事件)以降、宗派間抗争は明確になった。サマラというスンニ派の聖地にシーア派の聖廟があるという位置関係になっている。このサマラの事件からイラクは大混乱に陥っている。
これらの大混乱が、現在権力にある者が現状に満足せず、さらなる分け前を要求して起こっていることをイラク人なら誰でも知っている。その中で人権が剥奪され、女性の権利がとりわけ奪われている。それでも占領開始直後はまだ少しは女性の権利が行使できたが、ここ6か月ほどはそれも全くない。
女性の権利の喪失で大きいのは何の発言権もないこと、誘拐、拷問、レイプが起きていることである。フセイニア地区(シーア派地区)で16歳の女性がシーア派であることを理由に誘拐された。宗派間の対立を煽ろうとする者たちが誘拐し、3日間にわたって拷問・レイプの末に空き地に放置した。家族とりわけ父親は彼女が帰宅したとき、(レイプによって家の名誉を汚したとして)家族の一員から除外することを決めた。
この少女のことを知ったIFCは直ちに委員会を組織し、IFC女性局代表のファディーラさんを中心に平等協会も作った。彼女の家族はこの件が公になることを恐れ、初めは話を聞いてくれなかったが、困難の末に話し合いができた。様々な試みを経て「悪いのは彼女ではなく宗派間対立を煽る者たちだ。この出来事はあなた方の名誉を汚すものでは決してない」と説明すると家族も納得し、彼女と婚約者との結婚にも家族の同意が得られたのである。
失業もここ数か月、宗派間抗争の中で悪化している。悪化に大きな役割を果たしているのがイラク政府であり、就職にあたって特定党派からの推薦がなければならないという制度にしてしまった。100人、1000人単位で労働者が誘拐され、仕事に行くなと言われる。シーア派支配が次第に強化され、教育省が子供たちにイスラム教の儀式を強制している。武装勢力が学内に侵入し、学生を誘拐している。かつてはみんなが一緒に学んでいたのに、今では宗派ごとに教室まで別々に分けられている。
宗派間抗争はまた医療にも大きく影響している。厚生省はサドル派に支配されており、他の宗派の医師は国外に逃れた。
3年半の混乱の中、こうした事態に対処できるのはIFCしかないという認識がイラク国民に広がっている。人々を宗派・民族で規定するのではなく人間で規定するIFCが共感を得ている。IFCの活動はこの6か月間で劇的に強化した。特に安全部隊の活動は大きな共感を呼び、警察・軍より安全部隊に守ってほしいという地域も現れている。女性の教育のため女性局も重要である。
メディアセンターが新聞・ネットを統括しており、「ともに自由へ」という機関紙のデザインを私が担当していることが誇りである。500部で初めた新聞はいま5000部になった。無料で配られた新聞を支援者が有料で売っている。宗派抗争犠牲者の葬儀の場でも配り、「スンニでもシーアでもない。我々は人間だ」というIFCのステートメントを読んでもらっている。1週間前には、ついにシリア情報省から(「ともに自由へ」が好評なので)シリアでも発行してほしいとの要請を受けるということまで起きた。
衛星テレビは、放送開始へ向けた最後の段階に入っている。


アムジャド・ジャフワリさん(IFC北米支部所属)の発言要旨

IFC安全部隊はそのほとんどがボランティアであり、面接を実施して採用する。面接では初めに宗教について尋ねる。IFCにとってただひとつのアイデンティティは「人間」であり、それ以外のこと〜スンニ・シーア、等々〜と答えた者にはそこで面接が打ち切られる。
面接を終えると志願者はワークショップを受講する。宗教、現政権の評価、女性の権利、医療、教育などIFCの主張に沿った内容である。最近、各地域の当局者から安全部隊が訪問を受け、自分の地域で活動してほしいと要請されることがある。
衛星テレビについてお話ししたい。放送開始に当たって良くないことと言えば外出禁止令のためスタッフがスタジオに到着できず、番組制作が思うようにいかないことくらいである。衛星接続会社との契約が遅れるトラブルもあったが、それも契約にこぎ着けた。
イラク警察らしき者たちからの襲撃でスタッフが死亡する事件もあったため、特にスタッフは慎重になっており、バグダッド市内に5カ所の地下スタジオを用意して放送開始に備えている。
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集会では、衛星テレビ局で放映する予定の動画の一部が流されました。衛星テレビ開局へ向けた募金集めをしていても、何か夢の世界の出来事のように思えた衛星テレビが、「現物」を見ることによっていよいよ開局するのだという実感がわいてきました。

市民のためのメディアを作る闘いはイラクだけで重要なのではなく、全世界に通じるものだと思います。
メディアの翼賛化が進み、総務省によるNHKへの放送命令に見られるようにメディアが「大本営発表専用機関」へと急速に堕してゆく日本でこそ、この闘いは最も必要とされているのではないか・・・先進的なイラクでの闘いを見るとき、私は最近、そんな思いを強くします。

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