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国労バッジ事件で証言〜恥ずかしいのは人の道に反すること
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佐々木です。

本日(9月14日)、東京都労働委員会で国労バッジ処分問題の本人証言がありました。以下報 告です。

9月14日東京都労働委員会で国労バッジ・規律違反処分の撤回を求める本人証 言があった。証言に立ったのは神奈川県久里浜駅勤務の国労組合員辻井義春さん(写真)。

 

国鉄時代には国労バッジの着用は何ら問題にならなかった。しかし、JR発足以後会社は、就業規則を盾に、執拗なとりはずし攻撃と処分をするようになった。国労横浜支部では、この 救済を求めて4次にわたって地方労働委員会に訴え、すべて処分の取り消し命令 を勝ち取っている。また第1次事件は1999年に最高裁で組合側が勝利。処分 取り消しと賃金カットの返還、謝罪文の交付を勝ち取った。

これで今後はバッジ処分はなくなるはずだと辻井さんたち国労組合員は考えた。 ところが、会社はその後も処分を強行、2002年9月には新たに横浜支社長名 の警告文を出した。そして辻井さんたちバッジ着用者には従前にまして重い処分 が課せられるようになった。年4回各3日の出勤停止処分で、辻井さんは年間4 2万円以上の減収になっている。また処分のため昇級もなくなり、現在辻井さん は56歳だが、賃金は手取り29万円にしかならない。

国労横浜支部は、02年の警告文以後、これ以上バッジ処分の不利益をさけると いう理由でバッジをはずすように組合員に示唆した。この背景には4党合意以後 の国労の労使和解路線がある。こうしてほとんどの組合 員はバッジ着用をやめた。辻井さんは現在、JR東日本で唯一のバッジ着用者だ。 処分が重なり解雇の可能性も出てきたころ、組合に支援を求めたが逆にバッジを はずしてほしいという答えだった。そこで孤立無援になった辻井さんは、以前か らこの問題で都労委に提訴していた国労組合員8名のグループに加わり今回の証 言となった。

処分による減収に加えて、出勤停止の3日間は自分のかわりに同僚が休日返上を 強いられることもあり、これも辻井さんにはつらいことだ。しかしそれでもバッ ジをはずさないのは、分割民営の時でっち上げ処分で不採用になった国労の仲間 への思い、そして最高裁での勝利を無駄にしたくない、という気持ちがあるから だ。

辻井さんは、証言の最後にこう語った。自分の亡くなった母は「どんなに貧しく ても恥じることはない。恥ずかしいのは人の道に外れることだ」と言った。今の 会社はそういう意味で恥ずかしいことをしいている。コンプライアンス(法令遵 守)などといいながら、就業規則が憲法や法律より上にあると考えている。会社 のいうことなら白でも黒と社員にいわせようとバッジ処分を続けている。自分は 人として正しいことをしいていると信じる。そして正しいことを大事にする会社、 社会をこれから作っていきたい。

辻井さんの証言を聞いていて思ったのは、彼の精神とおかれている立場が、君が代 不起立をつらぬいている教員たちとまったく同じだということだ。労働組合が闘わ なくなったとき、個人の意志と責任において大切なものを守るために闘いつづけ る人たちが出てきた。この人たちを孤立させてはならない。次回の都労委審問は 12月4日(月)午後一時半から。都庁34階東京都労働委員会で。


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