本文の先頭へ
LNJ Logo 東京練馬〜夜間にタッチアンドゴーを開始
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1148730067686st...
Status: published
View


「災害派遣訓練」? 陸自 住宅のど真ん中で夜間離着陸訓練強行!

練馬平和委員会  坂本茂

5月16日より2日間、陸上自衛隊練馬駐屯地内でヘリコプターによる夜間離着陸訓練が強行された。練馬駐屯地周辺1キロ以内には東武練馬駅と東京メトロ平和台駅があり、14の小・中・高校がひしめき合っている、住宅密集地のど真ん中にある。

実施前日、駐屯地に隣接するコンビニの経営者より「また自衛官が訓練の紙を置いてったわよ、今度はヘリコプターだって、災害時には駐屯地をご利用してというのなら歓迎するけど」と迷惑そうに1枚の「お知らせ」を見せてくれた。駐屯地広報班より5月11日付けの文書によれば、日没後夜7時まで地震災害等に備えヘリコプターによる離着陸訓練を6回実施すると言う通告だ。

こんな直前に住民に知らせても町内会の回覧板では不可能である、ほとんどの住民は突然の訓練を知らないでいる。近所のお店の店主も「えー、またですか、昨日の午前中もヘリ降りてたわよ、弾薬庫の真上を飛ぶのよ、危なくってやめてよ」と話す。

自衛官まで「あきれていいようが無い。」

実施当日、練馬平和委員会は住民の要望実現に向け駐屯地に事前に通知して直接出向いた。

住民たちを待ちうけていたのは数十人を超える私服の警察官らしき人物たちであった。駐屯地内外から要請者に対して写真をバチバチとる異常な姿であった。駐屯地正門数メートル前で待ち構えた練馬駐屯地司令業務室長は一歩も駐屯地内の面会室に通すことなしに「自衛隊に好意的な人達とは中で話し合いするが、あなた達みたいな反対派は一歩も入れない、要請は何だ、すんだら早く帰りなさい」と、住民団体に対する無礼な姿勢は今年の2月12日より変らない。今日で94日目である。

平和委員会など市民団体は10数年間にわたって駐屯地内で交渉してきた期間は「自衛隊に好意的な友好団体」だったんだろうかと笑ってしまう。練馬駐屯地の自衛官はれっきとした公務員であり憲法遵守の義務がある、憲法14条や15条はどっかにすっ飛んだみたいだ。

このとんだ出来事の顛末について、練馬区役所や駐屯地周辺住民、さらに他地区に勤務する自衛官までも「考えられない」と呆れ顔だ。

昨年、防衛庁は文書で再度住民には「きちんと対応しなさい」と、全国に通達を出し、先日防衛庁からも叱っていただいたばかりだ。しかし、あまり効き目がないようだ。イラク派遣問題で士気が乱れているのだろうか。

再び防衛庁 自衛官を叱る

この訓練が終了した5月19日、防衛庁官房文書課の坂下氏に苦情を申し立てところ「住民から自衛官等の苦情が来るたびに駐屯地に文書(内部文書なので見せられないが)で通達を出している、機関を通じて指導します」という回答が再びかえってきた。

住民たちが監視活動 電車1両が空から降ってくるようだ!?

ヘリコプターの全長は電車1両分、電信柱より高い。重さは6トンだと言う、高性能ガソリン満載でしょう。東京消防庁や民間のパイロットは「都心は日没後もネオンサインなどで明るく夜間飛行訓練は意味がない、島嶼や山岳部は利用度はあるが都心部での災害時にはヘリコプターよりはしご車などのほうが効果的、むしろ事故の危険性が多く夜間訓練など消防庁では実施しない」という。

 16日当日、曇り空の中、ヘリコプター数機(OH−6DやUH−1Jなど)による離着陸飛行は夕方5時17分より日没後の7時6分まで行なわれ飛行回数は予定より3回上回る9回実施された。

夜間タッチアンドゴー開始

 ヘリコプターは陸上自衛隊立川飛行場から飛来した。搭乗員は目測で14階から8階建てのマンションが建ち並ぶ駐屯地南方の住宅街を真下に見て一瞬のうちに進入してくる、老人ホームを右下に見て、高度の関係か一番建物が低くなっている富士街道に隣接する3階建てのラーメン屋さんをめがけ、張り巡らされている電線を通過、眼下は弾薬庫だ。目的地の四方のライトを手がかりに自衛隊グラウンド上空に達し、その地上すれすれに1分ほど機体を傾け左右に旋回し離陸後急上昇し北方から西に旋回し同じコースで夜間離着陸訓練を繰り返すことになる。

 弾薬庫前で営業を続けるラーメン屋さんは「以前、自衛隊はヘリが飛ぶ時は知らせにきたが今はまったくこなくなった、弾薬庫や電線があるので怖い」と真上の電信柱(地上の高さ12~3メートル)を指差す。爆音直下のため話し声が聞き取れない。

 練馬区総務課によれば近隣住民からの苦情電話が当日あったという。

練馬区の憲法と言われる練馬区基本構想には「区の権限をこえて、区民生活に重大な影響を与える問題について、区みずから区民の立場にたち、区民とともに解決につとめ、さらに国や都にその解決を求める」ある。さらに「区民一人ひとりが、みずからのまちはみずからつくるという自覚をもって協力し、連帯するところに、まちづくりの第一歩がはじまる」区民自治も提起されている。


Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-05-27 21:39:44 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について