フランスからのレポートby飛幡 | |
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3月18日
パリの飛幡祐規(田代優子)です。 日本でいろいろ重要な闘争がつづいている中で、フランスの話題ばかりで恐縮ですが、昨日の清水さんのレポートについてちょっと追加させていただきます。 ・CPE(初採用契約)が学歴のない郊外の若者たちのための対策という点。 これはたしかに「機会均等法」の一部に組み入れられ、12日の首相はそのように説明しましたが、CPEが出てきた経過をみるとそうはっきり言い切れるものではありません。すでに8月につくられた同じ「2年間理由なしに解雇できる」 CNE(新雇用契約)が20人未満の企業向けであったのに対し、CPEは20人以上の企業対象に、26歳未満の「すべての若者」に適用できる点にみなが注目したわけです。 (参考:「先見日記」http://diary.nttdata.co.jp/diary2006/03/20060314.html) そして、次の段階として、全部の雇用にこれを適用できる労働法違反であるという点について。 ・大学に進むことのできた若者が恵まれない郊外地区の若者(失業率が40〜50%以上にいたるところもある)より職を見つけやすいのはたしかですが、現在大学に通う者たちの半数が、自分の専門分野でいい職につくことができない状態にあることが、社会学者から指摘されています。 実際、パリ政治学院のような名門を出ても、スタージュ(実習というか見習い)とよばれるほとんど無償、低賃金の職しか見つけられない状況が広がっており、スタージュに就く若者たちの運動もあります。 CPEが学歴のない者たちの無期限雇用へのステップとなる可能性より、学歴のある者の低賃金使い捨て一般化になる危険性が大きいために(雇用者は人道援助組織ではありません)、学生たちも労働組合も強く反発したのです。 また、国会の討論では政府の教育省のドゥ・ロビアンが、「自分の息子も9か月職が見つからなかった。CPEがあればもっとはやく見つかっただろう」などという発言をしており、この契約が郊外の若者たちのためでなく、大学出の人たちにも適用されることを想定しています。 ・いずれにしろ、現在の若者たちは親よりいい生活ができなくなるだろうという不安、自分がいつ社会から排除されてもおかしくないという認識をもっていて、それが政治的でないと言われていた学生・高校生がCPEに反発した大きな原因でしょう。また、「なぜ若者だけ差別するのか」という反発も強いです。 また、親たちをはじめ、一般のフランス人も若者の厳しい現状に実際に触れているので、この運動に賛同する人が多いわけです。 むろん、非常に強硬な態度でこの法案を通過させ、学生たちの運動にも応答しない政府のやり方に対して、若者だけでなく世論も「ばかにするな」という感情を抱き、だからこそ今CPEの撤回に賛同する人が7割にいたっています。 これからわたしも夫とデモにいきますが、今週末から来週がかなり山場になるでしょう。 来週の「先見日記」にもつづきを書きますので、またお知らせします。 Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-03-25 13:10:21 Copyright: Default |