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フランスからのレポートby清水
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さて、みなさまご存知かと思いますが、フランスでは現在CPE反対運動が連日続いておりまして、昨日も大規模なデモがありました。日本でもおおよそのことは報道されているかと思います。

わたしは最近忙しくしているので、きちんと情報を追っていないのですが、聞いたところによりますと、労働組合はもちろん、フランス全国から大学生、高校生や中学生、イタリアからはアウトノミー系活動家なども集まってきているようです。昨日のデモでは、郊外の若者たちも参加しており、ますます反対運動の規模は大きくなってきています。

そもそもCPEは、学歴のない若者に就職の機会を与えるということを目的としています。その意味では、逆に学歴のある若者にとっては不利となる法律でした。というのも彼らはすでに、一般に考えられているほど就職難にあるわけではなく、安定した職を見つけることは比較的容易なのですが、CPE導入によってそれが妨げられる恐れがあったからです。

そのことを考えますと、昨日、学生と郊外の若者が連帯するにいたったということは非常に興味深いと思います。
きのうラジオで、若いサラリーマンが「政府が我々を馬鹿にしているからだ。」とインタヴューに答えているのを耳にしましたが、問題はまさにここにあるのではないかと思います。つまり、政府に蔑視されているという印象を国民が抱いていること、そのような政府に対する反対、両者間の意思の乖離といったことですね。私見ですが、この動きは、単にCPEが問題なのではなく、それをきっかけとしてフランス国民の中にある不満が表面に現れてきているのではないかと。だからこれほどまでの規模をとるにいたったのではないかと思います。

昨年の欧州憲法条約に対するノンに続き、年末の郊外暴動、今回のCPEとフランスでは、政府に対する不満がこれまでになく表面化しています。
それは、2007年の大統領選挙のことを考えますと、とても興味深い。この一年間で現政府は徹底的に拒否されてきました。サルコジー、ドヴィルパンと二人の大統領候補も国民の支持を失っています。今後、左翼政党がどのような動きを見せていくのかが重要な点となります。

明日土曜のデモは、さらに大規模になることが予想されています。
あらためて報告させていただきます。

3月17日 パリ 清水

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