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パリの学生からのレポート
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佐々木です。

パリ大学の学生の友人から今回のCPE闘争についての レポートと写真が届きましたので、以下ご紹介します。 学生の闘いの負の側面にふれています。 でも毎朝学生と教員が集まって明日のストライキを投票 で決めるというのは日本から見るとすばらしいですね。 そして闘いは機会平等法の廃止までつづくということです。(4月12日)

CPE (初採用契約)についてパリの大学生の報告と意見

             パリ学生 ラバイ・ジャメル

わたしはパリ第七大学の東洋言語文化学部の日本語学科の4年 生だ。 私の大学は3月の始めからバリケードが築かれていて、ストライキに入 っている。毎朝、大学の階段教室の中で学生たちと先生たちの集会が行 われていて、皆が投票して翌日のストライキとバリケードを決めている。 これがわたしたちの民主主義のかたちだ。では投票と議論を通して民主 主義は機能するかしないか。

CPEに対する抵抗を通してフランス社会と民主主義のいくつかの欠陥が 現れてきたと思う。学生集会に出る学生の人数はその一つだ。4万人の 学生と1万人の教師と研究者の中から投票しに集会に出てくるのは千人 か2千人だけだ。日本とフランスの議会選挙における棄権率と同じ問題 で、闘って得られた投票権をどうしてきちんと行使しないのか。 日本から見ると高校生と大学生すべては協力してデモ、ストとバリケー ドを強く支持しているように思えるかもしれないが、そうでもない。時 代を問わずスト破りと卑怯な人はいつでも、どこでもいる。今回はデモ の時の暴力分子の影響はかなり大きくて、あるときには世論の支持は政 府のほうに傾きかけた。

“バリケード反対”という学生の集まりも組織された。彼らは集会の時 にバリケード反対の投票数が賛成投票ほど多くないのがわかった途端に 、その“投票”という民主主義の原則をすっかり忘れて力でバリケード を壊そうとした。とても悲しくて残念なことだった。

今日(四月十日)機会平等法の8条(CPE)を削除することが決まった。労働組 合、学生連合、野党も良いことだと次々と宣言したが、実は皆が期待し ていたのは、14歳からの見習い、15歳からの夜勤などを合法化する 機会平等法の廃止だった。「これから低学歴と早めに学校を辞めた若者 向けの新しい法を考えていきたい」と強硬姿勢を崩してドビルパン首相 が言った。今回の勝利は国民の完全な勝利ではない。まだ闘う必要があ る。次の段階の闘いは来年の大統領選と総選挙だ。シラクの後継フランス 共和国大統領としてのドビルパンの将来は見えなくなってきたのではな いか?


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