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『レールは警告する』感想
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*レイバーネット日本メーリングリストより

Nです。

「レールは警告する」は、とてもいい作品で感動しました。4月25日の尼崎事故を風化させない為にも、多くの人に見てもらいたいです。

現場労働者が安全対策に危機感をもっている事がひしひしと伝わってきました。民営化前は、一箇所でも不具合があるとすぐに自分達で直したが、今は補修作業は全て外注になったので部品も手元に無く、数がそろわないと発注できないシステムになっているという説明には唖然としてしまいました。これは安全(命)を守る事が、家電製品の部品発注と同列に扱われているようで、民営化すなわち利益優先至上主義ではこうなってしまうのかと背筋がぞっとしました。

このような厳しい状況の中でも、現場労働者が今自分達に出来る事にベストを尽くしている事も伝わってきます。線路点検作業間隔は2週間に1度になってしまい、不具合箇所を絶対見過ごさないように神経を集中し、レールの音を確かめながら、レールと会話しながら点検している。毎日同じ線路を走る運転士はレールに異常があるとすぐ気がつくので、異常を感じた時は必ず報告書をあげるなど。安全はコンピューターだけでは守れない、最後は現場労働者の感・経験が安全を守るキーポイントであることを痛感します。しかし、切符販売、改札、ホームの人員配置なども人員削減がどんどん進められて機械化され、安全までも乗客のセルフサービスになりつつある実態も明らかにしています。

出演した国労千葉の現場労働者4名のトークで、「困難な職場環境にあっても私達は決して諦めてはいない、おかしい事には現場で声を出していくこと、職場の若い人達にも声をかけていくこと、地域の人達に現場の状況を知ってもらうなど地道な努力を続けている。」との毅然とした態度と穏やかな表情・言葉から、少数労組であっても職場に仲間がいる事、多くの人達と連帯していく事の大切さと力強さを彼らから感じ嬉しかったです。

公共交通は民営化になじまない、大事故発生など失敗を反省し、再度公営に戻す運動が大きくなっている英国の状況にほっとさせられます。 日本も英国に続きたいものです。


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