フィリピントヨタ労組、トヨタ本社行動報告 | |
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*レイバーネット日本・メーリングリストより TMPCWA支援、04トヨタ本社行動の報告名古屋・阪野智夫◆TMPCWA支援、トヨタ本社行動・第1日−9月19日(日) フィリピントヨタ労組(TMPCWA)エド・クベロ委員長とジュン執行委員の来日を受け、233名の解雇撤回、組合認知・団体交渉開始等を求めるトヨタ自動車本社行動の第1日目は、午後の連帯集会、夕方の街宣、夜の交流会であった。 昨年の参加者を大幅に超える、70〜80人が参加した連帯集会「トヨタの組合潰しを許さない豊田集会」では大きく2点について、重大な報告と提起があった。 その一つは、6月に行われたジュネーブ・ILO総会でのロビー活動の成果と、今後の運動に対する一定の方向性である。即ち、世界販売、年間700万台をめざし、1兆円以上の利益を上げるトヨタ自動車は、世界規模で海外生産拠点を持つということであり、そこでは当然、そこで働く労働者がおり、労働諸条件、労働環境が、車や部品の生産と同じようにグローバルなものになる。全トヨタの労働者・労働組合が仮にインターナショナルな連帯行動をとり得れば、アジアの一角、フィリピンの1メーカー(子会社)であれ、組合弾圧が世界に知れるところとなり、世界規模の連帯行動もありえないことではない。そうなるまでには幾多の困難で、試練に満ちた歳月が必要かもしれないが、ある方向性を想起させるではないか! もう一つは、TMPCWAが全造船関東地協・神奈川地域労働組合に加入したことである。これに対する若干の不明部分については、17日付けのメールで触れたが、今日の集会では、TMPCWA・エド委員長や受け入れ組合から法的に見た正当性など、見通しと強固な闘う決意が述べられた。特にトヨタ自動車が「現地の問題は現地で解決を図る」という言い逃れに対して、「フィリピン最高裁の決定、ILO勧告を受け入れない現地のフィリピントヨタ社には当事者能力がない。とすれば、親会社であるトヨタ自動車が、当然交渉の相手になる」という確信は、今後の交渉のベースになるだろう。 そして、それを確かな交渉レールに乗せるには、日本における支援・共同闘争が何より不可欠で緊急課題であると、参加者一同が了解したところである。 尚、夕方の街宣は突然の激しい雨のため中止となった。又、自動車産別からは、いすゞ、日産、村上開明堂、三菱、トヨタ及び関連企業からの参加があった。 ◆TMPCWA支援、トヨタ本社行動・第2日−9月20日(月) 本社行動の第2日目は、早朝5時過ぎからの三好、上郷、元町の各工場ビラまきと、本社前での社前集会、そして、トヨタ自動車への申し入れ及び、その報告集会であった。 申し入れにはTMPCWAの2名、支援する会から2名、愛知から1名、通訳1名の6人が参加した。トヨタ側は、総務部・総括室長他、計2名。約45分間のやりとりとなった。 まず支援する会共同代表・山際さんから去る16日にTMPCWAが神奈川地域労組に組織加盟したこと、翌17日に東京本社にてトヨタ自動車に、加盟通告と団体交渉の申し入れを行ったことなどを改めて説明し、誠意ある回答を求めた。 支援する会事務局長小嶋さんからは、現地におけるこの1年間の大きな動きとして、フィリピン最高裁での、TMPCWA側に沿った最終判決が出たこと。同じく、ILO勧告が出されたことと、ジュネーブでは、ILOフィリピン政府代表とも接触した経過を説明した。又、団体交渉申し入れについては、早期解決の唯一の道であると同時に、団交応諾についての回答期限が2週間であることを重ねて強調した。そして、拒否ないしは無回答の場合は、神奈川県地方労働委員会に「不当労働行為」として提訴する考えのあることを補足した。 そして、二人からは、「いづれにしても、フィリピントヨタ社には当事者能力がないことがはっきりしている以上、親会社であるトヨタ自動車が、この問題の解決にあたらねばならない」 と述べ、早期解決を促した。 一方エド委員長は、ILO勧告、最高裁判決あるいは労働雇用省からも、組合認知や、団交に応ずることなどが認められているにもかかわらず、フィリピントヨタ社は、なんら対応しないというこの間の経過から、あえて全造船への組合加入に踏み切った経緯を説明した。そして「我々を無視し続けることで、運動を止めさせることができると考えているかもしれないが、それはNO!だ。我々は闘い続ける、そして勝利する。そうなればトヨタはその名を汚すことになるだろう。我々は、いつでも団交に応じる用意がある」と強調した。 ジュン執行委員は、「この3年余の間に、病気にかかったり、死んだ仲間もいる。トヨタは現地で解決、というけれど、その現地ではフィリピン政府に投資を引き上げるとか、という話もあると聞いている。とにかく、労働者の権利、人権を認めることを求める。そうした現地の状況と我々の要求、さらに迅速な解決を上層部に伝えてくれ!」と述べた。 同席した私からは、19日の報告でも書いたが「世界で多くの生産拠点を持ち、700万台の販売をめざし、1兆円以上の利益を上げる企業となったトヨタ自動車は、もはや愛知の一企業ではない。トヨタの動向がそのまま、世界の規範になりうる、そのことを自覚すべきだ。国内で労働組合と向き合い、海外では認めないということがあってはならない」などを補足した。 一方、トヨタ自動車の加藤室長は、従来の「現地の問題は、現地で解決する」という立場を繰り返すと同時に、ここでの申し入れについては逐一、上に伝えてきたこと、ILOの勧告については何も伝え聞いていないこと、フィリピン最高裁の判決も、まだ係争中であると聞いていること、当社が組合潰しをしていることはあり得ない、どっちの言い分が正しいか、第3者の考えを聞くことも・・・、など、これまでにない「反論」の対応を見せた。 結果的には収穫あるものは引き出せなかったし、団交に応ずる可能性があるなどという印象すら見ることはできなかった。しかし、日本経団連の会長を要し、世界で、国内で、要職ともいうべき所に人材を派遣しているということは、それがトヨタ自動車の力であると同時に、「アキレス腱」にもなり得る。 まだ一条の光さえ見えない段階とはいえ、我々の力をして、この問題の大きな広がりこそが、かたくななトヨタの重い扉を押し開く力となる、そんなことを密かに感じた、今日の申し入れであった。(了) Created byStaff. Created on 2004-09-21 10:50:35 / Last modified on 2006-05-20 05:26:14 Copyright: Default |