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今井明の写真館10〜12を発表
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今井明の写真館

写真館10 ノーモア・アスベスト

 2月15日.眩しい日差しと雲ひとつない青空の広島.マンション10階の窓から見える港の旅客ターミナルと接 岸中のフェリー.その先の瀬戸内海を行き交う船.そのロケーションは,海で働いてきた者の棲家にふさわしいもの だ.1951年に海運会社に入社,ボイラーのある機関室で働いた6年を含めて16年間船で働いていた.  2002年,「坂を登るのに息が切れる」と受診.胸腔鏡検査でアスベストを確認.悪性胸膜中皮腫と診断された .1950年代の日本の船舶は,ほとんどが石炭炊き船でボイラーなどはアスベスト(石綿)を多量に含むセメント で固定していた.補修作業などでアスベストの粉塵が日常的に舞う職場環境だった.  潜伏期間が30〜40年というアスベスト疾患.アスベスト曝露45年後の労災認定請求をおこなった.3月に社 会保険庁が労災認定.初めての船員保険職務上適用のアスベスト疾患認定である.  「みんなのことが心配だから」と,昔の仲間に手紙で自らの病状と労災申請のことを知らせてアスベストの危険性 を病床から訴え続けていた.4月24日午後7時,急逝.享年71歳.ふたりをフイルムに納めてから2ヵ月余りの ことである.声に出して言いたい.「ノーモア・アスベスト」


写真館11 監視と密告で安全な日本がつくれるのか?

 先日,テレビでテロ警戒中のイギリス報告を見た.街を巡回中の警官.その背景に大きな目が特徴のキャンペーン ・ポスターが貼られていた.数日後,東京・江戸川で目を強調した同様の防犯ポスターを発見した.日本語で「しっ かり見ています」と書かれた下に,中国語で「みんながお前を見ている」とある.目を強調したポスターは,時代に よって「スパイ」,「過激派」,「テロリスト」,「外国人」と監視する対象を変えながら使い続けられている.  2月16日,法務省入管局がホームページで「不法滞在外国人の情報提供」を募り始めた.匿名で感覚的に「不審 な外国人」と感じれば通報ができる.名前や国籍,住所,電話番号,職場,人物を特定できる個人情報を入力すれば ,自動的に管轄の地方入管局に送信されるというものだ.  これでは,政府が「外国人を見たら犯罪者と思え」と言っているようなものだ.外国人差別と排斥を奨励する「目 」は市民一人ひとりが監視・密告される社会につながっている.


写真館12 韓国からの団結・平和の歌声

 韓国には「労働歌謡」と言うジャンルがある.それは,人気歌謡の替え歌から始まり,1980年代後半の労働運 動の高揚とともに闘争現場で歌いづつけられた.韓国のハンギョレ新聞は,ある労働者集会の労働歌謡場面を「厳冬 のなか張りつめた緊張でひどく縮んだ労働者らの胸を暖かい息吹で暖める.労働者らは緊張を解き,陽気な律動とと もに歌を歌う」と書いてる.  歌が集会の添え物という扱いではない.歌や踊りが集会や行動の重要な要素になっている.それを支えているのは ,職場,組合ごとにつくられている音楽サークルと労働歌謡のグループと歌手たちだ.  5月1日,日比谷メーデーでパク・ヒャンミ,ソ・ギサン,ユン・ミジンが歌う. 「団結だけが われらの生きる道 人として生きる われらの願い ああ民主労組 わが愛よ 闘いの愛よ・・・( 鉄の労働者)」 パク・ヒャンミが歌唱指導している「コッカルトンム」(東海<トンへ>民芸総の小学生伝統童謡 チーム)は,童謡とともに詩を朗読.「花咲く野原を爆撃しないで」とイラク戦争反対を訴えた.

*写真と文〜今井明


Created byStaff. Created on 2004-06-02 12:43:01 / Last modified on 2005-09-05 02:59:49 Copyright: Default

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