中国大陸　複数の都市で労働者がデモ

「連合新聞」2002年5月3日

香港紙「明報」の報道によると、中国東北地方、西南地方の複数の都市で、 メーデーに労働者のデモが行われた。労働者は「反腐敗！　生活防衛！」という スローガンを叫び、中国政府がレイオフや失業者の生活の厳しさを直視すること を要求した。

報道によると、黒龍江省の大慶油田、遼寧省遼陽市、撫順市、貴州省貴陽市で、 労働者が街頭をデモし、抗議行動を通じて自らに属する祭日を祝った。東北の労 働者は中国の憲法を持ち出して、中国共産党中央が法律に基づいて労働者の権利 を保護することを呼びかけた。

撫順市政府の当直の職員は、労働者が市政府前に集まったことを認めたが、その 人数は明らかにせず、労働者のデモの理由は不明である。報道によると大慶油田 の職員はデモが行われたことを否定した。大慶油田では約2000人の労働者がデモ を行い、中国政府がレイオフ労働者の生活苦を直視することを求めた。

「明報」は、遼陽市でデモに参加した労働者の発言を紹介した。約800人の労働 者が市政府前に集まり、政府に逮捕された労働者リーダの姚福信、蕭雲良、ホウ 慶祥、王兆明を釈放するよう要求した。この事件は4月に発生し、これらの人々 は大規模な労働争議の過程で警察に逮捕された。遼陽市検察院は「非合法の集 会、デモ行進、抗議行動」の容疑で四人の労働者代表を告訴した。

東北と西南地方は中国の重工業基地で、鉄鋼、石油、機械、軍需産業などの重工 業の占める比率が高い。国有企業改革にともない、数十万の労働者がレイオフお よび失業を迫られている。3月1日以来、大慶と遼陽では多くの失業者の抗議活動 が継続しており、その中でも大慶における抗議の労働者は5万人に達した。

情報提供：稲垣豊（APWSL日本委員会）

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