世界社会・経済フォーラム初日の表情

31日に始まった世界経済フォーラムと世界社会フォーラムは、『世界化の伝導師』と『反世界化勢力の対抗フォーラム』という正反対の性格を帯びている。しかし、一層安全で平和な世界を作るための最も至急な課題が金持ち国と貧しい国の格差を縮めることという主張は双方から同時に提起された。

◇世界社会フォーラム

今回のフォーラムでは、9・11米国同時多発テロの後、全世界の市民社会が一堂に会する初めての行事であり、これと関連したさまざまな議論が行われている。フォーラム組織委員会のオーデン・グラジェウは、「9・11テロによって四千人あまりの市民が命を失ったことは残念だが、今も5歳未満の子供が一日に3万人、世界の各地で貧困と疾病により命を失っていることについては、誰も口を開かない」とし、「世界経済フォーラムのためにニューヨークに集まった企業家と政府の官僚が、果してこの問題に対してどんな答を出せるのか」と皮肉った。

補佐官をこのフォーラムに派遣したフランスのリオネル・ジョスパン総理は前日、パリで世界化に対して演説を行ない、アルゼンチン経済危機事態の再発防止などのための国際負債蕩減委員会創設を提案した。彼はまた債務負担の緩和と開発支援のために、270億ドル規模の国際通貨基金特別引出し権を貧しい国々にも付与しようと語った。

開幕一日前の30日の午後、ポルトアレグレは全世界の150余か国から「もうひとつの視点で、もうひとつの世界を夢見るために」集まった5万人余りの参加者で混雑した。現地に到着した市民・社会運動家は、フォーラム参加の登録手続きのために、行事が開かれるポルトアレグレ・カトリック大学のあちこちで長々と列を作って並び、組織委の関係者は終盤の準備作業を終えるために汗を流した。

アドルフォ・ペレス・エスキベル、リゴベルタ・メンチュなどのノーベル平和賞受賞者をはじめ、イマニュエル・ウォーラーステイン、ノーム・チョムスキーなどの国際的な学者、ファン・ソマヴィア国際労働機構事務総長、メアリ・ロビンソン国連人権高等弁務官といった参席者の面々は、開催2年でフォーラムの位置付けが高まったことを実感させた。フォーラムを取材するために全世界から集まった取材陣も2千人余りに達する。フォーラムの組織委は、この日、記者会見を開き、「既に3500人余りの市民・社会団体が登録を終えた」と明らかにした。リオグランデ・ド・スル州のオリビオ・ドゥトラ州知事は、「13年間、正義と平等・人権に基盤した参加民主主義を実験している都市、ポルトアレグレで第三世界の民衆が集まって、もうひとつの世界を夢見ることができるということだけでも象徴的な意味は大きい」と強調した。

◇世界経済フォーラム

インターナショナル・ヘラルドトリビューンはこの日、開発途上国に対する支援の拡大を要求する国際社会と、これを率先して反対する米国との対立が今回の経済フォーラムの中心議題になると報道した。

ジェームズ・ウォルフェンソン世界銀行総裁は、『テロとの戦争』に熱を上げている米国を直接狙い、開発途上国への支援拡大こそ「未来のテロを防ぐ保険」とし「今年の開発途上国援助額を1千億ドルに増やそうという世界銀行の特別提案に反対したことは間違い」と指摘した。彼は「貧困と戦うために、さらに多くの金を使うことは、これらの国が国際テロの土壌に変わるこことを止めるためで、単に良心の問題ではなく、このフォーラムに集まった政治・経済の指導者等の利益にも符合する」と主張した。彼は特に、自分が理想主義者ではなく、30年間、業界で活動し、全世界の114か国を訪れた現実主義者だと前提にしつつ、1千億ドルは米国とヨーロッパの国々が支給する国内農業の補助金の規模にさえ及ばないと強調した。米国と日本などの先進7か国は昨年、ジュネーブの首脳会談で約束した500億ドルの支援約束もまだ守っていない。

経済フォーラムは、今回の会議に『得意客』だったパレスチナ自治政府のヤセル・アラファト首班を招請せず、その背景をめぐって論議がおきている。米国政府の圧力を受けたのではないかという疑惑が起き、フォーラムの主催側はイスラエルのアリエル・シャロン総理が欠席意思を表明し、双方のどちらも参加しないことが望ましいという結論を出したにすぎないと解明した。

ポート・アレグレ/チョンインファン、パクジュンオン記者 inhwan@hani.co.kr

http://www.hani.co.kr/section-005100025/2002/01/005100025200201312246022.html

編集2002.02.01(金)10:41 国際

世界社会フォーラム、ブラジルで開幕

ニューヨークで開かれる政財界指導者等の世界経済フォーラム(WEF)に対抗する世界社会フォーラムが31日、ブラジル南部のポルトアレグレで開幕し、六日間の公式日程に入った。

今年で2回目を迎えるフォーラムに参加する5万人あまりは、公式開幕に先立ち強い雨にもかかわらず、旗を振って反世界化のスローガンを叫び、市街行進を行った。

ブラジル当局は、1千700名以上の警察力を行事場所の周辺に配置して、騒乱と暴力事態に対応したが、脅迫的というよりは祝祭場のような雰囲気の中で開幕行事が進められた。

世界150余か国の非政府機構(NGO)と市民団体、左派社会運動グループなどから派遣された1万3千人余りの代表と一般参加者は、「世界を変えることは可能だ」というスローガンの下に開かれる100余件のセミナーと講演、700 回以上のワークショップなどを通し、先進国と多国籍企業だけに有利な貿易の自由化と外債といった資本主義の弊害について議論し、反世界化運動の組織化方案を模索する予定だ。

ブラジル労働党党首、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバは記者会見で、米国主導の米州自由貿易地帯が「ラテンアメリカの合併政策」だと非難し、「あらゆる参席国の利益が尊重できなければ、ブラジル国民として自由貿易地帯に強力に抵抗する」と話した。

米国の言語学者・社会運動家であるノーム・チョムスキーも、別の記者会見で、米州自由貿易地帯が「権力を一方だけに集中させ、一般市民は疎外させる」と非難して、「世界社会フォーラムが反世界化フォーラムだと表現されないように慎重を期しなければならない」と指摘した。

彼は、ニューヨークで開かれた世界経済フォーラムが企業の利益のための世界化を推進していると指摘し、一般市民の利益のための世界化を主張している世界社会フォーラムこそが本当の世界化の様相を代弁していると明らかにした。

ポルトアレグレには、これまで主要国際会議の時ごとに騒ぎを起こしてきた無政府主義者や急進主義者等のデモの徴候はないものと知らされた。

ブラジル現地のある反世界化急進主義団体は、世界社会フォーラムが「経済的修正主義、政治的伝統主義、社会的順応主義者」だと非難し、「強力な暴力的行動」を行なうと威嚇している。

(ポルト・アレグレ、ブラジルAP。AFP=連合ニュース)

http://www.hani.co.kr/section-007000000/2002/02/007000000200202011041361.html

編集2002.02.01(金)19:03 国際

4万の人波、「国際連帯で未来を開こう」

△ブラジルのポルトアレグレで開かれている世界社会フォーラムに参加した銀行労働者たちが31日、フォーラムの公式発足を知らせる行進に先立ち、米国ドル貨幣のシンボルを燃やして米州自由貿易地帯(FTAA)反対デモを行っている。

「連帯と挑戦で未来を開こう!」世界社会フォーラムが公式に開幕した31日、ブラジルのポルトアレグレ中心街に位置するモンテビデオ広場は、全世界から駆けつけた4万人余りの人波で足の踏み場もない。

リオグランデ・ド・スル州政府が用意した車両から流れ出る反世界化のメッセージは、高性能スピーカーから行進参加者の耳をかすめ、連帯の叫びがこだました。スリランカの社会団体である『モンラ』(農地・農業改革運動本部)のサラスフェルナンド事務総長は、「民衆のために使われたのではなく、腐敗した政府と多国籍資本のために使われた第三世界外債は、償還する理由がない」と叫んだ。

広場を出発した行進の隊列は、色とりどりの旗をはためかせて都心を通り、 3km程離れたフォルドゥソ野外劇場に至る巨大なうねりをなした。参席者は、『世界化反対』『新自由主義的構造調整反対』『帝国主義的戦争反対』などのスローガンを叫んだ。アルゼンチンから来たセゲル・エスキー・シディコ(27) は、「マスコミ学を専攻して修士の学位まで取ったのに、経済危機で就職できない」と語り、「アルゼンチンだけでなく、全世界のあちこちで全く同じことが起きている」と話した。丸三日かけてここに到着したというネパール人のサバ・ラジュ・カドゥカ(43)は「世界化に対抗できるのは、全世界の市民社会が団結した力だけ」だと話した。

米国の批判的知識人、ノーム・チョムスキーは記者会見で、「世界経済フォーラムは、企業の利益のための世界化を願うが、われわれは一般市民の利益のための世界化を願う」とし、「世界社会フォーラムが反世界化フォーラムと表現されないように慎重を期しなければならない」と明らかにした。

ポルトアレグレ/チョンインファン記者

編集2002.02.01(金)20:38 国際

シルバ名誉総裁「富の分配が最大の主題」

「ニューヨーク世界経済フォーラムが重武装した警備兵力のものものしい警戒の中で進められているが、これこそ今の世界化がどれほど民衆の利益に反しているかを象徴的に見せています」ブラジル労働者党のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ(56)名誉総裁は31日の記者会見で、「経済フォーラムは富をどのように蓄積するかを議論するが、世界社会フォーラムは富をどのように分配するかを議論する」とし、「私たちの目的は人類が尊厳を持って暮せる方法を討論すること」だと話した。

来る10月、ブラジル大統領選挙に3回目の出馬が確実視されるルーラは、代表的な左派政治家として最近の世論調査で国民の30%を越える支持を得ている。社会フォーラムが開かれているポルトアレグレは、中南米最大の左派政党である労働者党が執権し、参加民主主義を実験している所だ。

彼は、米国が2005年までにアラスカからアルゼンチンまでを一つに纏めようとする米州自由貿易地帯構想を「米国の南米合併政策」と非難し、「あらゆる参加者の利益が尊重できなければ、ブラジル国民として強力に抵抗する」と話した。彼は米国主導の「テロとの戦争」と関連し、「テロに対する返答が報復戦争であるべきではなく、米国が自分たちの力を信じて政治的に解くべき問題を軍事力に依存するとすれば、よりよい未来は遠ざかる」と指摘した。

彼は「21世紀の政治で最も重要な話題は環境問題」とし、「第一世界による環境汚染に対する責任が問われなければならない」と話した。彼はまた、「保守勢力はブラジルで労働者党が執権すれば『第二のアルゼンチン』になると主張する」と語り、「しかし、アルベルトフジモリ前ペルー政権の没落からも分かるように、新自由主義的な構造調整に基盤した保守政権は、いつか歴史の審判を受けることになる」と主張した。

ポルトアレグレ/文・写真チョンインファン記者 inhwan@hani.co.kr

http://www.hani.co.kr/section-007000000/2002/02/007000000200202012038013.html

編集2002.02.01(金)20:40 国際

世界経済フォーラム「反世界化運動は反企業ではない」

米国ニューヨークのマンハッタンで開かれている世界経済フォーラムは1日、「持続的経済成長の回復方案」など6つの小テーマ別に分散討議を行う等、本格的な日程に入っていった。

◇…世界的な経営コンサルティング業者のプライスウォーター・ハウス・クーパーズはこの日、経済フォーラムに提出した世界最高経営者対象アンケート調査報告書で、45%の最高経営者が反世界化運動は企業活動に影響をおよぼさないと答えたと明らかにした。企業活動を萎縮させると答えた人は33%にとどまった。

この会社は、最高経営者たちが反世界化運動を反企業的な活動とだけ感じているのではなく、環境と労働条件などに対する社会的責任を痛感させ、この部門に対する透明性を高める効果があるという認識が大きくなっていると分析した。海外投資の阻害要因としては、投資対象国の、△法令体系の不備、△一貫性のない経済政策、△陰性的な事業慣行が主に選ばれた。調査は、33か国、1161名の最高経営者を対象として、昨年10月から4か月間実施された。

◇…米国の主な経済指標に「青信号」が灯り、景気回復に対する期待が高まっている中で、フォーラムに参加した専門家は米国と世界経済の展望を巡り見解が交錯した。

米国の民間経済調査機関であるコンファレンスボードのゲイル・フォルラー分析家は、「米国経済の沈滞は既に終わった」として景気循環曲線で転換点を判断するために最もよく使われる景気動向指数が上昇の勢いに転じたことを根拠に提示した。しかし、モーガンスタンリーのスチーブン・ローチ首席研究員は「まだ第二次下降の危険が非常に大きく、回復してもかなり荒れながら少しずつなされる」だろうと話した。ドイツ経済研究所所のクラウス・ジマーマン所長は、「ヨーロッパは回復が米国より遅いかも知れないが、回復後は大きく弾みがつく」と見通した。

ハムソクジン記者 sjham@hani.co.kr

http://www.hani.co.kr/section-007000000/2002/02/007000000200202012040014.html

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Tweet 世界社会・経済フォーラム初日の表情世界社会フォーラム、ブラジルで開幕 4万の人波、「国際連帯で未来を開こう」シルバ名誉総裁「富の分配が最大の主題」世界経済フォーラム「反世界化運動は反企業ではない」編集2002.01.31(木)22:46 社会>トゥデイフォーカス世界社会・経済フォーラム初日の表情 31日に始まった世界経済フォーラムと世界社会フォーラムは、『世界化の伝導師』と『反世界化勢力の対抗フォーラム』という正反対の性格を帯びている。しかし、一層安全で平和な世界を作るための最も至急な課題が金持ち国と貧しい国の格差を縮めることという主張は双方から同時に提起された。 ◇世界社会フォーラム今回のフォーラムでは、9・11米国同時多発テロの後、全世界の市民社会が一堂に会する初めての行事であり、これと関連したさまざまな議論が行われている。フォーラム組織委員会のオーデン・グラジェウは、「9・11テロによって四千人あまりの市民が命を失ったことは残念だが、今も5歳未満の子供が一日に3万人、世界の各地で貧困と疾病により命を失っていることについては、誰も口を開かない」とし、「世界経済フォーラムのためにニューヨークに集まった企業家と政府の官僚が、果してこの問題に対してどんな答を出せるのか」と皮肉った。補佐官をこのフォーラムに派遣したフランスのリオネル・ジョスパン総理は前日、パリで世界化に対して演説を行ない、アルゼンチン経済危機事態の再発防止などのための国際負債蕩減委員会創設を提案した。彼はまた債務負担の緩和と開発支援のために、270億ドル規模の国際通貨基金特別引出し権を貧しい国々にも付与しようと語った。開幕一日前の30日の午後、ポルトアレグレは全世界の150余か国から「もうひとつの視点で、もうひとつの世界を夢見るために」集まった5万人余りの参加者で混雑した。現地に到着した市民・社会運動家は、フォーラム参加の登録手続きのために、行事が開かれるポルトアレグレ・カトリック大学のあちこちで長々と列を作って並び、組織委の関係者は終盤の準備作業を終えるために汗を流した。アドルフォ・ペレス・エスキベル、リゴベルタ・メンチュなどのノーベル平和賞受賞者をはじめ、イマニュエル・ウォーラーステイン、ノーム・チョムスキーなどの国際的な学者、ファン・ソマヴィア国際労働機構事務総長、メアリ・ロビンソン国連人権高等弁務官といった参席者の面々は、開催2年でフォーラムの位置付けが高まったことを実感させた。フォーラムを取材するために全世界から集まった取材陣も2千人余りに達する。フォーラムの組織委は、この日、記者会見を開き、「既に3500人余りの市民・社会団体が登録を終えた」と明らかにした。リオグランデ・ド・スル州のオリビオ・ドゥトラ州知事は、「13年間、正義と平等・人権に基盤した参加民主主義を実験している都市、ポルトアレグレで第三世界の民衆が集まって、もうひとつの世界を夢見ることができるということだけでも象徴的な意味は大きい」と強調した。 ◇世界経済フォーラムインターナショナル・ヘラルドトリビューンはこの日、開発途上国に対する支援の拡大を要求する国際社会と、これを率先して反対する米国との対立が今回の経済フォーラムの中心議題になると報道した。ジェームズ・ウォルフェンソン世界銀行総裁は、『テロとの戦争』に熱を上げている米国を直接狙い、開発途上国への支援拡大こそ「未来のテロを防ぐ保険」とし「今年の開発途上国援助額を1千億ドルに増やそうという世界銀行の特別提案に反対したことは間違い」と指摘した。彼は「貧困と戦うために、さらに多くの金を使うことは、これらの国が国際テロの土壌に変わるこことを止めるためで、単に良心の問題ではなく、このフォーラムに集まった政治・経済の指導者等の利益にも符合する」と主張した。彼は特に、自分が理想主義者ではなく、30年間、業界で活動し、全世界の114か国を訪れた現実主義者だと前提にしつつ、1千億ドルは米国とヨーロッパの国々が支給する国内農業の補助金の規模にさえ及ばないと強調した。米国と日本などの先進7か国は昨年、ジュネーブの首脳会談で約束した500億ドルの支援約束もまだ守っていない。経済フォーラムは、今回の会議に『得意客』だったパレスチナ自治政府のヤセル・アラファト首班を招請せず、その背景をめぐって論議がおきている。米国政府の圧力を受けたのではないかという疑惑が起き、フォーラムの主催側はイスラエルのアリエル・シャロン総理が欠席意思を表明し、双方のどちらも参加しないことが望ましいという結論を出したにすぎないと解明した。ポート・アレグレ/チョンインファン、パクジュンオン記者 inhwan@hani.co.kr http://www.hani.co.kr/section-005100025/2002/01/005100025200201312246022.html 編集2002.02.01(金)10:41 国際世界社会フォーラム、ブラジルで開幕ニューヨークで開かれる政財界指導者等の世界経済フォーラム(WEF)に対抗する世界社会フォーラムが31日、ブラジル南部のポルトアレグレで開幕し、六日間の公式日程に入った。今年で2回目を迎えるフォーラムに参加する5万人あまりは、公式開幕に先立ち強い雨にもかかわらず、旗を振って反世界化のスローガンを叫び、市街行進を行った。ブラジル当局は、1千700名以上の警察力を行事場所の周辺に配置して、騒乱と暴力事態に対応したが、脅迫的というよりは祝祭場のような雰囲気の中で開幕行事が進められた。世界150余か国の非政府機構(NGO)と市民団体、左派社会運動グループなどから派遣された1万3千人余りの代表と一般参加者は、「世界を変えることは可能だ」というスローガンの下に開かれる100余件のセミナーと講演、700 回以上のワークショップなどを通し、先進国と多国籍企業だけに有利な貿易の自由化と外債といった資本主義の弊害について議論し、反世界化運動の組織化方案を模索する予定だ。ブラジル労働党党首、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバは記者会見で、米国主導の米州自由貿易地帯が「ラテンアメリカの合併政策」だと非難し、「あらゆる参席国の利益が尊重できなければ、ブラジル国民として自由貿易地帯に強力に抵抗する」と話した。米国の言語学者・社会運動家であるノーム・チョムスキーも、別の記者会見で、米州自由貿易地帯が「権力を一方だけに集中させ、一般市民は疎外させる」と非難して、「世界社会フォーラムが反世界化フォーラムだと表現されないように慎重を期しなければならない」と指摘した。彼は、ニューヨークで開かれた世界経済フォーラムが企業の利益のための世界化を推進していると指摘し、一般市民の利益のための世界化を主張している世界社会フォーラムこそが本当の世界化の様相を代弁していると明らかにした。ポルトアレグレには、これまで主要国際会議の時ごとに騒ぎを起こしてきた無政府主義者や急進主義者等のデモの徴候はないものと知らされた。ブラジル現地のある反世界化急進主義団体は、世界社会フォーラムが「経済的修正主義、政治的伝統主義、社会的順応主義者」だと非難し、「強力な暴力的行動」を行なうと威嚇している。 (ポルト・アレグレ、ブラジルAP。AFP=連合ニュース) http://www.hani.co.kr/section-007000000/2002/02/007000000200202011041361.html 編集2002.02.01(金)19:03 国際 4万の人波、「国際連帯で未来を開こう」 △ブラジルのポルトアレグレで開かれている世界社会フォーラムに参加した銀行労働者たちが31日、フォーラムの公式発足を知らせる行進に先立ち、米国ドル貨幣のシンボルを燃やして米州自由貿易地帯(FTAA)反対デモを行っている。「連帯と挑戦で未来を開こう!」世界社会フォーラムが公式に開幕した31日、ブラジルのポルトアレグレ中心街に位置するモンテビデオ広場は、全世界から駆けつけた4万人余りの人波で足の踏み場もない。リオグランデ・ド・スル州政府が用意した車両から流れ出る反世界化のメッセージは、高性能スピーカーから行進参加者の耳をかすめ、連帯の叫びがこだました。スリランカの社会団体である『モンラ』(農地・農業改革運動本部)のサラスフェルナンド事務総長は、「民衆のために使われたのではなく、腐敗した政府と多国籍資本のために使われた第三世界外債は、償還する理由がない」と叫んだ。広場を出発した行進の隊列は、色とりどりの旗をはためかせて都心を通り、 3km程離れたフォルドゥソ野外劇場に至る巨大なうねりをなした。参席者は、『世界化反対』『新自由主義的構造調整反対』『帝国主義的戦争反対』などのスローガンを叫んだ。アルゼンチンから来たセゲル・エスキー・シディコ(27) は、「マスコミ学を専攻して修士の学位まで取ったのに、経済危機で就職できない」と語り、「アルゼンチンだけでなく、全世界のあちこちで全く同じことが起きている」と話した。丸三日かけてここに到着したというネパール人のサバ・ラジュ・カドゥカ(43)は「世界化に対抗できるのは、全世界の市民社会が団結した力だけ」だと話した。米国の批判的知識人、ノーム・チョムスキーは記者会見で、「世界経済フォーラムは、企業の利益のための世界化を願うが、われわれは一般市民の利益のための世界化を願う」とし、「世界社会フォーラムが反世界化フォーラムと表現されないように慎重を期しなければならない」と明らかにした。ポルトアレグレ/チョンインファン記者編集2002.02.01(金)20:38 国際シルバ名誉総裁「富の分配が最大の主題」「ニューヨーク世界経済フォーラムが重武装した警備兵力のものものしい警戒の中で進められているが、これこそ今の世界化がどれほど民衆の利益に反しているかを象徴的に見せています」ブラジル労働者党のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ(56)名誉総裁は31日の記者会見で、「経済フォーラムは富をどのように蓄積するかを議論するが、世界社会フォーラムは富をどのように分配するかを議論する」とし、「私たちの目的は人類が尊厳を持って暮せる方法を討論すること」だと話した。来る10月、ブラジル大統領選挙に3回目の出馬が確実視されるルーラは、代表的な左派政治家として最近の世論調査で国民の30%を越える支持を得ている。社会フォーラムが開かれているポルトアレグレは、中南米最大の左派政党である労働者党が執権し、参加民主主義を実験している所だ。彼は、米国が2005年までにアラスカからアルゼンチンまでを一つに纏めようとする米州自由貿易地帯構想を「米国の南米合併政策」と非難し、「あらゆる参加者の利益が尊重できなければ、ブラジル国民として強力に抵抗する」と話した。彼は米国主導の「テロとの戦争」と関連し、「テロに対する返答が報復戦争であるべきではなく、米国が自分たちの力を信じて政治的に解くべき問題を軍事力に依存するとすれば、よりよい未来は遠ざかる」と指摘した。彼は「21世紀の政治で最も重要な話題は環境問題」とし、「第一世界による環境汚染に対する責任が問われなければならない」と話した。彼はまた、「保守勢力はブラジルで労働者党が執権すれば『第二のアルゼンチン』になると主張する」と語り、「しかし、アルベルトフジモリ前ペルー政権の没落からも分かるように、新自由主義的な構造調整に基盤した保守政権は、いつか歴史の審判を受けることになる」と主張した。ポルトアレグレ/文・写真チョンインファン記者 inhwan@hani.co.kr http://www.hani.co.kr/section-007000000/2002/02/007000000200202012038013.html 編集2002.02.01(金)20:40 国際世界経済フォーラム「反世界化運動は反企業ではない」米国ニューヨークのマンハッタンで開かれている世界経済フォーラムは1日、「持続的経済成長の回復方案」など6つの小テーマ別に分散討議を行う等、本格的な日程に入っていった。 ◇…世界的な経営コンサルティング業者のプライスウォーター・ハウス・クーパーズはこの日、経済フォーラムに提出した世界最高経営者対象アンケート調査報告書で、45%の最高経営者が反世界化運動は企業活動に影響をおよぼさないと答えたと明らかにした。企業活動を萎縮させると答えた人は33%にとどまった。この会社は、最高経営者たちが反世界化運動を反企業的な活動とだけ感じているのではなく、環境と労働条件などに対する社会的責任を痛感させ、この部門に対する透明性を高める効果があるという認識が大きくなっていると分析した。海外投資の阻害要因としては、投資対象国の、△法令体系の不備、△一貫性のない経済政策、△陰性的な事業慣行が主に選ばれた。調査は、33か国、1161名の最高経営者を対象として、昨年10月から4か月間実施された。 ◇…米国の主な経済指標に「青信号」が灯り、景気回復に対する期待が高まっている中で、フォーラムに参加した専門家は米国と世界経済の展望を巡り見解が交錯した。米国の民間経済調査機関であるコンファレンスボードのゲイル・フォルラー分析家は、「米国経済の沈滞は既に終わった」として景気循環曲線で転換点を判断するために最もよく使われる景気動向指数が上昇の勢いに転じたことを根拠に提示した。しかし、モーガンスタンリーのスチーブン・ローチ首席研究員は「まだ第二次下降の危険が非常に大きく、回復してもかなり荒れながら少しずつなされる」だろうと話した。ドイツ経済研究所所のクラウス・ジマーマン所長は、「ヨーロッパは回復が米国より遅いかも知れないが、回復後は大きく弾みがつく」と見通した。ハムソクジン記者 sjham@hani.co.kr http://www.hani.co.kr/section-007000000/2002/02/007000000200202012040014.html Created byStaff. 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