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リストラとたたかう世界の労働者
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以下は「労働情報」新年号掲載予定のレポートの一部です。(翻訳・喜多幡)

韓国
自動車産業のストライキ

韓国の自動車産業は今年、かつてないブームを経験したが、ストライキと生産停止 が、この産業を脅かしている。 現代自動車労組が11月29日にストライキを行い、大宇自動車では12月11日 に納入業者が未払い金の支払いを要求して部品の供給を停止したため完全に操業停止 となった。大宇自動車販売の労働組合は同12日、人員削減計画に反対して同社の富 平事務所の外で抗議行動を行った。 現代労組はこの9日間、毎日4-8時間の時限ストを続けてきたが、12日に予定さ れている集会の後、闘争を強化する。 現代自動車の幹部によると「1時間のストライキで360台の生産が止まる。これ は45億ウォン(約4億5千万円)の損失である。現代は賃金問題を解決し、団体交 渉を完了するための努力を続けている」。 大宇自動車の納入業者は、大宇の債権者またはGMが未払い金残高8500億ウォ ンの6割を支払うことを求めて、部品の供給を停止した。 大宇自動車の幹部によると、「大宇自動車は1週間分の自動車の在庫があり、今の ところは販売の問題は起こっていない」。 (「中央日報」記事、KOILAFのウェブページより)

大宇自動車販売の組合員は、人員削減計画に反対する一斉ストライキを計画してい る。同社の経営側は11月末に、GMによる買収をスムーズに進めるために、400 0人の労働者のうち約1000人を削減すると発表した。これは「自主退職プログラ ム」の形を取る。経営側によると、これによって同社の人件費を年間約230億ウォ ン(23億円)削減できる。 大宇自動車のGMによる買収は、最終段階で、販売子会社におけるストライキと、 部品供給元との債務をめぐる紛争の拡大というハードルに直面している。 (「コリア・ヘラルド」記事、KOILAFのウェブページより)

英国
郵便労働者が3万人首切りに反対してストライキへ

コンシグニア(郵便事業、政府が出資する株式会社)は12月11日、15%の人 員削減計画(今後18カ月の間に実施)の概要を政府に提示した。しかし、ストライ キの脅威が高まる中で、経営者は動揺しはじめており、計画はまだ確定されたもので はないと弁明している。 組合のリーダーたちは、強制的な解雇の恐れが取り除かれない限り、ストライキ投 票を行うと述べている。 発表された人員削減が大規模であるため、労働組合や、サービスの低下を危惧する 国民の間で反発が広がっている。 コンシグニアのジョン・ロバーツ社長は、人員削減の大部分は自主退職を通じて行 うと述べている。同社では労働者の入れ替わりが激しく、毎年2万人が退職している が、退職者が多い地区と会社側が計画している人員削減計画とは必ずしも一致してい ない。同社長は、早期退職者に有利な年金制度の導入も示唆している。

郵便局の労働者の90%余を代表している通信労働組合(CWU)のジョン・ケ ギー書記次長は、この人員削減を「全く不当なもの」だと非難した。MSFのリー ダーのロジャー・リオンズ氏も「3万人の人員削減はひどい。コンシグニアの経営者 に、交渉の席へ戻るよう呼びかけたい。クリスマスを、残酷な人員削減の心配なしに 過ごそう」と述べた。

コンシグニアはこの1年間に20万人の労働者のうち約1万人を削減した。コンシ グニアは、この2年間赤字が続いている。これは経済の停滞と、相次ぐ鉄道事故に伴 うコスト高と配達の遅れが原因である。郵便取扱量の増加の見通しは、電子メールの 普及と、ダイレクトメールの減少に直撃されている。 (「BBCニュース」12月12日付より)

フランス
銀行労働者が1月2日にストを計画--ユーロの導入を直撃

銀行労働組合は、ユーロの導入の翌日である1月2日にストライキを計画してい る。1月1日が銀行休業日であるため、このストライキによって新紙幣とコインの流 通に大きな支障が起きる可能性がある。 銀行労働組合のストライキは賃金と労働条件に関するものであり、組合はフランス 銀行協会(AFB)加盟の銀行、つまりすべての民間銀行の労働者を代表している。 11月28日に経営側との交渉が予定されており、その場で労使の合意に達しない 限り、組合は正式にストライキを呼びかける。 これとは別に、フランスにおける唯一のユーロ紙幣とコインの印刷・鋳造工場でも 労働条件をめぐって11月15日からストライキが行われている。同26日には、 ユーロの搬出を妨害するピケを阻止するために警官隊が派遣された。 (「CNNワールド」11月28日付より)


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