インドネシアのトヨタ子会社で暴徒がストを襲撃、1人死亡、重傷多数 | |||||||
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インドネシアのトヨタ子会社で暴徒がストを襲撃、1人死亡、重傷多数 *APWSLインドネシア委員会のアブドラーマンさんからの メッセージ(2001/4/4)* 友人たち 3月28日の真夜中に、PTカデラAR社(日本のアラコ社が90%を保有し、インドネシア資本が10%を保有する企業で、トヨタ向けにシート、シートベルトを生産している)で平和的なストライキを行っていた労働者を500人のグループが襲撃し、その中で爆弾によって1人が死亡し、9人が重傷、20人が負傷しました。彼らは刀や爆弾を手に、就寝中の労働者を襲ったのです。 労働者たちは3月19日から現在までストライキを行っています。要求は賃上げと、一方的解雇反対、解雇された2人の労働者の復職などです。 会社側は要求をまじめに検討しようとせず、ストライキを妨害するためにバンテン、ボゴール、タンジュンプリオクから人を雇っています。 労働者の要求を支援するために、連帯のメッセージを送ってください。会社による殺人と、それを黙認していた警察に抗議してください。 激励先 抗議先
「インドネシア・ポスト」紙より(要約) ★「スト中の労働者への奇襲、1人が死亡」(3月30日付) 29日未明、プロガドゥン工業団地にある自動車用座席のメーカーPTカデラARインドネシア社でストライキ中の労働者が襲撃され、1人が死亡し、11人が負傷した。 ストライキが始まった3月19日以降工場内に宿泊していた労働者たちが就寝していたときに、ナイフ、刀、手製爆弾で武装した約500人の正体不明の者たちがバスで乗り付け、襲撃を開始した。 東ジャワ警察のAdj. Comr. Agus Irianto捜査部長によると、死亡した労働者はキムン・エフェンディさん(21歳)である。死因は投擲された手製爆弾による負傷である。 ストライキ中の労働者によると、この工場では約600人の労働者が、100%賃上げを要求してストライキに入っており、生産は完全にストップしている。襲撃のとき、工場には400人が眠っていた。午前2時ごろに、正体不明のものがバス10台で突然現れた。彼らは労働者に対して工場から出て行け、ストライキをやめろと叫んでいた。労働者たちは放水で抵抗したが、彼らは撤退する前に爆弾を投げつけた。 東ジャワ警察のAdj. Comr. Agus 捜査部長は、事件に関連して会社役員の1人から事情聴取するだろうと語った。彼は、当時現場に数人の警察官がいたが、数が足りなかったことを認めた。 ★「警察がカデラ社の役員から事情聴取」(3月31日付) 東ジャワ警察は30日、襲撃事件に関連してカデラ社の2人の役員から事情聴取した。この2人は、ルリチ・スジャティム副社長と、アミン・ゴベル副ゼネラル・マネージャーである。彼らは事件との関連を否認しており、警察は捜査を継続する。 ストライキ中の労働者によると、襲撃が行われたのは経営側との数回にわたる交渉がデッドロックに入った後だった。最後の交渉は28日に行われ、ヤスオニイ社長も出席したが成果はなかった。労働者はルリチ副社長の解任を要求した。同日に市の労働省職員が労働者のところへ来て、ストライキをやめるよう要請した。彼は経営側はこれ以上交渉に応じないだろうと言っていた。 28日の午後2時から29日の朝まで、会社の本社の近くに約30人の軍人を乗せた軍のトラックが停車していたという証言もある。 30日、カデラ社の本社と本社工場(プロガドゥン工業団地にある)は、役員や経営陣が同社のシビトゥング工場へ逃げたために、活動が停止した。 また、ある労働者によると、同社はストライキ中に、同様の製品を製造している他の会社から約100人の労働者を雇った。 臨時採用の労働者は時給15000ルピー(100ルピー=約1円)を支払われている。ストライキが始まって以降は会社の生産活動は輸出向けが優先されている。 多くの労働組合やNGOが襲撃を非難する共同声明を発表した。ジャカルタ法的支援委員会の労働部会代表のリタ・オリビアさんは30日の記者会見で「私たちは従業員であるキムン・エフェンディさんの死と、数十人の負傷を引き起こした者が誰であろうと、厳しい法的な措置を取ることを要求する」と述べた。共同声明はまた、「警察は襲撃を防止できたはず」であると警察の責任も追及している。 共同声明に署名している主な団体は以下の通りである。 大ジャカルタ労働組合(SBJ) 東ジャカルタ市長は「労働者は外部の者によって襲撃されたが、会社が襲撃を計画した可能性はない。襲撃は、会社が関わっていると人々に思わせることを意図していたかも知れない。われわれは警察の調べを待つべきだ。会社への営業許可の取り消しを含む制裁は、警察の調査結果に依存する」と語った。 ★「カデラ社の労働者、スト継続を宣言」(4月1日付) カデラ社の労働者は、経営側が要求に応じるまでストを継続すると語った。 同社の労働者のマリジョさん(38歳)は、「私はこの会社で9年間働いてきたが、月37万4千ルピーと1日4000ルピーの交通費しかもらっていない」と語っている。 同社の労働者のジョコさんは「今は仕事を探すのは難しいが、経営者が要求を無視しつづけるなら、やめた方がましだ。われわれは100%賃上げの要求を75%に引き下げた」と語っている。 ストライキ中の労働者たちは、4つの要求を掲げている。 1) 100%の賃上げ(現在では75%) 2) 2人の労働者の停職の撤回 3) 18カ月以上勤続している労働者に正規従業員の資格を認めること 4) ルリチ副社長の解任 重傷の3人のうち1人は快方に向かっているが、1人は依然として意識不明である。意識不明の労働者の父親が病院に駆けつけ、息子の状態にショックを受けた。 インドネシア福祉労働組合(SBSI)のムクタール・パクパハン氏は、経営者と治安部隊と官僚と暴力集団の結託は、ストライキの鎮圧の常套手段となっていると述べ、警察にカデラ社の役員の取り調べを要求し、それを怠ればマルシナさん[注:スラバヤの工場に勤務していたマルシナさんは、1993年5月に賃上げ要求のストライキに参加したのち行方不明となり、数日後遺体で発見された]のような事件が起きる危険があると警告した。彼は政府が今年国会で承認された(労働者の権利拡大に関する)法律21号をより強力に実施するよう要求した。 ジャカルタ法的支援委員会のレポートによると、大部分の労働争議は、経営者が官僚と治安部隊に支援されているために、デッドロックに陥っている。 (つづく) ★「殺人・襲撃事件に関連し、カデラ社の役員から聴取」(4月3日付) ★「警察、カデラ社役員と襲撃者のつながりを追求」(4月4日付) ★全インドネシア労働組合連合(FSPSI)が真相徹底究明を求めて国会前でデモ(4月7日付) ★「警察が軍人の襲撃事件への関与を調査」(4月7日付) Created byStaff. Created on 2001-04-09 14:05:28 / Last modified on 2005-09-05 02:58:06 Copyright: Default |