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国立映画アーカイブ特集上映「アンジェイ・ワイダ」開催中(12/10〜12/26 東京・京橋)
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2024/12/24 国立映画アーカイブ特集上映「アンジェイ・ワイダ」開催中(12/10〜12/26 東京・京橋)

案内→https://x.gd/rxyd8
チラシ→https://x.gd/yTh0s

 「ポーランド派」の若き筆頭監督として『地下水道』(1957)や『灰とダイヤモンド』(1958)で世界の映画界に新風を巻き起こし、後には『大理石の男』(1977)や『鉄の男』(1981)を発表して当時の社会主義体制にも抗いながら、ポーランドがたどった苛酷な歴史の雄弁な語り手として、またポーランド文学の名作をたびたび翻案して壮大な物語世界を築き上げてきた巨匠アンジェイ・ワイダ(1926-2016)。
 本特集は、2019年に日本美術技術博物館Mangghaのコレクションを中心とする貴重な資料群をもとにクラクフ国立美術館で開催されたワイダ展の初の外国巡回が実現するのを機に、長篇デビュー作の『世代』(1954)から、ワイダが築いた日本との深い関係を示す後期作品『ナスターシャ』(1994)までの14作品(14プログラム)を厳選して上映します。
 また、本特集と連動した展覧会のキュレーターをつとめたポーランドの映画史家ラファウ・シスカ氏(ヤギェロン大学視聴覚芸術研究所准教授)による講演会を開催します。
 ワイダの新たな作家像の発見に立ち会うとともに、その作品世界の豊穣さをご堪能ください。
 皆様のご来場を心よりお待ちしております。

国立映画アーカイブ特集上映 映画監督 アンジェイ・ワイダ
会期:2024年12月10日(火)〜12月26日(木)※会期中の休館日:月曜日
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)
 〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6
 東京メトロ「京橋駅」出口1徒歩1分
 都営地下鉄「宝町駅」出口A4徒歩1分
 東京メトロ「銀座一丁目駅」出口7徒歩5分
 アクセス→https://x.gd/hJJ5k
 地図→https://x.gd/ZVKQE
定員:310名(各回入替制・全席指定席)
※各回の開映後の入場はできません。
主催:
 国立映画アーカイブ
 アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート
協力:
 日本美術技術博物館Manggha
 マーメイドフィルム
 ポーランド広報文化センター

チケット購入方法
チケットのオンライン発売は各上映日の3日前正午からとなります。
チケット購入→https://x.gd/zNQNu

上映作品:
世代       88分・1954
地下水道     98分・1957
灰とダイヤモンド 105分・1958
ロトナ      88分・1959
夜の終りに    88分・1960
サムソン     118分・1961
すべて売り物   100分・1968
白樺の林     95分・1970
大理石の男    161分・1977
ヴィルコの娘たち 116分・1979
ザ・コンダクター 102分・1980
鉄の男      154分・1981
コルチャック先生 118分・1990
ナスターシャ   99分・1994

■すべて日本語字幕が付いています。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。

上映スケジュール
12/10(火)
15:00 世代 88分
19:00 夜の終りに 88分

12/11(水)
14:00 灰とダイヤモンド 105分
★上映後講演
 12月11日(水) 14:00『灰とダイヤモンド』上映後(約60分、逐次通訳付き)
 ゲスト:ラファウ・シスカ氏(ヤギェロン大学視聴覚芸術研究所准教授)
*トークイベントのみの参加はできません。
19:00 地下水道 98分

12/12(木)
15:00 すべて売り物 100分
19:00 ザ・コンダクター 102分

12/13(金)
14:00 大理石の男 161分
18:20 鉄の男 154分

12/14(土)
16:00 ロトナ 88分
19:00 サムソン 118分

12/15(日)
13:00 白樺の林 95分
16:00 ヴィルコの娘たち 116分

12/16(月)休館日

12/17(火)
15:00 コルチャック先生 118分
19:00 ナスターシャ 99分

12/18(水)
15:00 ロトナ 88分
19:00 すべて売り物 100分

12/19(木)
15:00 ヴィルコの娘たち 116分
19:00 白樺の林 95分

12/20(金)
14:00 夜の終りに 88分
18:10 大理石の男 161分

12/21(土)
16:00 ナスターシャ 99分
19:00 サムソン 118分

12/22(日)
12:10 鉄の男 154分
16:00 ザ・コンダクター 102分

12/23(月)休館日

12/24(火)
15:00 世代 88分
19:00 ヴィルコの娘たち 116分

12/25(水)
15:00 地下水道 98分
19:00 コルチャック先生 118分

12/26(木)
15:00 灰とダイヤモンド 105分
19:00 ロトナ 88分

上映作品紹介
世代
88分 DCP・白黒 1954
 第二次世界大戦時、ナチスドイツ支配下のワルシャワ。
 貧民窟に育ったスタフ(ウォムニツキ)はドイツ軍から石炭を盗み生計を立てていたが、母親の願いもあり、工場で真面目に働き始める。
 だが反ナチの抵抗運動に身を捧げる女性ドロタ(モドジンスカ)を愛したことが彼の人生を転換させていく。
 ワイダの記念すべき長篇デビュー作であり、『地下水道』『灰とダイヤモンド』へと続く「抵抗三部作」の第1作。
 デジタルリマスター版を上映。

夜の終りに
88分 DCP・白黒 1960
 『灰とダイヤモンド』の原作者アンジェイェフスキと60年代以降のポーランド映画新世代を代表するイェジ・スコリモフスキの共同脚本を得て撮られた意欲作。
 ワルシャワの街で出会った若い医師(ウォムニツキ)と娘(スティプウコフスカ)の恋の駆け引きに焦点を絞った脱政治劇的な一作だが、「雪どけ」後のワルシャワの都市風景とそこに生きる若者たちを捉えた視点には、依然として鋭利な同時代批評が息づいている。
 デジタルリマスター版を上映。

灰とダイヤモンド
105分 DCP・白黒 1958
 大戦が終結し、ナチスドイツからソ連の支配へと移行したポーランド。
 ロンドン亡命政府派の青年マチェク(ツィブルスキ)は労働党の要人暗殺の指令を受けるが、誤って別人を射殺してしまう。
 反政府運動に参加した作家イェジ・アンジェイェフスキの小説の映画化で、詩的な暗喩表現や主人公のキャラクターなど、フランスのヌーヴェル・ヴァーグやニューハリウッドの作品群にも多大な影響を与えた。
 ヴェネチア国際映画祭批評家連盟賞受賞。
 デジタルリマスター版を上映。

地下水道
98分 DCP・白黒 1957
 大戦末期のワルシャワ蜂起を題材に、ナチスの包囲網を逃れるべく地下水道に追い込まれていくポーランド国内軍の兵士たちの姿を描く。
 原作・脚本のスタヴィンスキをはじめ実際に蜂起に参加した人間がスタッフ、キャストとして携わり、ポーリッシュ・リアリズムの先駆的傑作と評されるが、単なる事実の再現にとどまらないワイダ特有の美意識がすでに窺える。
 カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。
 デジタルリマスター版を上映。

すべて売り物
100分 DCP・カラー 1968
 監督のアンジェイ(ワピツキ)をはじめとする映画スタッフたちは撮影のために主演俳優を待っていたが、彼は一向に現れず、仕方なくアンジェイが代役を務めることになる。
 その後、主演俳優はまるで映画の内容をなぞるように事故死したことが判明する。
 虚構と現実を攪拌させながら、映画製作の裏側を描いた本作は、ワイダ作品で重要な役割を果たした名優ズビグニェフ・ツィブルスキの死の2年後に公開された。
 ワイダ自身、最もパーソナルな作品のひとつと語っている。
 デジタルリマスター版を上映。

ザ・コンダクター
102分 35mm・カラー 1980
 著名な指揮者ジョン・ラソツキ(ギールグッド)は、かつて愛した女性の娘で故郷の交響楽団に所属するヴァイオリニストのマルタ(ヤンダ)に出会い、楽団の客演指揮者を務めることになるが、それがマルタと夫アダム(セヴェリン)の関係に変化をもたらしていく。
 男女の愛憎劇を描きながら、芸術文化に対する当局の姿勢を暗喩的に批判した作品。
 ポーランドの家系をもつ英国の名優ジョン・ギールグッドを主演に迎え、ベルリン国際映画祭ではアンジェイ・セヴェリンが銀熊賞を受賞した。

大理石の男
161分 DCP・カラー 1977
 スターリニズムが隆盛をきわめた1950年代に労働英雄として大理石像にもなった男の実像を、彼に興味を抱いた映画学校の女子学生(ヤンダ)の目を通して解き明かしていく。
 ポーランド現代史の洗い直しとともに、国家と個人の関係を鋭く問うたワイダ渾身の力作。
 ポーランド国内で大ヒットを記録しながら当局によって2年間の海外上映禁止処分の憂き目に遭い、一方でカンヌ国際映画祭では国際映画批評家連盟賞を受賞した。
 デジタルリマスター版を上映。

鉄の男
154分 DCP・カラー 1981
 グダニスク造船所のストライキを題材に、当局の意を受け労働者たちに接触する記者の取材を通して連帯運動の経過を描く。
 『大理石の男』の後日譚として前作の二人を再び主人公に据えた(ラジヴィウォヴィッチは父と息子の二役を演じる)大作で、当時高揚期にあった連帯運動の関係者を出演させるなど、抵抗の歴史と同時代の運動に対するワイダの強い共鳴の意志が見て取れる。
 カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
 デジタルリマスター版を上映。

ロトナ
88分 35mm・カラー 1959
 ドイツ軍によるポーランド侵攻が始まるなか、貴族に飼われていた一頭の牝馬が、その美しい姿に魅了されたポーランド騎兵隊に波乱を呼び起こしていく。
 ワイダ初のカラー映画であり、ポーランド騎兵隊の将校を父にもつ彼の思いが色濃く表れた作品。
 演出面ではあえて史実と異なる描写を入れるなど、シンボリスティックな世界観の深化が見て取れる。

サムソン
118分 DCP・白黒 1961
 ナチスドイツによるポーランド侵攻を機に、ユダヤ人の迫害やゲットー蜂起の鎮圧といった戦時下の苛烈な歴史が、青年ヤクプ(メルラン)の人生を翻弄する。
 『地下水道』などの初期作では、抗い得ないものとしての「歴史」が前面に押し出されていたが、本作では歴史の背後に息づく人間の苦悩が詩的なイメージを伴って掘り下げられる。
 地下活動に身を投じる共産主義者たちに導かれ、死さえ厭わなくなったヤクプの強さが、旧約聖書の英雄サムソンに重ね合わされる。
 35mmプリントをHD化した版を上映する。

白樺の林
95分 35mm・カラー 1970
 『尼僧ヨアンナ』(1961、イェジ・カヴァレロヴィッチ)の原作者としても知られるヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチによる短篇小説を映画化。
 病を煩っていたスタニスワフ(ウカシェヴィッチ)が、小さな娘と二人で森に暮らす兄・ボレスワフ(オルブリフスキ)のもとへ帰郷する。
 やがて隣家に住むマリナ(クラコフスカ)をめぐる兄弟による欲望の揺蕩が、生と死の主題を交えて描かれる。
 初期の激情的なイメージとは異なるワイダの叙情的な側面が国内外の観客に高く評価された。

ヴィルコの娘たち
116分 35mm・カラー 1979
 親友の死をきっかけに青春期を過ごした田舎の地を訪れたヴィクトル(オルブリフスキ)は、親しかった姉妹に再会するが、彼が想いを寄せていた女性はすでにこの世を去り、他の娘たちも歳月を経てかつての面影を失っていた。
 『白樺の林』と同じくイヴァシュキェヴィッチの小説の映画化。
 政治色は薄いが、1930年代のポーランドを舞台に戦争を挟んで変化していく人間の心の機微を叙情的に描き、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。

コルチャック先生
118分 DCP・白黒 1990
 小児科医、作家、孤児院の院長としてナチスドイツによる迫害から孤児たちを守ろうと奮闘し、自身もホロコーストの犠牲者となったヤヌシュ・コルチャックの後半生を描く。
 ワイダが組織した映画制作集団〈イクス〉にも所属し、ポーランドを代表する映画監督となったアグニェシュカ・ホランドが脚本を手がけた。
 史実を再現する一方で、幻想的なラストシーンなど、ワイダは「映画による救い」を企図している。
 デジタルリマスター版を上映。

ナスターシャ
99分 35mm・カラー 1994
 ドストエフスキーの「白痴」にもとづく舞台劇を、舞台と同じワイダの演出、坂東玉三郎主演で映画化した作品。
 全篇をワルシャワの宮殿でロケ撮影している。
 ワイダは、長大な原作に描かれたドストエフスキーの「暗い秘密」を、三人の人物(玉三郎はナスターシャとムイシュキン侯爵の二役を演じている)に集約させることで表現しようとしたと語っている。
 後期のワイダ作品を支えたパヴェウ・エデルマンの撮影やワイダの妻クリスティナ・ザフファトヴィッチによる美術も印象的。

夜の終りに
88分 DCP・白黒 1960
 『灰とダイヤモンド』の原作者アンジェイェフスキと60年代以降のポーランド映画新世代を代表するイェジ・スコリモフスキの共同脚本を得て撮られた意欲作。
 ワルシャワの街で出会った若い医師(ウォムニツキ)と娘(スティプウコフスカ)の恋の駆け引きに焦点を絞った脱政治劇的な一作だが、「雪どけ」後のワルシャワの都市風景とそこに生きる若者たちを捉えた視点には、依然として鋭利な同時代批評が息づいている。
 デジタルリマスター版を上映。

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