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郵政首切り25年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 トヨタの悪さ一覧

 トヨタがイロイロと悪さを続けている。「世界のトヨタ」であらせられるので、世界中で悪さをお続けあそばされている。

 1月に発足した「日本郵政株式会社(日本郵政公社の07年10月分割民営化へ向けた企画準備会社=持株会社)」。この取締役に前日本経団連会長の奥田碩(ひろし)トヨタ自動車前会長が、ちゃっかりと就任している。そしてスッタモンダして半年以上遅れた7月11日に、竹中総務相が傘下4会社の社長人事を発表した。「郵便事業会社」社長には北村憲雄イタリアトヨタ会長が起用された。

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奥田取締役はつい最近までの日本経団連会長時代に、「人間尊重」を声高に叫びつつ、コイズミ格差拡大社会について問われると「差を付けられた方が凍死したり餓死したりはしていない」と発言し、証券取引法違反が発覚したライブドアの経団連入会の際には「企業倫理を学ぶのに役立ててほしい」とホリエモンを高く評価していた。また、三澤千代治ミサワホーム創業者(元会長)らにより、竹中平蔵経済財政担当相(当時)、斎藤淳産業再生機構社長と共に公務員職権乱用罪で告発されてもいる。トヨタホームのテコ入れのため不良債権を抱えるミサワホームの買収を画策し、三澤氏との会談が決裂すると産業再生機構という国家制度=税金を使って買収してしまったからだ。この時「読売新聞」04年11月27日一面トップは「ミサワホーム、機構活用へ 支援にトヨタ浮上」と大宣伝し、自主再建の動きを押さえて再生機構入りを既成事実化する役割を果たした。ホリエモンなんぞが及ぶところではないのだ。

 それにそれに、経団連の政治献金復活や政治提言等々に力を注ぎ、経済財政諮問会議議員としても小泉首相とネンゴロになり、昨年「郵政民営化法案」廃案直後の劇場型コイズミ刺客総選挙では、大方の予想に反し、関連企業への動員までもしてコイズミ圧勝を演出したとのことだ。

愛知県の片田舎だった挙母(ころも)市を豊田市に改名させたトヨタ、乾いた雑巾をさらに絞るトヨタ、年間1兆円以上の莫大な利益を上げるトヨタ、その陰で泣く下請け・孫請け・孫々請け・孫々々請け企業を過酷な値下げ圧力で瀕死状態に陥らせるトヨタ、ジャスト・イン・タイム方式で部品業者等の車がトヨタ工場門前や高速道路パーキングエリアに並び周辺の交通渋滞などお構いなしのトヨタ、公共の周辺道路を自社の倉庫代わりにして利益拡大するトヨタ、昨年2月開港の中部国際空港や同年3〜9月の愛知万博でもなされたように行政や公共事業費などを自社のインフラに活用するトヨタ、10年連続一位の広告費(「読売」「朝日」へ億単位など年間約800億円)等により批判しないだけでなくヨイショするマスコミとしてしまうトヨタ、自動車評論家などへの接待旅行等にもお金を出し惜しみしないトヨタ、その分残業代など違法に出し惜しみして労働基準監督署から何回も何回も是正指導を受け続けるトヨタ、厚生労働省の自動車関連技能検定でもその地位を利用した組織的不正が発覚し5人が合格取消となったばかりのトヨタ、その他いっぱいイヤなこといっぱいのトヨタ。

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 経団連会長の交代がなされコイズミ総理の9月任期切れが近づいた頃、諸問題が表に出てきた。北米でのセクハラ訴訟、盟友米ゼネラルモーターズの日産・仏ルノーとの提携協議、昨年の国内シェアの低下、そしてリコールを8年間も怠って人身事故を発生させた業務上過失傷害罪で、現職部長等3人が7月11日に熊本県警から書類送検された。ハンドル操作ができなくなるという子供でも解る危険な欠陥なのに、トヨタは「リコールする程の危険と当時は思わなかったんだから落ち度はない」と大威張りだ。報告した「不具合件数」もサバを読んでいて後に言い訳を付け足している。

 7月15日〜17日、フィリピントヨタ労組のエド委員長とウィニー副委員長が来日しての「支援する会(全造船関東地協加盟)」によるトヨタ愛知本社行動等が行われ、郵政の仲間も参加した。フィリピントヨタ自動車で労働組合が結成されたことに対し、ストライキを理由に組合員233名を不当解雇し26名を刑事告発した。最高裁での団交権問題勝利の03年判決にもかかわらず、トヨタは御用組合の結成やフィリピン政府への圧力を行い、ILOの労働者側に立った勧告も無視し続けた。今、神奈川県労働委員会への不当労働行為の救済申立、国際金属労連(IMF)の全面支援による世界的な反トヨタキャンペーンへと闘いは発展した。

 南アフリカ、ブラジルではトヨタの工場労働者が抗議行動を開始、インドでも首切り撤回争議が起こった(当初、郵政へのトヨタ方式導入による過労死や公共性の破壊等を主に書くつもりだったけれども、既に字数オーバーとなってしまいました)。

名古屋哲一(郵政4・28免職者)

「郵政ユニオン九州地本機関紙」及び「大阪・吹田千里支部機関紙」にも掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


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