韓国:「イーランドのような資本は消えなければならない」 | |
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「イーランドのような資本は消えなければならない」[インタビュー]イーランド一般労組キム・ギョンウク委員長
イ・コンマム記者
iliberty@jinbo.net / 2008年04月21日17時35分
「この戦いの最も大きい成果は労働者たちが自信を持ったということです」 イーランド一般労組のキム・ギョンウク委員長と会った。ストライキ300日、執 拗に粘る組合員たちが恐ろしくて、毎日毎日決意しなおすという彼は、勝利の 確信で埋め尽くされた未来を描くよりは、また一日を共に送ったということが 有り難く感じる。誰が計算した300日、長い間戦っている労働者にとって数字は 無意味だ。ただ300という数を契機に私たちがまだ戦っているという事実を、もっ と多くの人が知ることを願うだけだ。ただ300という数を契機に自ら決意しよう とありったけの力をふりしぼるだけだ。 イーランド一般労組キム・ギョンウク委員長 「もう意味がない未来、一日一日を送れることに感謝」 300日以上ストライキをしているイーランド労働者の状況は最悪だ。キム・ギョ ンウク委員長も例外ではない。カードの借金のために電話がきて借金取りが家 に押しかける。病気の子供にかかる金は莫大だが、金が入ってくる穴は一つも ない。 「日によっては財布に一銭もお金がない時もあります。通帳の残高がないのは 当然です。それでもそのまま淡々としています。どの会社員もそうするように、 前は私もいくら金を集めて、どこに貯蓄するか考えて、そのために苦しがった りしましたが、まったく金がないのでむしろ気楽です。人々は未来への恐れで 幸せになれないのでしょう。だから保険会社にたくさん稼がせるのです。私も そうでしたが、今、私にとってあまり未来に意味はありません。むしろ一日一 日を送れることに感謝します」 同じ状況をあじわう組合員たちはアルバイトをしたり、やむを得ず復帰を決め たりもする。 「最近は組合員と会って話すことが一番大変です。前は訪ねて行って会ったの ですが、最近は懇談会の資料がくれば私が後に退いたりします。それじゃだめ だと言いながら懇談会に行くが、組織のために懇談会をするのではなく、復帰 する組合員を対象に懇談会をしなければならないので力が抜けます。復帰する 組合員の中に、この戦いが間違っていたとか、始めるべきでなかったと思う人 は誰もいません。問題は生計費のためなんです。組合員たちは生計費さえ支援 されれば戦い続けるというのですが、労組でも解決する力が足りません」 戦おうとする組合員に、戦う条件を用意できない状況が、彼に深いため息をつ かせる。上級団体で連帯単位に少しずつ不満が積もるが、彼らに責任を転嫁す ることもできない。こうした状況で、彼がまた一日を頑張れるようにする力は、 また組合員たちから出る。交渉に進展もなく、一日を粘る金もない状況で、組 合員たちはどう戦いを続けているのかという質問に、キム・ギョンウク委員長 は「本当に私も知らない」と答える。 「私が言える言葉は、ただ最善を尽くすという言葉しかありません。ある日は 組合員が全員復帰してしまえば良いと思うけれど、がんばって集会に出てくる 組合員たちを見て、また気を取り直します」 「戦い抜くことしか...」 こうしたイーランド労働者の戦いは、非正規職自ら非正規法の問題を全身で知 らせたことで、いかに非正規職問題が深刻かを韓国社会全体に知らせた重要な 戦いだった。特に、低賃金の非正規職に追いやられている女性労働者が大挙組 織され、凄じい警察の暴力にも二回の売り場占拠座り込みをした歴史的な戦い だ。だがそんな評価も、戦いの中心にいる組合員とキム・ギョンウク委員長に は、ただ有り難いことでしかない。また一日を粘ることが至急だからだ。 「労組が解散したり会社が不渡りになったりという状況が、イーランド事態の 終結につながるかも知れません。会社側は、事態がここまできたのに妥協どこ ろか組合員を解雇しているでしょう。これは会社がつぶれても労組の要求は受 け入れないということなんです。それでもイーランドも資本だと思いますが、 でも自らつぶれる道は選ばないだろうという小さな期待がありました。ところ がイーランドは単なる資本ではないようです。もし労使が合意して戻ったとし ても、正常化するかも知れません。問題はすでに労組が及ぼせる影響の範囲を 越えました」 イーランドグループのパク・ソンス会長が罰金千万ウォンを受けた。国政監査 に出席しなかったという理由だ。財政圧迫のためにホームエバーが売却される といううわさまで流れる。しかしイーランドはびくともしない。キム・ギョン ウク委員長は、「会社が妥協を拒否しているから私たちが取れる方法は戦い抜 くことしかない」と話す。 「これ以上涙を流さなければいい」 300日という時間が彼らに与えたのは退くことのない忍耐と『自信』だ。 「非正規職賃金を上乗せし、雇用を保障すること、労組がしてきた要求事項を 貫徹するのも重要だが、もっと重要なことは頼むからおばさん労働者たちが管 理者たちに不当で侮辱的な要求を受けた時、もうこれ以上、涙を流して頭を下 げなくてもいいという自信なんです。組合員たちが、堂々と頭を上げて管理者 に謝れと要求できる自信を持てれば、それで私はみんな勝ったものと考えます。 現場に復帰した組合員は団体でチョッキを着て戦っています。これでいいのです」 4月19日、ホームエバー上岩店の前にきた組合員たちは、昨年の夏に脱いだ青い Tシャツを着てまた集まった。彼らは「昨年の夏を思い出す。その時の気持がま た戻るようだ」と話した。彼らは止まらない。彼らの戦いは進行中だ。キム・ ギョンウク委員長は話す。「明らかなことは、私がパク・ソンス会長より長く 生きるということです。イーランドのような資本は消えなければならないとい うこと、その終末を見届けます」 翻訳/文責:安田(ゆ)
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