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韓国:[イーランド香港通信](9)遠征闘争団徹夜ハンスト
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大きな首かせと鎖、香港市民の関心高調

[イーランド香港通信](9)遠征闘争団徹夜ハンスト

オ・ドヨプ(作家)/ 2008年05月07日11時31分

5月6日午後1時50分

香港証券取引所の前にハンスト場が作られた。今日に限ってとても風が強い。 遠征闘争団と香港労総、香港NGO団体30余人は、証券取引所前で「ボイコット イーランド」、「バン・トイ・イーレン」など、英語と香港語でシュプレヒコー ルをあげ、イーランドグループの香港証券市場上場反対を知らせる宣伝戦を展 開している。

ハンストの前に香港の現地記者と共にイーランド投資説明書にあるイーランド 事務室を探した。ビルの案内人は「イーランドという名で入居している企業は ない。聞いたこともない」と言う。記者とビルに入ったが、イーランドが入居 しているはずの事務室の前には何の看板もなかった。イーランド一般労組のイ・ ナムシン首席副委員長がベルを押し、門を叩いたが中からは何の答もない。

イ・ナムシン首席副委員長は「韓国では、労働者を欺き、香港では投資家をだ ましている」として怒った。

▲イーランドの『ニセ事務室』から証券取引所前までデモ行進をした遠征闘争団は路上ハンストに入った。

イーランドの『ニセ事務室』から証券取引所前までデモ行進をした遠征闘争団 は、路上ハンストに入った。イ・ナムシン副委員長とニューコアのキム・ソグォ ン組合員は、からだに鎖を縛った。キム・エス組合員とハン・ヨンヒ組合員は 『良心のない企業イーランド』と書いた首かせをはめている。

世界的な金融が集まるこの香港証券取引所前を通りすぎる人々は、座り込み団 が渡す印刷物を関心深く見ている。

社会進歩連帯のハン・ジウォン活動家は、「イーランドは自分の正体を隠して 不法な商取引をするマフィアだ。香港の投資家がイーランド証券市場上場反対 に賛同してくれ」と香港市民に訴えた。また「韓国では、労働者と約束した団 体協約を無視して不当解雇を行い、正当な争議行為を用役警備を使って無慈悲 に暴力を振るうギャングだ」と告発することもした。

香港遠征闘争団は「明日(5月7日)が一般公募最終日だ。明日までにできるすべ ての方法を動員し、香港の市民と共にイーランドの証券市場上場を防ぐという 切実な気持で路上ハンストを決意した」とする。

▲ハンスト者周辺には香港団体活動家がいる。宣伝物を市民に配り、なぜ韓国の労働者がきたのかを積極的に市民に知らせている。

ハンスト者周辺には香港団体活動家がいる。宣伝物を市民に配り、なぜ韓国の 労働者がきたのかを積極的に市民に知らせている。遠征闘争団と共に『あなた のための行進曲』を歌い、『ボイコットイーランド』を叫んでいる。

遠征闘争団はここで夜を明かし、ハンストを続けるという。

5月6日午後4時

香港の雰囲気が変わっている。今日もサウスチャイナモーニングポストなどの 有力日刊紙には、遠征闘争団の三歩一拜とハンストに入るという記事が大きく 取り上げられ、ハンスト場を通る香港市民が特別な関心を見せている。

▲今日もサウスチャイナモーニングポストなどの有力日刊紙には、遠征闘争団の三歩一拜とハンストに入るという記事が大きく取り上げられ、ハンスト場を通る香港市民が特別な関心を見せている。

通る市民たちは、遠征闘争団に「イーランドはどんな企業か?」、「なぜ証券市 場の上場に反対するのか」と質問する。遠征闘争団は韓国でのイーランドの労 働弾圧と不法酒類販売などの不道徳性を心を込めて説明する。

昼食時間が過ぎ、少し疲れるようすが見える。パク・ドンシク局長は「削髪は しても、断食は初めてだ。シャボン玉があちこち飛び回るようだ」とし、ずっ と水を飲んでいた。出国の日、サービス連盟のイ・ソンジョン教宣局長は、遠 征闘争団に「他のことはさせても、パク・ドンシク局長に断食はさせないでく れ」と要請していた。

昨日までは、印刷物を渡してもあまり受け取らなかった市民も、今日はマスコ ミの影響か、関心を持って印刷物をくれと言う。

カメラマンの取材の熱気も冷めない。首かせをはめて首を垂れているイーラン ド・ニューコアの女性労働者たちに、カメラのフラッシュが休むことなくたか れる。キム・ソグォン組合員を縛った鎖が強く締まっていて、二時間過ぎて苦 痛を訴えた。

▲カメラマンの取材の熱気も冷めない。首かせをはめて首を垂れているイーランド・ニューコアの女性労働者たちに、カメラのフラッシュが休むことなくたかれる。

伝えられない。何も。なじみのない異国の土地で、新聞紙を尻に敷き、鎖を縛っ て首にかせをはめるこの姿をどう表現すればいいのか。国内でもよく見る姿、 これより長い断食を無感覚にやり過ごすが、香港の道端で断食するイーランド・ ニューコアのこの姿には、怒り以上の複雑で息苦しい気持が考えを止める。

「国内の組合員に恥ずかしくないように頑張って戦うという思いだけです」。 ハン・ヨンヒ組合員は、マイクを差し出せば両手をあわせて「他の人にお願い してください」といいインタビューから逃げる。

心の中に閉じ込められた言葉を、どうして放つことができようか、口を開いた 瞬間、座り込むかもしれない。

5月6日19時

風が激しくなる。空には雲がいっぱいだ。今すぐにでも雨が降りそうだ。夜中、 路上ですごす遠征闘争団が風邪をひかないだろうかと心配になる。時間がたつ ほどに、首をうな垂れる遠征闘争団員が多い。

朗々とした声で香港市民に演説をしたキム・ソグォン組合員の声が低くなり始 めた。イ・ソンウク牧師はひざまずいて座っている。ハン・ヨンヒ組合員は少 しの間も休まずチラシを折っている。

準備してきたチラシは、すでに昼休みが過ぎるころにすっかりなくなり、また 香港労総で増刷をしなければならなかった。チラシが減る速度がますます速く なる。

イ・ナムシン副委員長のからだを縛る鎖は、一時もからだから離れない。黒く かすんだ顔に重い責任感が漂う。キム・エス組合員は休み時間には首にかけた かせを下ろしてチラシの束を持って出る。背の小さなキム・エス組合員は香港 市民の中に消える。

首かせをかけた朴ドンソク局長とイ・ソナ民主労働党党員は、下がった頭が上 がらない。ソ・ガンボン副本部長は休み時間には道端に横になる。

ハン・ジウォン社会進歩連帯活動家の演説声がかれ始める。だが内容はさらに 過激になる。

一時も離れず遠征闘争団と共に宣伝活動をする香港の活動家たちは、時間が過 ぎるほど気勢があがる。自分たち問題のように積極的に支持連帯活動をする姿 に自ずと頭が下がる。退勤時間が過ぎ、香港活動家の数がさらに増える。

香港証券取引所の前には『ダウン ダウン イーランド』 『ノーノーイーランド』 『ノーイーランド アイピオ』のスローガンが絶えない。

日が暗くなって、もう一枚上着を着たが、寒さが押し寄せる。昼は熱く、夜は 寒い。最悪の路上断食にならないだろうかと恐ろしい。

香港の夜道に灯がともる。夕方のキャンドル文化祭のために香港労総が準備し てロウソクを見て、ソ・ガンボン副本部長は「ロウソクが餅に見える」という。

5月6日21時

韓国時間では夜10時だ。香港の夜道はネオンサインであかるい。昼より夜のほ うが明るいようだ。証券取引所前にはネオンサインのあかりよりも美しいロウ ソクの火が点った。遠征闘争団と香港の活動家が金融中心街で労働の火の花を 咲かせた。

イーランド・ニューコア労働者が三歩一拜に続いて断食をするといううわさが 香港各地に広がり、支持激励訪問が続いた。キリスト教団体、移住労働者団体 をはじめ、僑胞(海外在住韓国人)も訪問する。手に持って来たものはミネラル ウォーターだけ。だが、どんな場より熱い出逢いだ。

▲証券取引所前にはネオンサインのあかりよりも美しいロウソクの火が点った。遠征闘争団と香港の活動家が金融中心街で労働の火の花を咲かせた。

遠征団は席に座り、香港の活動家は次々に立ち上がってマイクをとり、対市民 宣伝を続ける。

ARMCの活動家のダイアナも断食に参加している。ダイアナは「韓国労働者と一 緒にハンスト闘争ができて幸せだ」とし、「闘争」と力強く叫ぶ。

香港労総が準備した寝袋が座込み場に敷かれた。過労気味のイ・ソナ党員は、 毛布をきつく巻いて座っている。どれほど長く座っていたのか、民主労総のクォ ン・ミジョン氏は脚がしびれてしばらく起きあがれなかった。

休み時間には三三五五集まって話をする。数日間、ともに闘争し、今では遠征 団と香港の活動家は長い間の友人のように近い。互いに歌を習ったり、カード 遊びを習ったりもする。キリスト教対策委のイ・ソンウク牧師は、支持訪問に 来たキリスト学生会会員に韓国の非正規職問題とキリスト教企業を打ち出す イーランドグループの説明をする。

ARMCの活動家のドリス・リーは、二人の子供を連れて座込み場にきた。末っ子 はチラシを持って市民に配るのに忙しい。

風は冷たいが香港の活動家の連帯を越えた熱い愛情で遠征闘争団の心は温かい。

ソ・ガンボン副本部長は寝袋の中に入って倒れ、朴ドンソク局長は明日の準備 で忙しい。

WTO集会に続き、今回も道路で空きっ腹をかかえて夜を明かさなければならない とは。私にとって香港は、労働者と農民の涙で濡れた場所として永遠に記憶に 残るのではないかと恐れる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-05-12 09:13:02 / Last modified on 2008-05-12 09:13:03 Copyright: Default

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