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KTX分割民営化、政府の下心は?

「鉄道公共性放棄、鉄道公社構造調整を念頭」

イ・サンウォン修習記者 2011.12.29 15:16

李明博政権が高速鉄道民営化を加速させるものと見られる。12月27日、国土海 洋部業務報告で高速鉄道一部路線(水西〜木浦、水西〜釜山)の分割民営化計画 を李明博大統領に報告した。以後、28日と29日の二日間、国土部のハン・マニ 第一次官、キム・ヒグク第二次官が各種ラジオ放送インタビューで、高速鉄道 民営化の正当性を主張している。

だが次官が提示している根拠について全国鉄道労働組合(以下鉄道労組)のペク・ ソンゴン広報チーム長は「鉄道の公共性放棄、鉄道公社の構造調整を念頭に置 くもの」と反発した。

▲12月27日、全国鉄道労働組合幹部がソウル駅広場でKTX分割民営化阻止決意大会を開いた。

28日と29日の二日間、MBCラジオ『ソン・ソッキの視線集中』とインタビューを したハン・マニ次官は「競争体制が導入されれば鉄道公社と民間事業者間での 原価低減の努力がなされ、料金が下がり、国民へのサービスが改善する」とし 民営化が国民に利益になると表明した。

ハン次官は「従来の運賃で最大の収益をあげる構造を提示したり、最も運賃を 下げる条件を提示するなど、政府に有利な条件を提示する民間に運営権を与え る」とし、民営化が政府と国民の損にならないと主張した。

だがペク・ソンゴン鉄道労組広報チーム長は「新しい民間企業を入れるなら、 恩恵を与えるべきだが、これが今回のように一番利益があがるKTX分割民営化と してあらわれた」とし「このように民間に門戸を開け始めれば、窮極的に公益 サービスの地域赤字路線や交通弱者の公共性だけが鉄道公社に残され、利益が あがるあらゆる事業が民間企業に譲渡される」と反論した。

また、ペク・チーム長は「既存の運賃で多くの収益をあげるには、利益があが る路線だけを持つことにしなければならず、運賃を安くしたければ構造調整で 運営費を削減しなければならない」と政府の無責任な言葉を批判した。

ペク・チーム長の主張は、むしろハン・マニ次官の言葉で裏付けられる。

ハン次官は「高速鉄道建設費用14兆ウォンは線路使用料として民間が納付し、 これは現在の鉄道公社のような構造」とし、企業に特典が与えられるという憂 慮を一蹴した。

これに対し、ペク・チーム長は「線路使用料は別に2003の年鉄道構造改革以後、 建設負債5兆4千億を鉄道公社が抱え込み、毎年4千億ウォン程度の利子を負担し ている」とし「建設費用14兆ウォンを線路使用料として受け取るというのは14 兆ウォンの鉄道建設費用を国家が負担するということと違わない」と話した。

続いてペク・チーム長は、ハン次官が「毎年、5千億程度が政府から鉄道公社に 支援されている」という話について「毎年5千億程度の赤字負担を話しているの だろう」とし「実際に赤字が出る理由を考えればとんでもない」と述べた。

ペク・チーム長は「2010年は、営業赤字が5200億ウォンだったが、線路使用料 の納付額は6000億ウォンだった」と述べ、鉄道労組の資料によれば5年間の線路 使用料累積合計は3兆5100億ウォンで、営業赤字の114%に該当した。

つまり、ハン次官の言葉は、鉄道公社の赤字の大きな理由である線路使用料を 民間企業から受け取り、企業が利益を残せるようにするという話になる。さら にハン次官は「民間が運営しても、同じ構造で使用料を納付するのだから、ど うしても競争になれば納付割合が高まる」と線路使用料の値上げも展望した。

鉄道公社と全く同じか、さらに高い線路使用料を納付して、株主に対する配当 を確保しなければならない企業が取ることができる方法は、ペク・チーム長が 言うように「利益が多い路線だけ」か「構造調整で運営費を削減」する方法の 他にはなさそうだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-12-30 07:49:35 / Last modified on 2011-12-30 07:50:10 Copyright: Default

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