韓国:民営化の悪夢、KT...『料金値上げ、二極化深化、労働者死亡』等 | |
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公共部門を民営化する? KTのようになる?民営化の悪夢、KT...『料金値上げ、二極化深化、労働者死亡』等
ユン・ジヨン記者 2012.02.16 18:45
全北高興で暮らす農民チャン・ジュナン氏はKTに電話移転を申請して、 とんでもない見積書を見た。 サービスの質の改善、料金値下げをモットーに進められたKT民営化が料金値上げ と公共性の毀損、二極化深化を呼んでいるという声が高まっている。 特に、KTX民営化、仁川、清州空港民営化などの公共部門民営化推進が加速し、 2001年に民営化されたKTの不良経営と料金値上げ、公共性毀損などの問題が再 浮上している。公共部門の民営化政策は結局、KTの事例のように料金値上げと 労働者弾圧、不良経営につながるという憂慮のためだ。 [出処:チャムセサン資料写真] 家計を押さえ付ける高い通信費は、どこへ行くのか2010年の家計消費支出のうち、通信サービスの支出が7.09%で史上最高を記録し た。家ごとに平均14万ウォンを越える通信費が支出されており、韓国移動通信 料金の家計負担指数はOECD国家のうちメキシコに次ぐ世界最高水準に達した。 また、移動通信サービスは2010年12月末に加入者5千77万人で人口対応移動 通信普及率は103.9%に達している。移動通信サービスが国民生活の必需品として、 代表的な公共サービスに位置づけられたわけだ。 だが移動通信料金は世界最高水準が維持され、公共サービス分野の移動通信料 は莫大な家計負担になっている。2009年7月末、韓国消費者院の移動通信料金の 国際比較調査結果によれば、韓国の音声通話料金はOECD8か国と香港、シンガポー ルなど10か国で1位を占めた。 だが移動通信社は毎年売上と純益を高め、好調だ。2010年一年KTは営業利益と 純利益が各々2兆533億ウォンと1兆1791億ウォンを記録した。SKテレコムは、 各々2兆350億ウォンと1兆4110億ウォン、LG U+も6553億ウォンと5700億ウォン という営業利益と純利益を達成した。 こうした莫大な営業利益と純利益にもかかわらず、KTが『料金を下げる余力が ない』と説明する理由は、民営化以後に変わった経営構造にある。2月15日に 国会図書館小会議室で開かれた『通信料金引き下げと労働人権保障のための集中 討論』に参加したキム・ソンヒョク進歩政策研究員研究2室長は、「KTは2002年 に民営化された後、持分49%を外国人が所有し、株主利益極大化を経営の最高の 価値として、設備投資と研究開発費を減らして高い通信費を維持し、株主への 高配当を実現した」と説明した。 実際にKTの配当指向は民営化以前(2000〜2002)平均15%だったが、民営化以後 (2003〜2010)年平均51%に増加した。配当総額のうち外国人株主への配当の割合 は、民営化以前は39%だったが、民営化以後57%に急増した。国内10大財閥52社 の平均配当指向が32%(2009年)であることを考慮すると、20%近く高い数値だ。 国民が甘受する高い通信費は、株主配当金死守だけでなく、過多競争と通信の 二極化にも影響している。実際に通信社間の過度な競争で2001年4分期だけで、 企業当たり数千億ウォンの広告費が支出された。移動通信社3社の2011年4分期 の広告、補助金などを含むマーケティング費用は3分期より10%以上増加した。 KTは4434億ウォンから5479億ウォンへと19.1%も増加した。 民営化の悪夢、KT...『値上げ、二極化深化、労働者死亡』等このように移動通信は核心サービス領域になっているが、KT民営化以後、通信の 公共性は破壊が続いている。 キム・ソンヒョク室長は「端末機の価格が過度に高く、年齢帯や職業による連 携型価格政策が実現されていない」とし「そのためスマートフォン機能の10%も 使えない壮年層以上も高い料金制を選択することが多い」と説明した。農民の チャン氏のように、移動通信社が農村地域や低所得層のためのサービス提供を 回避するのも、通信二極化を加速している。 またキム室長は「2G閉鎖も同じだ」とし「3Gがあえて必要ない人にもサービス 交替を強要するのは企業の収益性しか考えず顧客の要求を無視する行為」だと 指摘した。 [出処:チャムセサン資料写真] KTが毎年高い収益を上げるのに反し、KT労働者の賃金は2001年から現在まで、 ほとんど停滞状態だ。実際に2003年の労働者平均賃金増減幅は-3.0%、2006年に は-1.6%に減少した。人件費総額も2001年の2兆2079億ウォンから2010年には1兆 8265億ウォンに減少した。これと共に人員構造調整も続き、1997年以後、何と 29,362人が減少した。 そればかりか、KTは民営化以後、労働弾圧と労働搾取、労働者退出などを加速 している。2011年だけでKT労働者16人が死亡し、2009年には18人、2010年には 13人の労働者が命を落とした。イ・ソクチェ会長が就任した2009年以後、死者 が急増し、2009年から現在までに47人の労働者が死亡し、5人は自ら命を絶った。 KT労働者の死を分析した労働環境健康研究所は『KT労働者の死亡原因として、 循環系疾患が圧倒的に高かった。これはストレスに関する可能性が高い』と説 明する。KT新労働組合のイ・ヘグァン委員長は「KTはおよそ5年に1回の割合で 大規模な特別名誉退職を実施してきたが、その減員規模は少なくて5千人、多け れば1万人近い途方もない規模で、今でも毎分期に定期的に名誉退職を実施して いる」と説明した。 続いて李委員長は「民営化が始まった1997年から累積すれば、約3万人の労働者 がKTを離れたが、大規模な減員をしてもほとんど人員補充がなく、これにより 2人1組作業が単独作業に変わるなど、労働強度が非常に高まった」とし「この ような累積した労働強化とともに、慢性的な人員不足で長時間勤労が蔓延して いる」と診断した。 そればかりか、KTは強制人員退出プログラムであるCPプログラムを稼動させ、 社会的な議論になっている。CPプログラムは本社次元で退出対象者リスト、す なわちブラックリストを作成して、これにより各支社でCPがさまざまな措置を 取り、退出をさせる労働弾圧プログラムとして知られている。 「企業支配構造の根本的革新のためにKTの再国有化を」そのため市民社会と労働界は、こうしたKTの企業支配構造の根本的革新のため にKTを再国有化しようという主張を提起している。 キム・ソンヒョク室長は、「政府が民間企業の通信料金を規制するには限界が ある」とし「独占価格形成と消耗的支出などを統制し、安い通信料金を国民に 保障するには通信産業をまた公企業化することが必要だ」と強調した。 これと共に、通信産業の支配構造の改善も同時に考慮すべきだという声も高い。 電気通信法を改正し、基幹産業の通信の外国人持分所有限度を30%以下に下げる などの措置が必要だという指摘だ。またKT、SK、LGなど通信産業の同時公共化 が難しければ、KTからこれを施行すべきだという要求も提起されている。 イ・ヘグァン委員長は「今、KTの市価総額が9兆ウォンにならず、売り上げが 20兆ウォンほどだが、政府が30%程度の持分を買い取る費用は3兆ウォンにもな らないが、これを通じて通信費を15%下げても3兆ウォンの通信費削減の恩恵が 国民に戻る」と説明した。 また李委員長は「KTの公共性が回復すれば、重複投資による社会的費用などを 大幅に減らせるので、全体的に通信費を下げる社会的意味がある」とし「また KTを再共有化し、公共性中心に経営すれば、通信事業分野全体で相当な規模の 網投資額とネットワーク管理に必要な維持補修費が節減できる」と説明した。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2012-02-17 17:29:30 / Last modified on 2012-02-17 17:29:37 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |