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韓国:仁川空港給油施設民営化、『仁川空港民営化』の信号弾
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仁川空港給油施設民営化、『仁川空港民営化』の信号弾

仁川空港、独自の民営化手順を憂慮...来年までに14の民間資本施設も民営化の手順へ

ユン・ジヨン記者 2012.07.13 12:23

仁川国際空港給油施設民営化が足早に進められ、今後、仁川空港独自の民営化 が本格化するという憂慮が広がっている。

[出処:公共運輸労組]

『最も重要な事業』といわれる仁川空港給油施設の民営化を始め、今後は危険物 ターミナル、外航社ターミナル、航空ターミナル、航空貨物倉庫、機内食施設、 航空機整備施設など14の民間資本施設も民営化の手順に入るものと見られる。

その上、政府の民営化方針により、仁川空港内の免税店も民営化の道に入ると 予想され、政府が本格的な仁川空港民営化の信号弾を打ち上げたという分析も 出されている。

仁川空港『最も重要な』給油施設を民営化
来年までに14の民間資本施設も民営化手順か

仁川国際空港公社は7月11日、ソウルのパレスホテルで第8次理事会を開いて、 仁川国際空港給油施設(株)をソウル地方空港庁から1986億ウォンで買収するこ とを決めた。また来週、緊急入札で民間事業者に運営権を渡す方針に合意した。

仁川空港給油施設は、2001年に仁川国際空港給油施設(株)が政府から管理運営権 を譲渡され、運営してきた。これは、政府に給油施設を寄付するという条件で、 施設を無償で使うという、管理運営権の民間委託方式だ。

民間業者の管理運営権の終了時点である2012年8月13日が近付き、仁川空港給油 施設がまた公営化されるという観測が相次いだ。仁川空港の給油施設は、仁川 空港を利用する国内外航空会社に航空燃料を独占供給する事業で、この11年間、 年間売上200億以上の収入を上げてきたためだ。

だが空港公社は理事会で、給油施設を買収した後、また民間に3年間賃貸すると いう民営化の方針を決めた。これにより公社は来週中に民間事業者を選定する 入札公告を出し、来週初めまで入札の申請を受け付ける計画だという。また、 審査後に、遅くとも来月の初めまでに新しい民間事業者を選定する方針だ。

今年、仁川空港給油施設が民営化手順に入り、来年まで続く仁川空港内の民間 資本施設の民営化手続きもはずみがつけことになった。来年8月に契約が終わる 危険物ターミナル、外航社ターミナル、航空ターミナル、航空貨物倉庫、機内食 施設、航空機整備施設など14の民間資本施設もまた給油施設と同じ手順を踏む 可能性が高いためだ。

そればかりか、仁川国際空港免税店も今月中に民営化の手順に入りそうだ。 現在、韓国観光公社は免税店事業を放棄し、今月中に仁川空港内観光公社の 免税店の国際入札を予定しているという。

政府、仁川空港独自の民営化信号弾を撃ちあげるか

仁川空港給油施設民営化を始め、今後、政府が仁川空港独自の民営化を本格的 に進めるという憂慮が出てきている。実際に政府は「仁川空港の持分売却を 継続して試みる」という立場を堅持している。

パク・チェワン企画財政部長官は7月12日、国会企画財政委懸案報告で「今回の 国会で、持分の一部が売却できなくても、着実にこうした立場を堅持した方が 良いと考える」とし、持分売却の試みを続ける方針を明らかにした。

だが野党と仁川市、市民社会などは、政府の無理な民営化方針は理解できない という立場だ。民主統合党は12日、論評で「国土部が仁川国際空港の売却への 未練を捨てられない理由がまったく分からない」と批判した。

現在、政府は給油施設民営化推進の理由に『使用料引き下げ』を上げている。 2001年から仁川給油施設が民間委託で運営され、釜山、金浦、済州などと較べ、 国内最低水準の使用料を維持しているという説明だ。

これに対して仁川国際空港公社労組のカン・ヨンギュ委員長は「仁川空港は、 ガロン当たり19.4ウォンで、金浦空港は33ウォン程度だが、これは正常な価格 ではない」と説明した。

カン委員長は13日、MBCラジオ[ソン・ソッキの視線集中]とのインタビューで 「給油施設の民間事業者が政府をだまして163億ウォンの不当利益をあげたが、 監査院に摘発されて返還した」とし「だが金を払いたくなくて料金を19.4ウォン に下げている」と明らかにした。

続いて彼は「また、規模の面から見ても、仁川空港給油施設事業は、大型物流 スーパーで、これに較べれば金浦空港は町内の雑貨屋」とし「金浦空港の原価 は当然高くならざるをえず、今の仁川空港給油施設の民間事業者が襄陽などで 事業をすれば、今この価格では破産する」と強調した。

また労組側は、給油施設が民営化されると、価額上昇は必然的だと主張してい る。カン・ヨンギュ委員長は「公企業が運営すると、原価と利益が構成価格の 全てで、利益は受けることも、受けられないこともある」とし「だが民間事業 体が運営すると、原価と利益だけでなく、土地使用料を無条件に徴収しなけれ ばならないので、当然料金が上がる」と明らかにした。

政府が仁川空港給油施設民営化を急いで押し通し、民間入札特典の議論も提起 されている。

現在、政府は管理運営権契約満了日の8月13日までに新しい民間業者を選定しな ければならない状況だ。そのため来週の初めに入札公告や説明会、入札申請を 経て、遅くとも来月の初めまでに新しい事業者を選ばなければならない。そう すれば選定期間は1週間ほどしかなく、新規事業者の入札準備が短くなり、既存 の事業者に有利にならざるをえない。

一方、カン・ヨンギュ委員長は「仁川空港給油施設の民営化は反国益的な政策」 とし「現政権が仁川空港全体の民営化の基調を維持するために納得できない 民間委託を強行している」と批判した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-07-14 03:39:35 / Last modified on 2012-07-14 03:39:36 Copyright: Default

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