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韓国:民営化に懸命の政府...『清州空港』民営化を強行
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民営化に懸命の政府...『清州空港』民営化を強行

2月1日に売却予定、『拙速、特典疑惑』..公共基幹産業の民営化を加速か

ユン・ジヨン記者 2012.01.29 11:16

KTX、仁川国際空港などの民営化を進めている政府が今回は『清州国際空港』の 民営化の手順を進めており問題になっている。一部では、今回の清州国際空港 の民営化が、国民の反発で中断しているKTXと仁川国際空港の民営化の前哨戦で はないかと憂慮している。

国土海洋部は2009年3月、全国14の地方空港のうち、清州空港を最初の民営化の 対象に選び、売却を進めてきた。これにより2010年12月、韓国空港公社は清州 空港の運営権入札公告を出し、2011年に2回の民間売却を試みたが2回とも入札 が流れた。その後、工事は清州空港管理(株)との随意契約方式で民営化を進め、 昨年11月23日に運営権売却関連のMOUを締結して売却金額の交渉を進めている。

以後、双方は最終交渉後に契約事項の報告書を管轄の国土海洋部に提出、承認 手続きを取る予定だ。2月1日には双方が会い、売却の本契約を締結することに なりそうだ。

このような政府の清州空港民営化推進をめぐり、法的根拠の不備と特典疑惑、 拙速推進、民営化加速などの声が高まっている。現行法では『空港の運営者に 対する定義』が基本法的な性格を持つ『航空法』ではなく、『航空安全および 保安に関する法律』で規定されているため、空港運営権を委託、移転する法的 根拠は非常に不明確だ。

特に2011年10月19日、政府は国際空港を民営化するために、既存の公共機関の 他に一般の民間事業者が空港運営に参加できるようにする内容を含む『航空法 改正案』を発議したが、国会はこれを廃棄した。統合進歩党の姜基甲(カン・ギ カプ)議員も昨年、韓国空港公社の国政監査で『現行の航空法を改正しなければ 民間事業者は空港運営に参加できない』と指摘している。

そのため公共運輸労組は1月28日、声明書を発表して「清州空港民営化は明確に 現行法違反」とし「空港を民営化する最低の法的根拠もない状態で、清州国際 空港の民営化を強行しようとしている」と批判した。

そればかりか、清州国際空港売却推進過程での『特典疑惑』、『拙速売却』等 の問題も収まらない。現在、市長が主張する清州空港売却下限線は約300億程度 で、二回民間売却が入札流れになった状態で、国家契約法により3回目の売却か らは一定の割合で調整できる。だが、国土部と韓国空港公社はあらかじめ随意 契約の方針を定めており、300億以下の安値で清州空港売却を進めているため、 特定の民間企業への特典ではないかという疑惑を呼んだ。

清州国際空港民営化により、公共基幹産業全般に対する民営化が加速するとい う展望も出ている。公共運輸労組は「清州国際空港の民営化は前哨戦でしかな く、以後、麗水と済州などの主な基幹産業である地方空港が続々と民間企業の 手中に渡るだろう」と指摘した。

また労組は「政府は民営化により空港の活性化を企てるというが、今清州国際 空港は全国で最も早く利用客が増加する代表的な空港で、公共性を守りつつ十 分に自立できる条件がある」とし「それでも国土部と韓国空港公社は、最低の 手続的な正当性もなく、政府の民営化の目的にも合わない特典と違法で汚され た拙速売却を強行しようとしている」と批判した。

一方、韓国空港公社労組も立場を発表して、清州国際空港の民営化推進中断を 要求した。労組は「空港が民営化された瞬間、公共財としての空港の役割が失 われ、国民の費用負担の増加と深刻な航空安全の不安を招く」とし「清州空港 の民営化を即刻中断することを再度要求する」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-30 02:16:38 / Last modified on 2012-01-30 02:16:53 Copyright: Default

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