放送通信審議委のインターネット検閲、違憲審判に

法院、違憲審判を提案...「市民社会の自己矯正機能に任せよ」

法院が放送通信審議委のインターネット検閲は、表現の自由を侵害する可能性 があるとし、憲法裁判所に違憲法律審判を提案した。

ソウル高裁行政3部(裁判長イ・デギョン)は、セメント会社を批判する『ゴミ セメント』という文を自分のブログに書き込み、放送通信審議委により文章が 削除されたチェ・ビョンソン牧師の訴訟で、放送通信委員会議の設置および運 営に関する法律第21条第4号についての違憲法律審判提請を7日に受け入れた。

この法律は『健全な通信倫理を涵養するために必要な事項で大統領令が決める 情報の審議および是正要求』を放送通信審議委の職務と規定する事項だ。この 条項一つで、民間独立機構である放送通信審議委は、ポータルや主要業者に規 制を行使してきた。放送通信審議委の通信規制の件数は、2008年3月から2009年 3月までの1年間で、削除、利用解止、接続遮断などが16,846件にのぼり、事前 検閲と過剰規制の議論に中心におかれ続けてきた。

法院は決定文で「『健全な通信倫理の涵養のために必要な事項としての情報』 という審議委員会の審議対象の一つで是正要求の対象になる情報の概念は、あ まりにも不明確で、あいまい」とし、「規制されてはならない表現も、すべて 規制することになるだけでなく、その規制の手段も『削除、または接続遮断、 利用停止または利用解止』のような、回復が著しく困難な手段を使うため」 過剰禁止の原則に外れると判断した。

また法院は「少なくとも公権力により表現の内容を規制する立法で何の追加的 な制限要件もなく、ばくせんと『健全な通信倫理』の涵養という定規で一切の 表現を規制すること」は、表現の自由の侵害であり、この事件是正要求条項が 「多様な意見の自由な討論と批判により社会共同体の問題を提起し、健全に解 消する可能性を封鎖する」と見た。

特に法院は「民主主義では、いかなる表現や情報の価値有無、害悪性の有無も、 国家が一次的に決めてはならず、市民社会の自己矯正機能、思想と意見の競争 メカニズムに任せなければならない」と述べ、自主規制についての立場を明確 にした。

これに対して進歩ネットワークセンターは15日、声明を発表し「これまで放送 通信審議委員会のインターネット表現の自由侵害に対し何度も指摘してきたと おり」の決定とし、「昨年9月、放送通信審議委員会のインターネット行政審議 を廃止し、民間の自律審議に転換することを勧告した国家人権委員会の決定とも 一脈通じる」と法院の決定を歓迎した。

一方、放送通信審議委員会の違憲性については、2008年7月に朝鮮・中央・東亜 の広告紙面不買運動掲示物削除に対する憲法訴訟が提起され、決定待ちの状態だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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