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韓国:セガン重工業不渡り、崖に追いやられる造船所下請労働者
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「ブラックリストは生きた命を殺す」

[インタビュー]セガン重工業不渡り、崖に追いやられる造船所下請労働者

チョ・ソンウン記者 2011.06.01 19:25

蔚山東区パンオジンにあるセガン重工業は2010年6月、債権金融機関協議会で ウォークアウトが決定し、2011年4月20日、蔚山地方法院に企業回復手続き(法定 管理)を申請した。セガン重工業の不渡りは、ここ働く下請労働者を生存の崖に 追いやっており、造船所の下請労働者を押さえ付けている抑圧制度が明らかに なっている。セガン重工業の下請労働者は賃金を受けられないばかりか、 ブラックリストにより怒りを表現することもできず、爆発事故がおきて大火傷を しても労災申請さえできなかった。

「ブラックリストは生きた命殺すものだ」と絶叫する造船所下請労働者、法が 保障する権利を剥奪され死の労働に追いやられている造船所下請労働者、死を 乗り越えてもまた不安定労働と貧困に直面する造船所下請労働者、31日午後、 セガン重工業の近くで酒を飲んでいたセガン重工業の下請労働者と会い、彼ら の生について聞いた。

▲法定管理に入ったセガン重工業

会社が不渡りになって金を受け取れないと聞いた。

4月21日、業者(セガン重工業内の00企業)に出勤すると、セガン重工業が不渡りに なって、法定管理に入ったので家に帰れと言われた。

業者は勧告辞表を書けと言う。ほとんどの人は辞表を書かなかった。セジン 重工業にも00企業がある。社長はセジンに行って働け、雇用保険がもらえる ようにすると言った。そっちの業者で雇用継承をしてくれと言ったが、雇用継承は 何も言わず、行って働くとだけ言った。問題はセガン重工業では午後5時までで 日当を受け取るが、セジン重工業の00企業は午後6時までで日当を払う。条件が 合わず、行かなかった。

業者総務に解雇予告手当てくれと言うと、そんなものはないと言い、それから 何も言わない。

セガン重工業で働く下請労働者たちはどれくらいいるのか?

業種がみんな違うので、どれぐらいかは正確には知らない。食堂に聞いてみると およそ500人ぐらい食事の仕度をするという。

まだ業者から連絡はないか?

ずっと待っていたが知らせもなく、業者に連絡しても受けもしない。苦しくて、 事務室に訪ねて行くと、電話線が抜かれていた。

業者は5月25日に払う、27日に払う、30日に払うといって、今では6月3日に 払うと先送りし続け、人をばかにしている。

1か月待っても何も知らせず、現代重工業下請労組を通じて労働部に未払い賃金 を陳情した。

うわさもすごい。社長がお金を持って逃げたという噂が流れている。また、 じっとしていればもらえるのに、労働部に陳情申請したので問題を起こしていると 私たちを非難する声も聞こえる。

未払い賃金のために座り込みをしているという知らせも聞いた。

他の業者の所長と総務がデモをすると通知を受けた。だが今日また確認したが、 あまりしている人はいなかった。集まることも負担になって、またセガンが動 けば働くのが難しくなるのではないかと考えている。ブラックリストが怖くて 動けないということだ。

知り合いの後輩は酒を飲めば自殺したいと言う。私も2004年に現代重工業下請 労組に加入したという理由で解雇され、ブラックリストに載り、7年たった今も 現代重工業に入れない。私製爆弾でも作って現代重工業に入り、爆破させたい 気持ちだ。

2004年に現代重工業を解雇され、全国を歩き回った。木浦、光陽、沙川、釜山、 晋州、城東、三陟など行かなかったところはない。現代重工業に書類を出せば 無条件だめだ。書類を出しても元請安全教育の時に荷物をまとめろという。 知り合いの後輩は反省文を書くと言って、書いても家で休めと言われた。私たち は何か罪を犯したのか... 山川も10年で変わるというがまだブラックリストは 解けない。

全国をさまよっているので1年5〜6か月しか働けない。金にもならず仕事をしな いから酒を飲んで応急室に運ばれたこともある。生活ができないので妻と喧嘩 して何度か離婚寸前になった。あちこちさまよっているので、働いてもお金を 受け取れなかったこともあって、労組加入の経歴がわかってその日に切られた こともあって、何でもないことでも妻と戦うようになって... この状況をどう 言えばいいのか?

ブラックリストのために到底話せない苦痛にあっている...

(年齢60の老いた労働者)今あの人たちは40代後半、50代初めで、これから10年 以上は働いて食っていかなければいけないのに... 子供たちを勉強させて嫁も もらって... 働ける年齢でその芽を摘んだのだ。はがゆい。間違うにしても、 とんでもない間違いだ。どこに行ってもブラックリストで行けない。生きた命 を殺している。一日もはやくブラックリストをなくさなければならない。

(手に火傷をした労働者)ブラックリストで労災もできない。昨年11月1日セガン 重工業の89号線14番タンクで爆発事故がおきた。午前11時30分頃に入ったが、 とてもガスの臭いがした。換気設備はやっと1台設置されていた。ディスクをつ けると火花が飛んでそのまま爆発した。ボンという音と一緒に大きな火が、 まるで映画の場面のようにマンホール全体を覆った。服がすべて焼けた。幸い その日は厚い服とエアーフードをかぶっていたので、手だけ火傷をした。

その日、事故情報を伝えたが業者はすぐ病院に連れていかなかった。しばらく あとで工具を積み出すポーターで病院に行った。一緒にいた若い友人は胸の上 がみんな焼けた。釜山の火傷専門病院で二回整形手術を受けた。

私は労災ではなく公傷処理した。病院にいた時、管理者は一度も来なかった。 治療もまともに受けず、手がよく曲がらない。本当に人扱いされない。

これからの希望は?

現代重工業に入って働きたい。ところが入れないからうんざりだ。暮らさなけ ればいけないが、働きに行きたいが受け入れてくれるところもない。用役でも 出て行かなければならない。(記事提携=蔚山労働ニュース)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-02 03:45:18 / Last modified on 2011-06-02 03:45:22 Copyright: Default

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