米国労働運動 : 気候変動対策は誰のもの? | |||||||
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【解説】レイバーノーツはこの4月から気候変動対策担当のスタッフを採用した。その新しく採用されたスタッフであるキース・ブラウワー・ブラウンが、レイバーノーツ5月号に労働組合が気候変動対策と取り組む重要性を訴える記事を投稿しているので翻訳した。前月の翻訳記事で紹介したEV車製造部門を組織化しようしている全米自動車労組UAWの取り組みや、再生可能なエネルギーへの公正な移行について述べている。(レイバーネット国際部 山崎精一)*毎月1日前後に「レイバーノーツ」誌の最新記事を紹介します。 気候変動対策は誰のもの?2023/4/25 キース・ブラウワー・ブラウン(レイバーノーツ労働・気候変動オーガナイザー/写真)労働者が働く現場には、大きな変化が熱波のように襲ってきている。今月になりバイデン大統領は、10年以内にアメリカで販売される新車の大半をオール電化にするための新しい大統領令に署名した。そのEV車のバッテリーを充電するために、多くの主要な州では10年以内に総電力の3分の2をクリーンエネルギーで賄うよう推進している。このようなグリーン・シフト(再生可能なエネルギーへの転換)で利潤を生もうと資本は必死になっている。よりクリーンな製造業やエネルギーへの補助金に公的資金が注ぎ込まれている。大企業は、この再生可能なエネルギーへの転換から労働組合を排除することで二重の利益を得ようとしている。 GM(ゼネラルモーターズ)のような自動車メーカーは、EV自動車の製造の大部分を労働組合のない合弁会社の工場で行おうとしている。全米での太陽光発電事業は、2022年の時点で、その90%は組合員でない労働者によって担われている。組合潰しはグリーン・シフトにより、一層醜いものになっている。 しかし、労働歌に歌詞にもあるように、「働く者の頭脳と筋肉がなければ、車輪一つ回らない」。EV車もそうだ。アリゾナ州の電力労働者からテネシー州の自動車労働者に至るまで、気候変動対策に必要な膨大な汗と知恵は、労働者に大きな潜在的影響力を与えている。 そして、グリーン・シフトによって生まれる産業地域では、保育、教育、医療、物流に携わる労働者も影響力を拡大するだろう。 新しい影響力洋上風力発電所や太陽光発電所、そして新しい工場が、広い範囲で大量に、次々と建設されようとしている。その近くで働ける労働者の数は少ないので、有利な条件で働ける可能性がある。このようなグリーン産業の急拡大は、気候変動対策への移行を労働組合主導で組織化するチャンスである。その組織化によって、これらの新しい産業でこれから働く労働者の労働条件が決められるだろう。レイバー・ノーツはその初期から、経営側が大きな変化を計画しているときに、どうしたら労働者が二歩先を行くことができるかを示してきた。1980年代、(レイバーノーツ創設者の一人だった)自動車労働者のマイク・パーカーは、組み立てラインにロボットが入ってして労働者の仕事を奪おうとするのを目の当たりにした。ロボットが入る前に労働者がプログラミングに修正を加え作業工程を変えることによって、労働組合が労働条件を設定すべきで、そうでなければロボット導入を阻止すべきだ、と彼は主張した。 米国最大の製造業の労働組合である全米自動車労組の新しい指導部は改革を目指しており、EV自動車製造とバッテリー製造業などをすべて組織化するためにも、今秋に全国ストライキに向けて組織している。職場の外でも、あるUAWの地域組織の新役員は、就任後直ちにニューヨーク州再生可能エネルギー推進法を組織を挙げて支持した。この法案は、太陽光発電と風力発電を州が建設し、公営で維持し、しかも組合のある企業により製造することを定めたものである。 しかし、多くの組合が気候変動に取り組む唯一の方法は議会を通じた闘いであるが(それすら行っていない組合も多い)、UAWの改革派とそのコーカスであるユナイト・オール・ワーカーズ・フォー・デモクラシー(UAWD)は、その最強の影響力は州や議会ではなく、職場にあると明言する。 UAWの新会長ショーン・フェインが言うように、「わが組合の創設者たちは法律が出来るのを待たなかった。法律を気にすることもなかった。自らの尊厳と公正な分配を求め、そのために必死で闘ったのだ」。 (筆者からのメッセ―ジ) Created by staff01. Last modified on 2023-04-30 22:19:04 Copyright: Default |