パリ情報:盛り上がるストライキとデモ | |||||||
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パリの山口です。 この秋からフランス全土で続いている、サルコジ政権の年金制度改悪に反対するストライキ、デモの報告をしようと思いながら…もう6回目のデモです。 この10月でも、すでに4回の大規模なデモが行われ、先日19日はフランス全土で350万人、私が参加したパリでは33万人が街頭で反対の声を上げました。労組側の発表なので多めに見積もってあったとしても、この日のデモでは、数を聞くまでもなく確実に拡大していることを肌で感じました。 12日は土曜日だったので子供連れが多く、子供たちの手作りのプラカードがあったり、そして19日は高校生や若者が多くなり活気が倍増しました。それとなんといっても、パリでこの年金デモを盛り上げるのに一役買っているのが、テアトル・ドュ・ソレイユ(太陽劇団)の巨大マリオネット、血を流したジャスティスの参加です。「正義なき力は専制である」という旗とともに行進し、途中、無数のカラスに攻撃されて後退し倒れそうになるのですが、反撃しカラスどもを追い払い正義を取り戻し、再び力強く歩き出すシーンでは、拍手喝采で力付けられます。そして、汗を流しながら必死に巨大ジュスティスを操り、これを何度も繰り返しながらデモをしている劇団員のみなさんの様子に感動します。 ただ、95年に年金改悪を阻止した公務員のストと、それに共闘した市民・労働者のデモのときとは、かなり状況が違っているようです。「あの時はすべてが麻痺した感じがあったけど、今回は電車でデモに来れる」とその頃を知っている友人が言っていました。事実、今月12日より19日はスト参加率が減っているのも現状です。ところが、95年にはなかったことが…それはフランスに12箇所ある石油精製所の労働者が、10日ほど前から一斉にストライキに入ったことです。サルコジもこれは想定外!そのため、どこの給油所でも車が長蛇の列で、1時間待っても買えるかどうか。みんなガソリンを節約し始めたのか、ストの時は更に渋滞するパリ環状線ですが、いつもより車がずいぶん少ないです。また、石油精製所のストのほかにも、トラック運転手たちが高速道路を封鎖、マルセイユなどの港町では港湾労働者が港を封鎖したり、フランス全土で様々なたたかいが繰り広げられています。そして高校生たちも年金問題は自分たちの問題として闘い始めました。 2006年のCPE(初期雇用計画)撤回へと導いた時に比べて若者の参加が少ないにせよ、その時に動員数はかなり迫りつつありますが、今回は政府もそう簡単には引き下がるつもりはないようです。運動が更に拡大して政府を追い込み、市民・労働者が正義を取り戻すことができるのか、今後の成り行きにご注目下さい。 Created by staff01 and Staff. Last modified on 2010-10-22 15:25:14 Copyright: Default |