3・5シンポ「これでいいのか雇用対策」の報告 | |||||||
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2002年3月5日(火)、東京御茶ノ水(中央大学駿河台記念館510)で、シンポジウム『これでいいのか雇用対策〜中小企業労働者の視点から』が開催された。中小企業労働者の多い独立系単産による「政策提言」の発表につづいて、労働組合ナショナルセンターの連合(日本労働組合総連合)と全労連(全国労働組合総連合)、そして全国一般(全国一般労働組合全国評議会)の担当者が並んでパネルディスカッションをおこなうという画期的なものとなった。
伊藤彰信・全港湾(全日本港湾労働組合)書記長(写真)は、「中小企業労働者の失業と雇用に関する政策提言(第1次案)」(以下、提言)を発表した。提言は、いわゆる中小企業労働者と「パートや有期雇用、契約労働といった非正規雇用労働者や外国人労働者」とを区別しないという前提で、「政府の雇用対策には、中小企業労働者の失業・雇用問題に関する視点と分析、そして的確な政策がすっぽり抜け落ちている」ことへの危機意識から出された。 まず現状分析では、「潜在失業者の数を含めると、日本の実質失業率はすでに10%台」であり、経済グローバル化の中で大企業が「正社員労働者の大量リストラと非正規労働者による代替を実行するとともに、主従関係に置いてきた系列の下請中小企業や取引先を情け容赦なく一挙に選別し、切り捨てている」ことが構造要因で、退職に追い込まれる時の処遇においても企業規模間格差が著しい、という状況が示された。 次に提言は、政府のこれまでの雇用対策が、「雇用流動化」の名の元にリストラを後押し、「IT頼みの雇用創出論がとっくに破たんしている」にも関わらず新産業企業支援に期待しており、肝心の雇用保険はもともと軽視されてきたが今や枯渇する寸前に追い込まれている、という点を批判する。 そしてオルタナティヴとして、以下の5点を上げる。第一に、海外移転などリストラクチャリングする大企業に対し、系列下請の中小企業と自治体に対する補償として一定の負担を課すこと。第二に、運輸・建設・自治体下請など労働集約部門での過酷なダンピング競争を規制すること、第三に、企業倒産時に労働者が不利益を押しつけられないよう労働債権保護法制を整備すること、第四に、雇用保険の再構築として、大幅な国庫投入と賃金累進保険料率そして一定規模以上の人員削減をおこなう事業主に「特別賦課金」を課して財源を増やし、中小労働者の非自発離職者に「特別加算金」を給付し日雇・パート・短期雇用など非正規労働者にも労働時間に応じた受給権を発生させることで、最も厳しい状況に追い込まれる労働者に手厚い給付を保障すること、第五に、生活分野での雇用創出・職業訓練、競争を制限して「労働者協同組合」を育成するなどして中小労働者の再就職を支援する。
連合の龍井葉二・総合労働局長は、大企業や中堅企業でもリストラが激しさを増しておりその点では中小企業労働者と変わりはないとした上で、小泉改革はおかしいが労働組合も「第三の軸」がまだ示せていない、「ネットワーク」を再構築しなければならないが大企業頼りではない「自前の地域社会づくり」が重要だ、しかしながら福祉分野での「新しい公共事業」には国は金を出すべきだと述べた。また雇用保険に関する提言については、中小労働者への重点給付方式や「特別賦課金」には運用上の疑問があるが、国庫投入と受給拡充には基本的に賛成だとした。 全労連の尾張部伸勝・労働政策局長は、このシンポジウムのために作成した雇用対策に関する「全労連資料集」を持参し、社会保障や中小企業対策費を軽視し雇用流動化で大企業のリストラを促進し不良債権処理で中小の倒産を促進してきた歴代政府の失政を批判した。そして、「経済再生」には個人消費を拡大してデフレを解消することが不可欠で、その中心にいるのが労働人口の7割を占める中小企業労働者であるとした。提言に関しては、「全労連と基本的に共有できる」として今年の春闘で国庫引上げと「リストラ企業から雇用保険料の追加徴収(特別賦課金)を要求する」、また給付カットをめざす小泉改革を許さない世論づくりが必要だと述べた。 全国一般全国協の中岡基明・中央執行委員長は、自ら提言制作に関わったが、これからはそれを具体化していく運動づくりが必要である、その際に共有できる面は「全労働者で取り組む」必要があるとした。また中小労働者・非正規労働者の立場からより根本的な検討が必要で、例えば資本のグローバル化が問題の根本にあるのだから、資本移動課税(トービン税など)を雇用保険財源に繰り入れるなどが必要ではないか、と述べた。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
Created byStaff. Created on 2002-03-08 17:20:50 / Last modified on 2005-09-05 02:58:45 Copyright: Default |